2017年4月29日土曜日

4億も7億も現金で持ち運ぶなんて「はじめ人間ギャートルズ」!!



ある朝突然、私の部屋の前に2tトラックが横付けになり、数人の屈強な若者が勝手に荷物を運び込みはじめたのである。アート引っ越しセンターのサイズでいえばSサイズ、ちょうどアナログレコードを立てて棚に納めるのにちょうどよい大きさの白い段ボール箱を、そうとう重たそうに、しかし手際よくどんどんと運び込んでくるのである。



いったいなにがはじまったのか? と寝ぼけたアタマで考えても心あたりはない。忙しく立ち働く若者に問いかけても返事はない。あれ? ついにこの部屋も誰かのものになってしまったのか? 家賃は払っているはずだぞ? とツジツマの合わぬことを考えているうちに段ボール箱は部屋いっぱいうず高く積み上がり、いい体をした若者と2tトラックは走り去っていったのである。



どうしたのだろう? なにがあったのだろう? としばし呆然と目の前の段ボール箱の山を眺めたのち、おずおずと掌でさすり、それから思い切って角のひとつを開けてみたのである。するとなかには帯封をした1万円札がびっしりと行儀よく詰まっている。その瞬間、ああこれは夢なのだと安堵した。



安堵したけれどもそれで目が覚めるというわけではなく、もしや自分は現代の浦島太郎なのでは? とまたツジツマの合わぬ連想をしてそれならヒゲが生えているはずと顔を撫でさすり、いくら貧乏だからといってこんなひもじさあからさまな夢まで見るとは、と情けなくもなり、とりあえずざっくりいくらあるのか? と電卓を取り出して計算をはじめたりしてもまだ夢から覚めない時間が長くなって、それが再び恐怖であった。



そのときの計算ではアート引っ越しセンターの段ボール箱Sサイズには4億2000万円分の1万円札が入るのだった。で、それが約30個。つまり合計126億円。瞬間それはいかんと思いつつ、これでとびきりの美人とデートができる、と考えた。卑しいことである。あさましい。恥ずかしい限りである。考えてしまった。



それが誰を思ってのことなのかは自分でも定かではなかったけれどもボンヤリしたアタマの霞の向うに「イバンカ」という名前が亡霊のごとく閃いたような気もするのである。ファーストドドーターもとい、ファーストドーターである。いやシャララポワもとい「シャラポワ」だったか。



いずれにしても極東の身長170㎝そこそこのモンゴロイドの男がその姿を想像しただけで舞い上がるパツキン。しかしいくらなんでも126億円でもムリである。世のなかには金で買えないものがある。いやだが待てしかし……。貧乏人はどこまでも虚しく、悲しく、情けない。



たぶんこんな自虐的な、というかやっぱりあさましい夢を見てしまったのは、大量の現金を持ち歩いていて事件に遭う、あるいはトラブルを起こすというニュースを最近立て続けに見たからであろう。あるところにはあるもんだよねえ。でもどうしてそんなに現金を持ち歩かなければならないのだろうねえ。



【なぜ根強い日本の現金社会 福岡3.8億円、銀座4000万円強盗被害で浮き彫りに】
(「ZAKZAK/夕刊フジ」2017年4月25日配信)

《福岡市と東京・銀座で20~21日にかけ、派手な強盗事件が相次いだ。白昼堂々の犯行に社会は騒然となったが、驚かされたのは、被害者らが取引に用いるため多額の現金を持ち歩いていたことだ。実は今、巨額取引を現金決済したり、資産を銀行には預けず、個人で所持するケースが増えているという。なぜ、人々は「現金」に走るのか。

福岡市で20日に発生した事件は、貴金属店に勤める男性が銀行で現金約3億8000万円を引き出した直後に発生した。

男性が近くの駐車場に止めたレンタカーに乗ろうとしたところ、男らに襲われた。

現金は、金塊を買い付けるための費用だったという。

一方、21日には東京都中央区銀座で、杉並区の自営業の男性(44)が所持していた現金4000万円が奪われた。

警視庁築地署によると、男性は近くで貿易関係の取引をしており、受け取った7200万円をトートバッグに入れて歩いていたところ、後ろから近づいてきた男に体当たりされるなどした。もみ合ううちに、現金の一部(4000万円)を奪われたという。

