8月22日〜23日は実におぞましい2日間であった。長渕剛の長渕剛による長渕剛のための空疎な「10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」が賑々しく挙行され、その一方では日本テレビによる恥ずべき「24時間テレビ38 愛は地球を救う」が放送されていたのである。なんてこった!! である。
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「長渕剛10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」については嫌みたっぷりな文章をすでに前回、前々回に書いているので、そちらを読んでいただけたらと思う。今回は「24時間テレビ38 愛は地球を救う」についてである。
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「24時間テレビ38 愛は地球を救う」がなぜ恥ずかしいのかといえば、理由は実に単純である。チャリティを謳いつつ、主催する日本テレビと、そこに出演するタレントたちが利益を得ているからである。しかも大儲けである。公正取引委員会に「チャリティ」という文言の使用取下げを訴えれば通りかねない話である。
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2013年の『FLASH』の記事によると、番組の総制作費は4億2000万円、広告収入は22億2750万円である。日本テレビは、2013年には「24時間テレビ36 愛は地球を救う」で差し引き18億750万円儲かったのである。24時間で。いい商売である。
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ただし、今年2015年の「24時間テレビ38 愛は地球を救う」の平均視聴率は2013年より2.7ポイント下げて15.4%であったから、広告収入はもう少し少ないかもしれない。しかしいい商売であることに変わりはない。
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どれくらいいい商売かというと、HuLuやスポーツクラブ「ティップネス」なども含めた日本テレビホールディングスの2013年度の経常利益は421億8400万円である。「24時間テレビ36 愛は地球を救う」は、そのうちの約4%を24時間で稼いだわけである。2013年は。
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で、タレントのギャラは総制作費のなかから支払われるわけである。過去に報道された例では、メインパーソナリティを務めた嵐に5000万円、マラソンを走った大島美幸に1000万円、司会の羽鳥慎一と上戸彩に各500万円だそうである。マラソンを走った萩本欽一が「だってこれだもん」と指を2本立ててみせたという話もある。2000万円である。
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チャリティを謳いながらのこの荒稼ぎ、大盤振る舞い。理解に苦しむのである。タレントもタレントで、ギャラをもらって出演するなら、はっきりと「有料営業中タレント」と明示してもらいたいものである。
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全国から寄せられる募金の総額は、2013年は9億円、2014年は15億円であった。ほんとうにありがたいことである。しかし2013年で話をすれば、この年の日本テレビはその2倍の儲けを手にしているのである。
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これでは弱者をネタにしての金儲け、弱者を食いものにしていると指弾されてもしかたがないのである。日本テレビに愛などないのである。地球を救うつもりなどサラサラないのである。
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最後に、こうした日本テレビの姿勢にはっきりと拒否の姿勢を示している大物2人を紹介しておく。明石家さんまは「ギャラが出るなら出ない」、ビートたけしは「偽善的なので出ない」のである。日本ではお笑い芸人にしか常識はないのである。 (了)





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