2015年12月21日月曜日

〈美容整形〉美しさもグローバリズムで、ってことでいい?





平子理沙(44)が離婚の準備中らしい。準備中でニュースになるのだからたいしたものである。ハイキングウォーキングの鈴木Q太郎(41)とその相方の松田洋昌(38歳)など、それぞれ今年11月と4月に、誰にも知られずひっそりと離婚していたのである。






このコンビそれぞれの離婚が知られたのは、自己申告してからようやくのことだったのである。このあたり、とくに洋昌のほうは、まだまだお笑い芸人としての腹のくくり方が足りないようである。いまの立ち位置では、プライベートなので……、とかいっている余裕はないはずなのである。






それはともかく、美容整形である。嫌味なヤツである。国際美容外科学会などのデータによると、いま、日本には総合病院を含めると1000以上の美容整形外科の診療所があるのである。約1800人の整形医が従事しているのである。年間手術件数は約37万件で、これは人口1000人に対して2.92件の割合である。



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市場規模で見ると、美容整形の年間売上高は2000億円を超えているといわれるのである。だいたいオンラインゲームと同じようなものである。というわけで、整形医1人あたりの売上としては年間1億円超になる。儲かるのである。



全般的に病院経営は厳しい状況にあるので、たとえば形成外科に美容外科を併設するなど、美容整形への参入が盛んになっているのである。医師免許をもってさえいれば、誰でも美容外科医と名乗ることができるのである。



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ちなみに、手術件数の人口比が最も高いのはギリシャで、1000人に対し5.34件、次がイタリアで5.21件、3位が韓国で5.19件である。日本の2.92件は全体の第9位に位置している。



よく“整形大国”といういわれ方をする韓国では、『ELLE Korea』が20代~30代の女性9,324人を対象に調査したというデータがある。それによると、なんと76%が整形手術を受けた、と答えたというのである。どれだけブスが多いのであろうか。



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件数ではなく、受けた人の割合が76%なのである。ということは、若夫婦の場合、ほとんどの妻が整形手術を受けていることになってしまうのである。あの台湾の整形外科の広告で使われた、有名な“似ていない家族写真”、があたりまえになってしまうのである。親は美形で子どもはブス。



で、そうした場合、たぶんその子どももいつかは美容整形を受けるだろうと予想されるのである。つまり次世代からの将来の需要がほぼ約束されるわけである。マクドナルドがなんとかして子ども時代から餌付け、おっと間違いた(byアラーキー)食習慣に組み込ませようと躍起になっているのと同じようなものである。「カップルでブライダル整形 〈寿〉特別価格」、どうですか、高須克弥院長(70)。






韓国では、大学入学のお祝いに親が美容整形をプレゼントするという話もあるくらいなのである。熾烈な学齢社会だというから、それと人気の美容整形が結びつくのはあたりまえの成り行きなのかもしれないのである。しかしえげつない感じもするのである。ともあれ、韓国での美容整形は、比較的最近になって一気に普及したということである。



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中国では、妻の結婚前の美容整形がバレて夫から訴えられるケースもあるらしいのである。そうだよなあ、玉の輿に乗るためにはやるかもなあ。というより、結果として美容整形の力を借りて玉の輿、という女は日本にもずいぶん多いのである。あいつもあいつも。結婚してから一気に太った女も訴えられればいいのに。



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でもって、日本や韓国、中国、台湾の女たちの美容整形の目標となるモデルは、目がぱっちりで鼻筋が通っている、いわゆる西欧型の美人である。つまり瓜実顔で切れ長の目、おちょぼ口などという東洋的な美意識は、すでにすっかり駆逐されてしまっているのである。美のグローバリズムである。






もちろん、ここではもっぱらさらなる審美的な追求のために行われる美容整形を指しているのである。脱毛や植毛、縮毛の矯正、わきが、斑など切実な悩みを解消するための美容整形はまた別な話である。



生活様式が西欧化している以上、西欧的美意識が幅を利かせるのはあたりまえである。脱亜入欧である。きっと、金とハリウッドとエイトビートにしてやられているのである。もう2世代もむかしになる敗戦、占領の記憶もか。






しかし目頭を切開し、鼻にプロテーゼを入れ、眉間にボトックス注射をし、唇にヒアルロン酸を注入し、カラーコンタクトを入れたとしても、しょせんそれは西欧人の真似に過ぎないのである。テイラースウィフトなどは、そんな黄色人種の涙ぐましい努力を、きっと腹の底で笑っているのに違いないのである。






