2015年8月31日月曜日

エゲツないなあ、日本テレビのドケチ商法





日本テレビでは、漫才コンビ、ピースの出演禁止令が出されたらしい。別に事故や不祥事があったからというわけではない。又吉直樹(35)が芥川賞を受賞してからというもの、出演依頼が殺到してギャラが2倍にまで跳ね上がったからだというのである。これには厳重な箝口令が敷かれている。しかし呆れ返った製作会社のほうからすっかり漏れているのである。



日本テレビはまた、内村光良(51)司会のバラエティ番組「笑神様は突然に…」のレギュラー放送を9月18日で終了すると発表している。同局はこれについては「オリジナリティーのある企画をたくさん作り上げた番組で、そこそこの視聴率は取れていたが、爆発的なものが見えてこないところがあった」と説明している。



それだけならいいのだが、続けて「オリジナリティーのある企画をいろんなところで試してみたいというところがあった」と語っているのである。「鉄道BIG4」などの番組内企画を分散させようという魂胆である。セコい。


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しかし日本テレビはこれだけでなく、光良個人が抱えている残りの3番組、「世界の果てまでイッテQ!」、「スクール革命!」、「トリックハンター」のうち、「トリックハンター」を来年1月までに、「スクール革命!」を3月までに終了させる方向で動いているといわれているのである。



つまり、日本テレビの光良の番組は4本から2本へ半減させられるというわけである。狙い撃ちといわれてもしかたがないのである。あからさまなことをやるものである。



先の「笑神様は突然に…」も含め、視聴率はいずれもそこそこ取れているのである。終了のほんとうの理由は制作費が高いからなのだそうである。そしてこれまで各番組ともいろいろと節約してやってきて、最後にターゲットになったのが1本200万円からといわれる光良のギャラなのである。


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光良が所属するマセキ芸能社はギャラの値引きには一切応じない。また、次期マセキ社長との誉れも高き光良のマネージャーが可愛くないという話もあるのである。制作の現場にまでなにかと口を挟んでくるらしいのである。というわけで、日テレとしては一石二鳥を狙った感じなのである。



まあ、光良サイドにしてみれば視聴率どん底のフジテレビをはじめ各局から水面下で新番組のオファーがあるらしいから、それほど慌てた話にはならないのである。



いったん上がったギャラは下がらないというのがテレビ番組制作の不文律である。上がったギャラに見合う仕事ができなくなれば遠ざけられるだけなのである。新陳代謝を促すつもりか、おもしろい仕組みである。


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で、テレビ局の景気が悪くなりはじめたあるとき、明石家さんまが「オレのギャラ減らしてもかまへんから番組続けていこう」といったことがあるのである。返事は「それでは下の芸人さんのギャラがなくなってしまいます」だったそうである。上が抑えられると順番に下も抑えられていくのである。考えてみれば当然の話なのである。



だから今回、日本テレビがやろうとしていることは、ピースと内村光良がとりあえずの槍玉には挙がってはいるが、タレント全体のギャラの抑え込みなのである。チャリティを謳った「24時間テレビ」での儲け方といい、セコい話ではある。「24時間テレビ」での守銭奴ぶりは前に詳しく書いてある。



そしてそれ以上に気になるのは、視聴者への視線、配慮がまったく感じられないことである。局の都合ばかりが前面に立って、視聴者のことがまったく顧みられていない印象なのである。置いてきぼりである。




いままでさんざん売り込んでおいて「あの人たちはギャラが高いのでお呼びできません」で済むのか、という話である。そこをなんとか折り合いを付けて視聴者を楽しませるのがエンターテインメント業というものではないのか。



日本テレビはいま、年間視聴率3冠とか、今年は2年連続も目前とか、そうとう調子に乗っているらしいのである。しかし結局はテメエの手柄話というだけで視聴者への感謝の気持ちなど微塵もないのである。なにさまのつもりだといわれてもぐうの音も出ないだろう。24時間テレビでさんざん儲けているくせに。



