江角マキコ(49)である。『バイキング』(フジテレビ)と『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)を、立て続けに降板したのである。それぞれ12月22日、24日の放送分が最後であるらしい。率直にうれしいのである。2016年はいい年になりそうなのである。
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人の不幸は蜜の味、というわけではない。根っからの臆病者の私は、こういう怖そうな女のことを考えるだけで落ち着かなくなるのである。こういう怖そうな女というのは、単純に性格がキツい、きかない、というヤツである。単純であるだけに手の施しようがないのである。
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たぶんみなさまにも一人や二人は心あたりがあると思うのである。感情が瞬時に沸点に達するヤツ、前世紀には瞬間湯沸かし器、といわれていたヤツである。いまなら電気ケトルである。
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人を騙すとか悪だくみをするとかの知恵くらべならなんとか対抗できるかもしれないのである。しかし、つねに感情自体が腫れものなのが厄介なのである。猛獣と一緒である。イメージとしては頭蓋骨の内側にヘルメットをかぶっているようなヤツである。あのいささか品のない鼻の形を見ればわかるのである。頼りない根拠だが。
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小学校の同級生にいたのである。女子なのに少しでも機嫌を損ねると睨みつけてくるヤツが。そしていきなり、それも一瞬理解に戸惑うほどの強烈な罵声を浴びせてくるのである。しかも相手が泣いたくらいでは罵倒を止めないのである。そんなことが日常茶飯事なのである。臆病なうえ反応が鈍い私は、そいつを遠くから眺めながら、またいつか、まったく抵抗できず、なすがまま蹂躙されてしまうに違いないと怯えていたのである。
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マキコの場合である。ドラマの現場では、少し気に入らないことがあると勝手に楽屋に引っ込んだりして撮影をストップさせることがしばしばなのだそうである。もちろん、こんなヤツへの定番陰口「江角待ち」もちゃんと背負っているのである。しかも、これをどんな大物がいてもやらかすらしいのである。恐ろしいことである。
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『ショムニ』(フジテレビ)では、マキコ、視聴率を上げるためにスカートの丈を短くすることを監督に提案したのである。したたかな考えの持ち主である。で、フタを開けてみればベッキー(31)のほうがスカート丈が短かったらしいのである。これがマキコの逆鱗に触れたそうなのである。ベッキーにしてみれば短くしても怒られ、短くしなくても怒られるのである。ついでにセリフ覚えの悪い本田翼(23)はいつもボッコボコだったそうである。
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まあ、あと『ぐるぐるナインティナイン』での佐々木希(27)、杏(29)、平井理央(33)なんかへのあたりの強さはよく指摘されていたことだし、ゲスト出演した皆藤愛子(31)にいたっては恐怖のあまり思わず泣いてしまっていたのである。
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気の強い女といえば、バイオリニストの高嶋ちさ子(47)も有名である。あまりの剣幕に圧倒された夫君が恐怖のあまり失神したことがあるくらいである。失禁ではない。ちょうど数日前、知り合いの連中とこの話をしていて、いくらなんでも失神するなんて、といったところ、ある男が「いや、ありえる」と呟いたのである。
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トイレの場所を間違えたそいつの飼い犬を妻が叱ったところ、哀れ引きつけを起こしてしまったそうなのである。「白眼むいて、うしろ足突っ張っちゃってよー、まずかったんだよー」だったそうなのである。もちろん、ちさ子もそいつの妻も手を出しているわけではないのである。怒声だけで人も犬もやっつけてしまうのである。こうなると声も立派な凶器である。
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その犬、ミニチュアダックスであるが、抱き上げて別室へ行き、背中を軽く叩きなどしているうちに運よく正気を取り戻したそうである。しかしそれ以来、そいつの妻の姿があるときには絶対に大小便をしなくなったそうである。哀れなことである。
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ちなみにそいつ自身はまだ引きつけも失神も失禁も起こしていないのである。ヤバそうになったら先に「わーっ」と大声を出し、ガレージに猛ダッシュして車に閉じこもるのだそうである。なので車にはいつも酒が積んであるのである。そういえばセダンなのにカーテンもついているのである。それにしても、そんな怪獣みたいな女、別れてしまえばいいのに、と思うのである。酒代もかかるし。
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で、私が見るところでは、高嶋ちさ子はまだ少し、ほんのわずかではあるが、話し合いの余地がありそうな気がするのである。しかしマキコの場合は、こちらが先に「わーっ」と叫ぶ間もなく、いきなり鉄砲水のように襲ってくる感じなのである。荒野に生きるケダモノでも闘いの予兆は見せるというのに、である。したがってちさ子とマキコもし闘わば、つねに先手をとるマキコの圧勝に違いないのである。