不思議なのは、日本のよい子のみなさんはなんのためらいもなく、それでよしとしていることである。生まれ変わったらアメリカ人になりたい、である。日本人としての誇りをどうしたとまではいわないが、真似している限り本物からは見下げられるのである。そこのところ、わかっているのであろうか。






少し毛色は違うが、いったいなにをめざしているのかわからない美容整形もあるにはあるのである。インプラントなどの、いわゆる身体改造である。インプラントとは、皮膚の下にテフロンやシリコン、チタンなどを埋め込んで凹凸をつくるのである。胸にハート型とか、額には角とか。あと、ボルトのように一部を身体から露出させるものもある。






なんとなく気分はわかるのである。人を驚かすためというより、いまの自分とは違う何者かになりたいのである。もちろん、たとえばいくらサタニズムに傾倒していたとしても、つくりものの角では悪魔になれないということは、重々承知しているはずである。フランケンシュタインにはなれないのである。それでもやってしまうのは、本人にもよくはわからないけれども、やはり何者かになりたいのである。



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恐ろしいことに、身体改造をする人たちの中には、身体の一部を切除してしまう人たちまでいるのである。耳とか指とかチンチンとか。舌先をヘビのように二股にしたり、歯を抜く者もいる。欠損していることでも、何者にかなれるような気がするのである。



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いわゆる小指を詰めるというのは、ヤクザのごめんなさいの証しなので、ここでいう身体改造とは意味が異なるのである。同じように、チンチンにシリコンを入れたりするのも、もっぱら実用のためなので異なるのである。そこには何者かになりたいなどというちゃちなロマンはないのである。別の意味のロマンは溢れ出さんばかりだが。



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ちなみに若いころ、実の父親でもある親方に、チンチンを切るかマゲを切るか、と迫られたというのは、現貴乃花親方(43)である。なにをくだらないことを聞く親方であろう。そう聞かれればマゲと答えるに決まっているではないか。マゲは切ってもまた生えてくるのである。






刺青には、信仰の表現や懲罰、所属集団を示すなど、さまざまな種類がある。しかしファッションとしての刺青には、何者かになりたいなどという大げさな意味はない。ちょっと箔を付ける程度のものである。



刺青よりもむしろコスプレのほうが、得体の知れない何者かには近づけてくれそうな気がするのである。それは扮装なのだからあたりまえといわれればそれまでである。しかしその何者かは、コスプレの対象のキャラクターでもないような気がするのである。



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そして、身体に後戻りできないカタチで手を加えるよりも、簡単に衣裳を着替えるだけのほうが、いまの自分からより遠くへいけるようだというのも、意外な話である。そう考えると、身体改造には、もっとほかの要素、たとえば自虐的な嗜好などが加わっているような気もするのである。



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北村克己(享年39)という人物を知っておられるだろうか。別名マッスル北村である。想像を絶する努力で太平洋世界選手権の総合優勝まで登り詰めたボディビルダーであり、テレビタレントでもあった男である。ただの筋肉バカではなかったことは、東大に2度も学部入学した経歴からも推察されるのである。



しかし残念ながら、ボディビル大会に向けて20kgもの急激な減量を敢行し、異常な低血糖から急性心不全を惹き起こして39歳の若さで亡くなってしまったのである。なにかを口に入れようとしたのだろう、冷蔵庫の扉を開けたまま息絶えていたのだという。






本来、美というものには精神性があり、その精神性は厳しい修練、鍛錬の結果得られるものだろうと思うのである。少なくとも、金さえ払えばなんとかなるという考え方は、それこそ日本の美学のなかにはなかったものである。



常人には決して真似のできない壮絶な鍛錬で、全身に巨大な筋肉をまとった北村克己は、いったいなにをめざしたのであろうか。とときどき考えることがあるのである。そしておそらく、超人をめざしたのだろう、と思うことにしているのである。






精神と肉体とを極限まで追い込むその生き方は、美容整形とは正反対に位置したものである。とはいえ、いかに克己であろうと、超人になどなれるわけはないのである。おお、「克己」!! なんという残酷な名前!! しかし、愚かにもその絶対に向かって前進していく人間がひとりでもいるからこそ、私たちは獣と一線を画し、人間でいられるような気がするのである。






おお、それならおまえもやれ、とおっしゃいますか。いえいえそんな。私としましては、なんとかして人生の美容整形ができないものか、などと考えているところなのであります。まったく、われながらクズのような男であります。はい。(了)





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