2015年8月11日火曜日

テレビは脳の成長によくない。安倍さんもだよ





テレビを見すぎるとバカになるか否か? ここのところこの問題にこだわっているのである。他人事ではないのである。これまでさっくり調べたところでは、研究論文としては「脳の成長に遅れが出る」というのがあり、経験的な話としては、「考えるスペースが狭くなる」とか「受動的な脳になる」という記述があった。



やはりテレビは脳によくない影響を与えるのである。しかしそれでもおそらく、脳の成長や知能の発達に与える影響は軽微で、正常の範疇にいるはずの者を魯鈍に変えてしまうほどのものではないのである。



しかし、である。「考えるスペースが狭くなる」とか「受動的な脳になる」とかいう脳の働き方についてはどうなのだろう? これも根拠は示されていないが、内向的、自閉的になると書かれているものもあった。



毎日約8時間テレビを見てきた私の場合は、多少人見知りはするが、内向的でも自閉症的でもない。「考えるスペース」はすごく狭いような気がするが、「受動的な脳」ではないと思う。というか「受動的な脳」という感覚がほんとうはあまりよくわからない。


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で、いま気がついたのだが「〜しすぎるとバカになる」といういいかたは、テレビについてだけでなく、ほかにもいろいろある。これはきっとしつけのために便宜的にいわれはじめたフレーズなのである。いま気がつくところがまたまた相当バカっぽいが。



テレビばっかり見ていてはいけない、ミョウガばっかり食べてはいけない、オナニーばっかりしていてはいけない、ということなのである。テレビばっかり見ていないで、勉強なり仕事なり、やるべきことをやれ、ということなのである。



話は少しそれるが、終戦直後、パンをはじめとする小麦原料の食事が奨励されたことがあった。いわゆる粉食である。なぜ粉食が奨励されたかといえば、アメリカで余っている小麦を日本が引き受けるためである。メリケン波止場である。


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大戦が終わってすぐに余剰作物を抱えて困るような国と、「欲しがりません勝つまでは」「鬼畜米英」「進め一億 火の玉だ」とかいいながら日本は戦っていたのである。もう、戦争をはじめる時点ですでに特攻精神みたいなものが見え隠れするのである。



そしてその戦争に負け、精も根も尽き果て、飢えに苦しんでいた日本にとって、「鬼畜」アメリカの小麦は確かにありがたかったのである。法を守り、配給の食糧しか口にせず、結局餓死してしまった判事がいた時代である(1947年、山口良忠判事餓死事件、享年34)。



で、日本は国を挙げて、このアメリカの粉食戦略を受け容れたのである。そしてその当時のスローガンに「コメを食うとバカになる」というものまであったのである。アメリカの小麦をより多く消費するために、である。アメリカに迎合してコメを犠牲にまでしようとしたのである。



粉食を奨められたのは人だけではない。ウシやブタなどの家畜に大量の小麦やトウモロコシを与えるようになったのも、このときからである。その結果たとえば日本の生乳価格はいまでもニュージーランドの2倍以上である。穀物飼料に頼る畜産システムが植え付けられたのである。


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「〜(しすぎると)バカになる」といういいかたは、実に強烈な脅し文句である。私たちのこの御し難い恐怖心の背後には、単純に人として劣るというほかに、おそらく明治に入って身分制度が廃止されて以来の学歴主義があるのである。



一般の人々にとって、利口なアタマはたいへんな僥倖であり、財産だったのである。末は博士か大臣か。利口なアタマは、かつての身分=分限を越えて、どこまでも出世できる輝かしい夢を宿していたのである。



話は変わるが、安倍晋三(60)首相は8月6日の広島平和記念式典で挨拶した際、非核三原則についてふれなかったのである。ことについて後に「非核三原則を堅持するのは大前提で、その考えにまったく揺るぎはない」と述べたそうである。あんまりあたりまえなので敢えてふれなかった、というニュァンスである。




仮に晋三首相には非核三原則を守る自信がないとする。しかし6日は原爆記念日の挨拶であるから、非核三原則を遵守する旨の発言は必須である。さてこの場合、どうせ嘘を吐くならどのタイミングが最も効果的であろうか? とロクでもない私は考えるのである。



嘘として最も単純、かつ効果的なのは、式典の挨拶で非核三原則を厳守すると、シレッと明言してしまうことである。ここで明言しないであとから釈明めいたいい方をするから腹を探られることになるのである。



あとで腹を探られることになるのを承知で非核三原則の話をしなかったとしたら、そこには理由があるのである。それはたぶん晋三首相、単純にダブルスタンダードに疲れ果てて、もう面倒くさくなっているんだろうなあ、と思うのである。式典での挨拶は後々にまで拘束力をもつ、とかなんとかではなくて。



ま、聞かれたら聞かれたで、そのとき適当に答えればいいじゃん、てなものだろうと思うのである。こういうのが「受動的な脳」というのであろうか?  (了)




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