2018年1月13日土曜日

ものすごーくのんびりしている札幌の銭湯、女湯のお話



人格のクセがキツい(by千鳥ノブ)ので、きわめて限られた人間関係のなかで生きている。友だち? なにそれ? なわけである。見えない友だちはたくさんいる。そんな私にも思わぬところから懐かしい便りが舞い込んできた。

懐かしい便り。↓





◆『読売新聞』2018年1月12日配信
【女装し女湯50分、裏声で「女性です」…男逮捕】

《 女装して公衆浴場の女湯に侵入したとして、札幌西署は10日、札幌市白石区、パート従業員の男(50)を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕した。

同署の発表と施設側の説明によると、男は10日午後9時頃、同市中央区北5西24の公衆浴場の女湯に侵入した疑い。調べに対し、「男湯は汚く、女湯の方が安らぐから」と供述しているという。

男は身長約1メートル80で太っており、当時、黒いボブカットのカツラ姿で化粧をしていた。約50分間入浴しており、居合わせた常連客が、不自然に下半身を隠していることを不審に思って施設側に連絡した。男は当初、施設側や駆けつけた署員に対し、裏声で何度も「女性です」と言っていたという。》





懐かしいのは身長約180cmのデブ男でもなく女湯に侵入というだいそれた行いでもござんせん。むかし近くに住んでいたことがあり、この札幌市中央区北5条西24丁目という土地に覚えがあるのである。なんとはかない。



ここはマンションやアパート、一般住宅が混在する地域で表に出るとJR札幌駅から小樽に向う旧国道が走っている。地下鉄駅からはかなり離れていて大型の商業施設などもなく、周辺と比べるといささか寂しい感じもあるので、なにかの用向きで訪れるということはなかった。しかし徘徊癖のおかげでそれなりの土地勘はある。



思い出した。旧国道5号線に出たすぐ近くに座布団が破れ、スツールの座が抜け、1卓だけの小上がりには古い漫画本が散乱している焼肉屋があったのである。その2軒くらい隣にこれまた寂れた雰囲気の小さなスナックがあり、焼肉のほうは七輪に炭を起こして自分で焼いて食べるスタイルだったのでなんとか保てたけれども、こちらは哀しみが胸に満ちて15分ともたなかったのである。



いまこの一角は整備されてマンションが建っているらしい。懐かしいでんがな。



銭湯の名前は「さつき湯」である。こじんまりと地味な外観の一戸建て。利用したことはない。申しわけないけれども銭湯、温泉、サウナ、プール、それから海、川、沼、湖、滝壺も嫌いである。コップの水が喉に詰まって溺れそうになったこともある。人格のクセがキツいのである。



そうした目立たない環境にあるので、唯一直結する公共交通である地下鉄では8駅離れた白石に住む180㎝デブ男としては、あらかじめなんらかの手段でここに目星をつけていたはずである。日中でも気温は氷点下の真冬日になることが多いこの時期にはるばる銭湯に入りにいくのであるから、たとえ車を使うにしても相応の準備を整えておかないと健康に支障をきたす。



あらかじめ目星を付けた女湯をめざしてはるばるやってくる、黒いボブカットのカツラとメイクを用意している。となるとこの男、今回がはじめてではないのであろう。



どうしていままで捕まらなかったのか? しかも今回はなぜ50分間も入浴できたのか? と不思議になる。なにしろ180cmデブである。番台に入浴料を置きにもいったであろうし、その目の届く範囲で脱衣もしているわけである。



「不自然に下半身を隠していることを不審に」思われたのであるから浴槽にじっと浸かっていただけでもあるまい。いくら色白ポチャであったとしても、脱毛完璧ツルッツルであったにしても50分間も気づかないものなのであろうか。



侵入したのは午後9時からその少し前。たぶん人が多すぎる時間帯である。あっそうか。たぶん女の裸が目的なのだからガランと空いていてはつまらない、むしろいっぱい見られるほうがよかったのであった。逆に人と湯気にまぎれて見つかりづらかったということも考えられるかもしれない。どうだろう。



それにしても、それにしても札幌はのんびりしすぎていやしないか? 侵入するほうもされるほうも志村けん(37)のバカ殿様くらいの時代の雰囲気ではないか。磯山さやか(34)と野呂佳代(34)が張り切って桶でお湯をかけ、多岐川華子(29)が地縛霊。



50分といえば、たぶん入浴客のローテーションがひと回りしている。もっと早く、出しなにでも番台に注意喚起するヤツはいなかったのであろうか? 180cmデブにしても、いまどき女の裸が見たいから女のフリして女湯に行こう、とは、いかに窃視症であったにしても大時代すぎている。



うむ。札幌はのんびりマイペースである。ということはいえる。中心部、地下街などを歩いていても人との距離にはずっと余裕があるし、飲食店の設計もゆったりしている。知っている範囲ではお互いの生活への干渉も少ない。そんなわけで暮らしやすく、札幌出身者が東京へ出ても挫折が早いというのはほんとうである。



180cmデブ男のおかげですっかり思い出に浸ってしまった。そんなにまでして女の裸が見たいのかという謎と、この男の裸が見てみたいという欲求を残して、今日はこのままお終い。



あっ、また思い出してきた。もうすっかり明るくなった夏の午前4時ごろ、この界隈から500m ほどの小路をひょいと曲ったら、いきなり目の前にサンダルをつっかけた全裸の女が立っていたことがあったっけ。でもってそれはそのすぐ近所の理容室の奥さんだったっけ。



驚き慌てた私はそのまま通り過ぎてしまったけれども、札幌はいいところだよん。みんな脳天モヤモヤだと思われたらちょっと困るけど。(了)



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