それに視聴率3冠とかなんとかいっても、それも所詮はテレビ界のなかだけの話である。テレビ界のなかだけで争っていればいい時代ではないのである。テレビ界丸ごと沈みはじめているのである。こんなことばかりを続けていると、あっというまに視聴者は離れていく。間違いない(by長井秀和45、まだタイタン所属)。 (了)




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2015年8月30日日曜日

エロく読み解け!! ラブリン愛之助の「交際宣言」





歌舞伎俳優の片岡愛之助(43)が8月28日、ブログを更新して藤原紀香(44)との交際を宣言したのだそうだ。2人の関係は約3ヵ月前、2015年5月発売の「女性セブン」(小学館)がスクープしているのである。



このときは片岡愛之助の二股疑惑として盛り上がったのである。盛り上がったのはもう一方の女、熊切あさ美(35)が「彼を信じています」とかいいながらマスコミを通して暴れたからである。



その騒動がいったん沈静化したというかネタ切れになったかに思えた8月28日、今度は紀香と愛之助のイチャイチャ写真などを掲載した「フライデー」(講談社)が発売されることになったのである。そこで愛之助が慌てて同日付けの自身のブログで交際宣言をしたという流れである。



今回は、その愛之助のブログの文章を少していねいに分析してみようというたくらみである。短い文章なので、すべて原文のまま紹介し、コメントを添えていこう。


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「事実と気持ち

いつも家族の様に温かく応援して下さっているファンの皆様、また、活動の場を与えてくださっている関係者の皆様方へは、きちんと僕の言葉で、事実と気持ちを1番に伝えたく、ここに書くことにしました。」



「きちんと僕の言葉で」:「僕」はもともとは謙遜の表現である。しかしいまではむしろ、自分と対等もしくはそれ以下の人間に対して、くだけた調子で用いられることのほうが圧倒的に多い言葉である。したがってお世話になっているファンや関係者に向かって、しかもブログという公の場でつかうのにはまったくふさわしくない言葉である。愛之助、「きちんと」伝えようとした瞬間からきちんとしていないのである。



「事実と気持ちを」:文章としてはもちろんおかしくない。しかし事実を突き詰めて表現しようとすれば自然に、主観はできるかぎり排除されるのである。そこをさっそく一緒くたにしてしまっていては、事実だけでは心もとない、あるいは事実関係だけを一人歩きさせたくない気持ちが表れていると読み取れてしまうのである。



「1番に伝えたく」:最初に伝えたい、ということである。つまり同日(8月28日)発売予定の「フライデー」(講談社)に掲載される5ページにわたっての2ショット写真入り記事よりも早く伝えたいということである。平たくいえば先回りしたいのである。


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「この度、藤原紀香さんと交際をさせていただくことになりましたことをご報告いたします。」



「交際をさせていただくことになりました」:文面通りに受け取れば、これから交際をスタートさせる、という意味である。しかし後の文章にあるように、すでに「今の僕を支えてくれています」なのである。事実とは異なるのである。嘘なのである。それともただの付き合いは以前からだけれど、これからはセックスもさせていただくことになりました、という意味なのであろうか? いやいや、「セックスもコソコソせず、堂々とさせていただくことになりました」なのかもしれないのである。



「僕の人生上、2人の女性を同時に好きになったことや、重なってお付き合いをしたことは一度もありません。実際、以前の報道時はいい友人関係であり、藤原さんサイドに多大なご迷惑をお掛けし、お詫び方々 深い話をするようになり徐々に距離が縮まり、それらの逆風を乗り越える相談をする中で次第に“絆”のようなものが生まれ、互いに大切な存在であることに気づきました。」