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そうそう。なにがいいたいのかといえば、殺人的にきかない女はいる、ということである。そして、たぶんマキコなら飼い犬に引きつけを起こさせるくらいはわけないのである。空を飛んでいるカラスさえ撃墜しかねないと思うのである。その怒気、怒声で。
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ああ、そういえば、マキコの夫の平野眞(50)である。フジテレビのプロデューサーであり、「一茂宅“バカ息子”落書き事件」とその関連のスキャンダルからマキコを庇ったとされている男である。今回、資料を探していて偶然写真を見つけたのである。見事なまでの犬顔なのである。若いパグ系である。今回マキコが『ぐるぐるナインティナイン』の降板にいたるまでに、きっとこの男も何回か失神させられていたのだろう、と思うのである。
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どうしてこんなふうに感じ、書いてしまうのかというと、マキコの半生がそう語っているのである。最初のひとことは、1996年に結婚し、わずか9ヵ月も経たずに離婚してしまった際のご発声である。「ひらめき」である。マキコ、離婚の理由をそう説明したのである。
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まあ、これは結婚を決めた理由についても「ひらめき」と語っていたので、それと対をなす、なかばジョークのつもりもあったのであろう。しかしそれ以外はまったく語らなかったので、ただのジョークではすまなくなったわけである。しかしこれで押し通す気の強さ、尋常ではないのである。そして押し通すにはそれなりの隠したい事情があるわけである。
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この、マキコの最初の夫は桐島ローランド(47)である。母親は作家の桐島洋子(78)、姉に桐島かれん(51)、桐島ノエル(50)がいて、その母方の曾祖父は三菱地所の初代社長、桐島像一である。まぶしいくらいの家系である。
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マキコがローランドと結婚したのも、実はその家柄と財産に目を付けたためといわれているのである。世間というものは口さがのないものである。と、私もよくいえたものである。しかし、姑の桐島洋子は「お金が目的の結婚」といい、さらに「なにか隠している」「裏がある人」とまで語っているそうなのである。まあ、姑が嫁を評していうことなのではあるが。
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そういえばマキコ、2004年3月に、17年間の保険料未納が明らかになってしまっているのである。その前年、国民年金保険料の収納率アップキャンペーンのイメージキャラクターに起用されていたのである。いま考えれば、これと「一茂宅“バカ息子”落書き事件」であわせて完全に1本のはずである。世間を押し切るきかなさ、半端ではないのである。
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で、実際のところなぜ離婚したのかといえば、桐島家にはもうそれほどの財力もなく、というかマキコの自由にはならず、カメラマンのローランドにもほとんど収入がなかったから、らしいのである。金のことについては、ローランド相当責められたらしいのである。失神したかどうかは知らぬが。家柄と金にひらめき、金のなさにひらめいた結婚・離婚だったのである。
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次におやおや、と思ったのは、マキコのバレーボール選手時代の話である。いま確認すると2012年1月の『ぴったんこカン・カン』(TBS)で安住紳一郎(42)相手に語ったのが最初とされているのである。しかし、もっと以前に聞いたような記憶もあるのである。
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ともかく、マキコは高校卒業後、JT(日本たばこ産業)に入社し、実業団バレーボールチームに入ったのである。練習は厳しく、合宿所生活では、よく耳にする先輩後輩の序列やら決まりごとやらなんだかんだが、あったそうなのである。
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そうしてストレスいっぱいの生活が1年半ほど経ったとき、食堂のテーブルの拭き方が悪い、とマネージャーに注意されたのだそうである。その瞬間マキコ、突然スリッパのまま寮を飛び出し、大阪から島根県の実家に帰ってしまった、というのである。
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しかし実家の母はそんなマキコを許さず、1泊だけで大阪へUターンさせたそうなのである。寮では罰として、マキコとマキコのテーブルの拭き方を注意したマネージャーとで、1ヵ月間、寮の掃除をするように命じたそうなのである。
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そのためにマキコは朝の練習にも遅れて参加することになったそうなのである。それで十分なウォーミングアップなしでアタックの練習をした結果、上腕二頭筋を断裂。選手生命を絶たれたそうなのである。これすべてマキコの申告による話である。そうなのである。
