2015年8月28日金曜日

きゃりーぱみゅぱみゅ、あと1、2年で黒歴史。どうしてあんな……




う〜む、困ったのである。夜のお天道さまからの指令によると、今回のテーマはきゃりーぱみゅぱみゅ、正式には「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」なのである。もちろんお名前くらいは存じ上げておるのである。しかし私は共感するものをまったく見つけられないのである。



正直に申し上げると、むしろ私は「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」のヘイターとはいわないまでも、アンチなのである。であるから、どうしても後味の悪い原稿しか書けないような気がするのである。しかし夜のお天道さまからの指令である。少しでも遠回しに、と考えたのがこんな物語である。



ある日学校の帰り、道端に小さな汚いネズミのような生きものを見つけて棒切れでいじり倒したあげく、拾って帰ったとする。暇だったのでそいつを界面活性剤たっぷりの合成洗剤で洗い、消毒、脱臭し、さらにいじりまわして遊んでみたとする。それでも暇だったので、灰色の毛を刈ったり染めたりしてみたとする。私は美容師志望なのである。



それからちょっと強引に顔面をカスタムしてから、こいつはカワイイということに決めたのである。ヨタヨタと歩くだけのそいつは、いろいろ手を加えたおかげでめずらしい生きものにも見えるようになっていたのである。


犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』


次の日、私はそいつを鞄の中に入れて学校へ持っていったのである。で、クラスの連中と、なんだか気持ちが悪いけどこれで一発あててやろうという話になったのである。不思議な可愛い生きものという設定である。



ファッションデザイナー志望の子が洋服をつくってきたり、キーキーいう鳴き声をサンプリングして曲にまとめるヤツが出てきたり、けっこう盛り上がったのである。しかも動画サイトに投稿すると、そいつはダメ元のいい加減な計画通り人気になってしまい、少し金を稼ぐようになったのである。



しかし金を稼ぐようになるとそいつは急に生意気な口をききはじめたのである。「ナカちゃんのプロデュースじゃなきゃ歌うつもりなんてなかった」などといいだしたのである。ほんとうは最初からただナカちゃんの指示通りキーキーしていただけなのである。



それがさらに図に乗って、さもさも自分がなにごとにも主導権を握っているようにみせかけはじめたのである。なんにもできないくせに、である。スタイルも平均レベル以下なのに、である。そうするとまたわけのわからないバカがどこからともなく湧いてきて、「プロシューマー」だの「ジャパニーズかわいい」だの「アイコン」だのといって持ち上げはじめたのである。バカのロンドである。


HP Directplus -HP公式オンラインストア-


私と仲間はそれでも金にはなるので我慢して面倒を見ていたのである。金になるならどこへでも連れ回したのである。「あの〜、首相が舌を噛んで死んでしまうので、その名前なんとかなりませんか」という官邸筋からの圧力もはねのけてやったのである。



しかしふと気がつくと時の経つのは早いもので、人気はすでに落ち目だったのである。そいつはもうすっかり飽きられていて、なにか新しい手を考えなければ稼ぎがなくなってしまうのは目に見えていたのである。



ちようどそのころ、歌は超絶ソプラノ、スタイルもよく、赤ちゃんのように可愛く、しかもダンスもキレッキレの実力派、ほんものの「ジャパニーズかわいい」の人気が世界中で火がつきはじめたのである。



一方、落ち目になったそいつを改めてしげしげと眺めると、鼻の穴の大きい痩せたドブネズミのような、汚くて貧弱、ひたすら不細工な生きものだったのである。私たちでさえ、こんなやつに人気があったとは信じられないほどのきわものであったのである。


ASICS ONLINE STORE アシックスオンラインストア


そこで緊急スタッフ会議を開いたのである。なんにもできない不細工なそいつでどうやって対抗していくか、飯を食っていくか、である。このときスタッフは総勢100人を超えていたのである。100人以上の生活を支えなければならないのである。



会議では、話題づくりに子どもでも生ませようかという話も潤のほうからあったのである。しかし恋愛スキャンダルにさえうまく乗れないヤツに子どもなんかムリ、ママキャリなんかムリ、と久美子に却下されたのである。



後ガマがまだ育っていない状況なので裸でもなんでも時間稼ぎに、という話もセバスチャンからあったのである。しかしあんなヤツの裸に10円の価値もないことは、いまさら久美子やマイコにいわれなくてもみんなわかっていたのである。




さんざんアタマをひねったあげく、結局そいつはもうポンコツということでとりあえず川に捨てることにしたのである。いつまでもポンコツにこだわっていてはこっちまでポンコツのイメージになってしまうのである。それでは困るのである。スタッフも増えているのである。早く始末してしまわなければならないのである。



翌日、私と潤とで近所の川に出かけたのである。流れの深そうなところを選んでさっと放り投げたとき、そいつはなにを思ったか、空中でひとこと「キリコ」と叫んだのである。それから川の音がいっそう大きく耳に響いたような気がしたのである。



ぽちゃんと小さな水しぶきを上げたそいつはすぐに沈み、流されながら青黒い水の底に見えなくなったのである。私と潤はその川の水で手を洗い、ひとこともしゃべらず、何食わぬ顔でそれぞれの家に帰ったのである。それ以来、その川の深みは「ピンキリキリコの淵」と呼ばれるようになったのである。



ほーら、こういう具合になってしまうのである。やっぱり後味が悪いのである。墓場のキャリーならここで土のなかから手を出して足首を掴んでくるところである。さらにキャリー・フィッシャー(58)はまたレイア姫をやるらしいのである。ああ、困った。どうしよう。 (了)




ソニーストア

HMVジャパン

デル株式会社

エプソンダイレクト株式会社







0 件のコメント:

コメントを投稿