「2人の女性を同時に好きになったことや、重なってお付き合いをしたこと」:「同時に好きになったこと」と「重なってお付き合いをしたこと」は、この場合、繰り返しによって強調しているというより、意味内容が異なるのである。「同時に好きになったこと」はプラトニックなニュアンスであるが、それだけではやはり十分ではないと考えたのであろう、「重なってお付き合いをしたこと」を加えたのである。ここは私としては「2人の女性と私と3人が重なってお付き合いをしたこと」と読むのである。愛之助のことだからである。



「お詫び方々 深い話をするようになり」:これはありえない話である。「お詫び方々」は「お詫び旁々」であって、お詫びがてら、お詫びのついでに、お詫びをかねて、の意味である。ついでに深い話をされるようなお詫びなど失礼千万な話である。お詫びする側の行動としてもすぐに「深い話」など不自然である。これは紀香との交際のきっかけをでっち上げるためのつくり話である。



「それらの逆風を乗り越える相談をする中で次第に“絆”のようなものが生まれ」:「それらの逆風」とは「藤原さんサイドに多大なご迷惑」などのことであろう。鵜呑みにすればマスコミの二股報道である。しかし二股報道だけであれば、愛之助が記者会見でも開き、悪者になればそれですむ話である。紀香はあくまで被害者で通せる話である。つまり「それらの逆風」とは二股のもう一方の当事者であるあさ美その人をも含めているのである。あさ美をどう黙らせるかの「相談」をするなかで絆が生まれたといっておるのである。


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「彼女は多忙の中でも、友人であった時以上に体調面、食事面など、今の僕を支えてくれています。交際を始めたのがここ最近ですし、お互い40代の独身同士、見守って下さいなんて図々しいことは言いませんが どうぞ そっとしておいて頂けると幸いです。」



「友人であったとき以上に」:いまはすでに友人の関係ではないということである。前出「交際をさせていただくことになりました」とはなにごとであったのであろう。語るに落ちるとはまさにこのことである。まあ、いまさら目くじらを立てるほどのものでもないが。



「 お互い40代の独身同士、見守って下さいなんて図々しいことは言いませんが」:要件を書き終えた愛之助の開放感が溢れ返っている文章である。そして次の宣伝、締めくくりへと続いていくのである。ずいぶんと分かりやすいお調子者なのである。



「本日は、奥州平泉の世界遺産 観自在王院跡で『平泉歌舞伎』を上演させていただきます。そして、9月1日からは大阪松竹座にて『もとの黙阿弥』の公演も始まります。日々精進し、座頭としてしっかり勤めて参りたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。

この先、何か報告したい事があれば、そのときは僕の方からお伝えさせて頂きますので、今後は仕事に集中させていただけますよう、もしこのブログを見て下さっているマスコミ各社の皆様方がいらっしゃいましたら、どうぞ御配慮の程、宜しくお願い申し上げます。

平成27年8月28日   片岡愛之助



「この先、何か報告したい事があれば、そのときは僕の方からお伝えさせて頂きますので」:つまりこれから先、マスコミはうるさく嗅ぎ回ったり騒ぎ立てたりするな、なにかあったらこちらから話をするから、といっているのである。ずいぶん傲慢な話である。井上ハム造(58)はこれを読んでさぞかし腹を立てていることであろう。おまえはいつからそんなにエラくなったのだ? 「報告」だと? 「ご報告」といえ!! 「ご報告」!! ってなものであろう。



「見て下さっている」:正しくは「ご覧いただいている」である。「〜くださっている」という便利で、しかし中途半端な丁寧語は最近の傾向である。このブログ全体を見て、愛之助、オトナの文章力としては100点満点中の50点もいかないであろう。平均点は80点の設定で。



「マスコミ各社の皆様方」:大きく出たものである。いってみればこの文章はマスコミ全体、大向こうを相手にしています、ということである。さすがは歌舞伎役者である。そして公式コメントだということなのである。しかしこの文章の冒頭は「いつも家族の様に温かく応援して下さっているファンの皆様、また、活動の場を与えてくださっている関係者の皆様方へは」と内輪のニュアンスをまといつつはじまっているのである。いささか騙しなのではある。