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マキコがJTのバレーボールチームに入団したのは1985年4月である。『ぴったんこカン・カン』の放映は2012年1月であるから、その時点ですでに27年前の話である。とはいえ、「私はなにも悪くない」感がいっぱいだったのである。上西小百合である(32)。で、そのしわ寄せは、とうぜんながらJTのバレーボールチームや当時のチームメイトに行くのである。
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だいたい、これほど気の強い、きかない女が、新人とはいえみすみすいじめられっ放しでいるはずがないのである。そこでなにくそと向かっていくから、お互いさらにヒートアップしていくのである。しかし、世間を侮るべからず。JTの選手寮にはマキコを上回る傑物がいたということなのである。
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そしてどうしても歯が立たないと見るや一気にキレてケツをまくるのは、マキコのようにきかないヤツに特有の常套手段なのである。自分でも収拾がつかなくなるのである。目に浮かぶようである。
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いくら過去のこととはいえ、結果的にかつての同僚や会社のことを悪しざまにいうマキコのやりかたはいかがなものか、と思ったのである。そしてこの2012年のアタマというのは、すでに例の青山学院幼稚園→初等部でのママ友抗争が佳境に入っていた時期なのである。マキコが「もう4年以上前かな。。。私もいろいろな噂話を流されたことがあります。……」とブログに書いたのは、2014年の7月30日である。
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続けて「その時は露骨に無視をされたり、お茶会やランチ会をその噂を広めるために開かれたりとか 『違います!』と言いたいのを我慢して耐えました。」「子どもと一緒にいる時に無視をされたり、嫌味を言われたり、、、そんなときも必死で耐えました。」なのである。「耐えました。」。しかしすかさず翌月には『女性セブン』に“ママ友有志”の反論、マキコ批判が掲載されるのである。
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で、マキコの元マネージャーによる「一茂宅“バカ息子”落書き事件」が起きたのは、また話が戻るが、2012年の暮れも押し迫った12月30日である。それを『文春』が書いたのが2014年の9月4日号である。これもふつうに考えれば、頼まれもしないマネージャーがノコノコ出て行ってしでかす話か? なのである。
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しかも『文春』の記事を受けた9月9日のブログでの謝罪の中で、マキコは「現在も心療内科で治療中の元マネージャーや私の子供たちへの配慮もあり、詳しいご説明を差し控えさせていただく」と書いてしまっているのである。心療内科で治療中というのが事実としても個人情報である。マキコが表に出していい話ではないのである。
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これについては、11日放送の「スーパーニュース」(フジテレビ)が、元マネジャーが「江角さんがかわいそうで、自分で勝手にやった」と供述したと報じているのである。フジテレビである。まあ、そんなようなことで、事実はいまも藪の中なのである。
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『ぴったんこカン・カン』に話を戻すと、マキコはママ友とさんざん揉めている最中にも、過去に関係のあった人たちに対して、わがままともいえる、独善的な態度に出ているのである。『ぴったんこカン・カン』には当時のチームメイトも何人か登場していたが、なかなか複雑な印象であった。収録のまえに1回気絶させられていたかどうかは知らない。
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で、レギュラー番組を一気に2本も失ってしまった、これからのマキコである。実はマキコ、2014年3月20日に、長年所属した「研音」を退社して、個人事務所「インクワイヤー」を立ち上げているのである。であるから、2014年7月30日のブログでの「私もいじめられていた」発言は、話題づくりのため、ともいわれたのである。
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まあ、夫のバックアップも遂にここまで、の感があるし、スポンサーもすっかり離れてしまっているのである。もちろん事務所の力には頼れない。いちおう女優ではあるが、もともとそれほど演技がうまいというわけでもない。というわけで、将来はあまり明るくないと思われるのである。
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……しかし、もうこれ以上は怖すぎるのである。マキコのことを考えるのが苦痛になってきたのである。マキコ、ただいま49歳なのである。49歳、おお……。
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今回は「私撰 2015年のすぎた女たち」の第7回目ということにしてもらうのである。江角マキコのキャッチは「私撰 2015年の気が強すぎた女」である。10人の予定ではじめたこのシリーズもあと1人。最後までお付き合いをよろしくお願いしたいのである。(了)


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