日本テレビでは、漫才コンビ、ピースの出演禁止令が出されたらしい。別に事故や不祥事があったからというわけではない。又吉直樹(35)が芥川賞を受賞してからというもの、出演依頼が殺到してギャラが2倍にまで跳ね上がったからだというのである。これには厳重な箝口令が敷かれている。しかし呆れ返った製作会社のほうからすっかり漏れているのである。
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日本テレビはまた、内村光良(51)司会のバラエティ番組「笑神様は突然に…」のレギュラー放送を9月18日で終了すると発表している。同局はこれについては「オリジナリティーのある企画をたくさん作り上げた番組で、そこそこの視聴率は取れていたが、爆発的なものが見えてこないところがあった」と説明している。
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それだけならいいのだが、続けて「オリジナリティーのある企画をいろんなところで試してみたいというところがあった」と語っているのである。「鉄道BIG4」などの番組内企画を分散させようという魂胆である。セコい。
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しかし日本テレビはこれだけでなく、光良個人が抱えている残りの3番組、「世界の果てまでイッテQ!」、「スクール革命!」、「トリックハンター」のうち、「トリックハンター」を来年1月までに、「スクール革命!」を3月までに終了させる方向で動いているといわれているのである。
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つまり、日本テレビの光良の番組は4本から2本へ半減させられるというわけである。狙い撃ちといわれてもしかたがないのである。あからさまなことをやるものである。
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先の「笑神様は突然に…」も含め、視聴率はいずれもそこそこ取れているのである。終了のほんとうの理由は制作費が高いからなのだそうである。そしてこれまで各番組ともいろいろと節約してやってきて、最後にターゲットになったのが1本200万円からといわれる光良のギャラなのである。
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光良が所属するマセキ芸能社はギャラの値引きには一切応じない。また、次期マセキ社長との誉れも高き光良のマネージャーが可愛くないという話もあるのである。制作の現場にまでなにかと口を挟んでくるらしいのである。というわけで、日テレとしては一石二鳥を狙った感じなのである。
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まあ、光良サイドにしてみれば視聴率どん底のフジテレビをはじめ各局から水面下で新番組のオファーがあるらしいから、それほど慌てた話にはならないのである。
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いったん上がったギャラは下がらないというのがテレビ番組制作の不文律である。上がったギャラに見合う仕事ができなくなれば遠ざけられるだけなのである。新陳代謝を促すつもりか、おもしろい仕組みである。
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で、テレビ局の景気が悪くなりはじめたあるとき、明石家さんまが「オレのギャラ減らしてもかまへんから番組続けていこう」といったことがあるのである。返事は「それでは下の芸人さんのギャラがなくなってしまいます」だったそうである。上が抑えられると順番に下も抑えられていくのである。考えてみれば当然の話なのである。
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だから今回、日本テレビがやろうとしていることは、ピースと内村光良がとりあえずの槍玉には挙がってはいるが、タレント全体のギャラの抑え込みなのである。チャリティを謳った「24時間テレビ」での儲け方といい、セコい話ではある。「24時間テレビ」での守銭奴ぶりは前に詳しく書いてある。
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そしてそれ以上に気になるのは、視聴者への視線、配慮がまったく感じられないことである。局の都合ばかりが前面に立って、視聴者のことがまったく顧みられていない印象なのである。置いてきぼりである。
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いままでさんざん売り込んでおいて「あの人たちはギャラが高いのでお呼びできません」で済むのか、という話である。そこをなんとか折り合いを付けて視聴者を楽しませるのがエンターテインメント業というものではないのか。
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日本テレビはいま、年間視聴率3冠とか、今年は2年連続も目前とか、そうとう調子に乗っているらしいのである。しかし結局はテメエの手柄話というだけで視聴者への感謝の気持ちなど微塵もないのである。なにさまのつもりだといわれてもぐうの音も出ないだろう。24時間テレビでさんざん儲けているくせに。
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それに視聴率3冠とかなんとかいっても、それも所詮はテレビ界のなかだけの話である。テレビ界のなかだけで争っていればいい時代ではないのである。テレビ界丸ごと沈みはじめているのである。こんなことばかりを続けていると、あっというまに視聴者は離れていく。間違いない(by長井秀和45、まだタイタン所属)。 (了)





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