ブログの文章については以上である。さて、次の興味は「2人の女性を同時に好きになったことや、重なってお付き合いをしたことは一度もありません。」ときっぱり切り捨てられた熊切あさ美がどう出るのか? である。



私としては、まったく無責任な野次馬だが、怒りと嫉妬のあまり、あさ美はそう遠からずたいへんな凶行におよぶと読んでいるのである。そして凶行の直後、身勝手なエロ男に完膚なきまでの天誅を下した記念に、改名をするのである。カマ切ハサ美である。



その次の興味は、藤原紀香がめでたく梨園に嫁いだとして、上手くやっていけるのであろうか? という疑問である。これについても、実は私はすでに予測を立てているのである。鍵を握るのは愛之助の養父、片岡秀太郎(74)である。関西歌舞伎界で女形といえばこの人、というくらいの大物である。



秀太郎は実は歌舞伎以外でも有名な人なのである。往年の大スター高田浩吉(享年86)の娘、美和(68)を嫁に貰ったにもかかわらず、日活ロマンポルノ「軽井沢夫人」(1982)に無理に出演させるなどしたのである。自分の性癖を満足させるためである。鬼畜の所業である。筋金入りの変態である。



1984年、離婚した際の記者会見での、「SMの趣味がある変態で、そばに寄られるだけで鳥肌が立つ!」という美和のあまりにもダイレクトな罵倒ぶりは世間を騒然とさせたものである。



紀香が梨園でうまくやっていくためには、まずはこの秀太郎と上手くやらなければならないのである。もちろんそこにはアルカイックな流し目エロ男、愛之助もフンドシ一丁かなんかで参加するわけである。義父の趣味はSMなのだからナワナワなのである。すでに男としては萎んでいる秀太郎の目が狂気を孕んでギラギラと凄まじく光るのである。地獄のような光景である。



しかしこのジャンルでは案外気の合う3人のような気もするのである。紀香の神経の鈍さにさえ目をつむれば、案外うまくいくような気がするのである。ぜひ、なんらかの記録を残しておいていただきたいと思うのである。(了)




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2015年8月28日金曜日

きゃりーぱみゅぱみゅ、あと1、2年で黒歴史。どうしてあんな……




う〜む、困ったのである。夜のお天道さまからの指令によると、今回のテーマはきゃりーぱみゅぱみゅ、正式には「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」なのである。もちろんお名前くらいは存じ上げておるのである。しかし私は共感するものをまったく見つけられないのである。



正直に申し上げると、むしろ私は「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」のヘイターとはいわないまでも、アンチなのである。であるから、どうしても後味の悪い原稿しか書けないような気がするのである。しかし夜のお天道さまからの指令である。少しでも遠回しに、と考えたのがこんな物語である。



ある日学校の帰り、道端に小さな汚いネズミのような生きものを見つけて棒切れでいじり倒したあげく、拾って帰ったとする。暇だったのでそいつを界面活性剤たっぷりの合成洗剤で洗い、消毒、脱臭し、さらにいじりまわして遊んでみたとする。それでも暇だったので、灰色の毛を刈ったり染めたりしてみたとする。私は美容師志望なのである。



それからちょっと強引に顔面をカスタムしてから、こいつはカワイイということに決めたのである。ヨタヨタと歩くだけのそいつは、いろいろ手を加えたおかげでめずらしい生きものにも見えるようになっていたのである。


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次の日、私はそいつを鞄の中に入れて学校へ持っていったのである。で、クラスの連中と、なんだか気持ちが悪いけどこれで一発あててやろうという話になったのである。不思議な可愛い生きものという設定である。