2つの事件の被害者らは、いずれも取引のために現金を所持していたとみられるが、社会を驚かせたのはその額だ。これだけの大金となれば「銀行決済」をするのが一般的に思えるが、最近は「現金取引」が珍しくなくなってきているらしい。

さらに近年、自宅に置かれている現金も増加傾向にある。第一生命経済研究所の推計によると、日本のタンス預金は今年2月末時点で、何と約43兆円にも上っている。

タンス預金が増える背景について、経済ジャーナリストの荻原博子氏は「まず1つは、マイナス金利に突入したことで、銀行に資産を預けていても利息は増えないことが影響していると考えられる。マイナンバーの導入で『将来的に所有する銀行口座の資産が、国に細かく把握されてしまうのではないか』という懸念が生まれていることも大きく作用しているのではないか。詳細に個人資産が把握されれば、資産への課税が高まる可能性もあることが、人々をタンス預金に走らせているようだ」と指摘する。

ただ、多額の現金を持ち歩いたり、自宅に置くことは、強盗や詐欺などの事件に巻き込まれるリスクも高まる。

セキュリティー対策は万全にしたい。》



いや、だから、知りたいのはタンス預金が増えている理由ではなくて、大量の札束を持ち歩くリスクと労力とを引き替えにしてもなおかつ現金で決済しようとした理由なのである。みんな期待はそこでしょ。それと、できれば大金を強奪されてもなんとなく余裕の風情に見えた理由も。



一般的なお話としてまず思い浮かぶのは、やっぱりそれはヤバい金なのではないか? ということである。そもそもが横領だとか詐欺だとかで手に入れた、堂々とはつかえない金。アシがつくので銀行などは通せない金。脱税で溜め込んだ金もそうだ。それをいったんなんらかのブツに換える。あるいは国外に持ち出し外国の金融機関を転々とさせてマネーロンダリング(money laundering=資金洗浄)する。



マネーロンダリングの疑いがある現金のやり取りが横行したことを受けて、メルカリやヤフーなどが最近になって規制を強化したことも関係しているのかもしれない。現金でのATM振込は10万円が限度だし。



もちろん、100万円を超える現金の国外への持ち出しは申告しなければならない。憶えておられるであろうか? 福岡市で現金約3億8000万円が強奪されたと同じ4月20日、福岡空港で現金約7億3000万円を無許可で香港に持ち出そうとした疑いで韓国人4人が捕まっている。2つの事件は関係がないらしいけれども、現金約7億3000万円を持ち出そうとすること自体、尋常ではない。アート引っ越しセンターの段ボール箱Sサイズ2個分である。夢のなかでの私の計算によると。



【逮捕の韓国人は強奪事件と無関係か 所持金7億円はフェラーリ代】
(「スポニチAnnex」2017年4月22日配信)

《4人が勤めるソウルの自動車販売会社の男性社長(42)は21日午後、福岡空港で取材に応じ「日本の関税法をよく知らなかった」と釈明。現金は、イタリアの高級車メーカー、フェラーリの「ラ フェラーリ」2台を香港で買い付けるための資金で、東京に住む依頼主の男性から20日夕に福岡空港で受け取ったとしている。


香港で実際に車を見て「その場で契約するため」に現金を運ぶ必要があったとした。》



ふうん。たしかに「ラ・フェラーリ アベルタ」は1台約4億円だそうだけれども、日本の客が韓国ソウルの自動車販売会社を通して香港でそれを買うんだね。ふうん。いじけてきた。



税金の問題もある。福岡市で強奪された現金約3億8000万円は、たしか「金」の購入代金だったというお話であった。海外から「金」を国内に持ち込む場合、関税はかからないけれども税関で消費税8%の納付が必要になる。仮に、あくまで仮に3億8000万円の金塊だとしたらその消費税額は1140万円になる。これを密輸し、現金で決済すれば1140万円は丸儲け、というか丸パクリというわけだ。もちろんふつうに国内で取引すればどんな商品にでも8%の消費税はかかる。



まあ、だからといって誰かが何かを企んだ、といっているわけでは決してない。だがしかし、やっぱし重たい思いをして大量の札束を持ち運ぶのは石の金を担ぐ『はじめ人間ギャートルズ』みたいではないか。いまは西暦2017年なのである。



それでもなお、しかしそれでもなお、やはりアート引っ越しセンターの段ボール箱Sサイズ2個分を二宮金次郎のように背負ってみたい気持もする。おふくろより。カネジロウ? ああ、なにをいっているのかわからなくなってきた。(了)



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