ファッションデザイナー志望の子が洋服をつくってきたり、キーキーいう鳴き声をサンプリングして曲にまとめるヤツが出てきたり、けっこう盛り上がったのである。しかも動画サイトに投稿すると、そいつはダメ元のいい加減な計画通り人気になってしまい、少し金を稼ぐようになったのである。



しかし金を稼ぐようになるとそいつは急に生意気な口をききはじめたのである。「ナカちゃんのプロデュースじゃなきゃ歌うつもりなんてなかった」などといいだしたのである。ほんとうは最初からただナカちゃんの指示通りキーキーしていただけなのである。



それがさらに図に乗って、さもさも自分がなにごとにも主導権を握っているようにみせかけはじめたのである。なんにもできないくせに、である。スタイルも平均レベル以下なのに、である。そうするとまたわけのわからないバカがどこからともなく湧いてきて、「プロシューマー」だの「ジャパニーズかわいい」だの「アイコン」だのといって持ち上げはじめたのである。バカのロンドである。


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私と仲間はそれでも金にはなるので我慢して面倒を見ていたのである。金になるならどこへでも連れ回したのである。「あの〜、首相が舌を噛んで死んでしまうので、その名前なんとかなりませんか」という官邸筋からの圧力もはねのけてやったのである。



しかしふと気がつくと時の経つのは早いもので、人気はすでに落ち目だったのである。そいつはもうすっかり飽きられていて、なにか新しい手を考えなければ稼ぎがなくなってしまうのは目に見えていたのである。



ちようどそのころ、歌は超絶ソプラノ、スタイルもよく、赤ちゃんのように可愛く、しかもダンスもキレッキレの実力派、ほんものの「ジャパニーズかわいい」の人気が世界中で火がつきはじめたのである。



一方、落ち目になったそいつを改めてしげしげと眺めると、鼻の穴の大きい痩せたドブネズミのような、汚くて貧弱、ひたすら不細工な生きものだったのである。私たちでさえ、こんなやつに人気があったとは信じられないほどのきわものであったのである。


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そこで緊急スタッフ会議を開いたのである。なんにもできない不細工なそいつでどうやって対抗していくか、飯を食っていくか、である。このときスタッフは総勢100人を超えていたのである。100人以上の生活を支えなければならないのである。



会議では、話題づくりに子どもでも生ませようかという話も潤のほうからあったのである。しかし恋愛スキャンダルにさえうまく乗れないヤツに子どもなんかムリ、ママキャリなんかムリ、と久美子に却下されたのである。



後ガマがまだ育っていない状況なので裸でもなんでも時間稼ぎに、という話もセバスチャンからあったのである。しかしあんなヤツの裸に10円の価値もないことは、いまさら久美子やマイコにいわれなくてもみんなわかっていたのである。




さんざんアタマをひねったあげく、結局そいつはもうポンコツということでとりあえず川に捨てることにしたのである。いつまでもポンコツにこだわっていてはこっちまでポンコツのイメージになってしまうのである。それでは困るのである。スタッフも増えているのである。早く始末してしまわなければならないのである。



翌日、私と潤とで近所の川に出かけたのである。流れの深そうなところを選んでさっと放り投げたとき、そいつはなにを思ったか、空中でひとこと「キリコ」と叫んだのである。それから川の音がいっそう大きく耳に響いたような気がしたのである。



ぽちゃんと小さな水しぶきを上げたそいつはすぐに沈み、流されながら青黒い水の底に見えなくなったのである。私と潤はその川の水で手を洗い、ひとこともしゃべらず、何食わぬ顔でそれぞれの家に帰ったのである。それ以来、その川の深みは「ピンキリキリコの淵」と呼ばれるようになったのである。



ほーら、こういう具合になってしまうのである。やっぱり後味が悪いのである。墓場のキャリーならここで土のなかから手を出して足首を掴んでくるところである。さらにキャリー・フィッシャー(58)はまたレイア姫をやるらしいのである。ああ、困った。どうしよう。 (了)




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