いやこれじゃちょっとお話にならない、メリー喜多川を呼んできて!! といいたくなるようなジャニーズのていたらくである。ほんとうはカレン(CULEN:飯島三智、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)支持派なのだけれども、こうも勢いに差がついて一方的な展開になってくるとつまらないのである。もう少しドッタンバッタンやってもらえないものであろうか。
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そんなジャニーズの困惑ぶりはテレビ局とのやりとりによく現れている。ジャニーズ専横の時代がようやく終わりを告げようとしているのである。もっとも、テレビ番組の制作がいち芸能プロダクションに牛耳られるほうが特殊なのであって、これはようやく正常な状態に戻りつつあるということでもある。
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◆『ビジネスジャーナル』2017年10月13日配信
【『おじゃMAP』で対立鮮明…フジテレビ、「視聴率取れない」ジャニーズを見限りクレーム無視】
《 フジテレビとジャニーズ事務所の対立が表面化しつつある――。
9月にジャニーズ事務所を退所した元SMAPの香取慎吾がレギュラーを務めるテレビ番組『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)が攻めている。7月19日には香取の「俺、引退しないから」という発言を放送し、10月4日には同じくジャニーズを退所した草なぎ剛と2人旅をさせ、ステージに立って歌わせた。テレビ局関係者が話す。
「快く思わないジャニーズから、相当責められているようです。それでも、『おじゃMAP!!』は手を緩めない。完全にジャニーズと戦うつもりですよ」
フジテレビといえば、月9ドラマで木村拓哉が高視聴率を取るなど、これまでジャニーズと蜜月関係を保ってきたように見えた。
「今、フジのゴールデン帯でレギュラーを持っているジャニタレは、『VS嵐』の嵐だけ。しかも、視聴率は10%前後とそんなに高くない。TOKIOは深夜帯だし、KinKi Kidsは日曜の午後。実は、もうフジはジャニーズに頼っていないんです。確かに7月クールの月9では山下智久主演の『コード・ブルー』が高視聴率を取りましたが、4月クールの月9『貴族探偵』ではジャニーズの意向を汲んで相葉雅紀を主演に据え、主題歌も嵐の『I'll be there』にしたものの、全話平均視聴率8.8%台(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)と大低迷。月9の30周年という記念すべき作品で大コケしてしまった。逆に、1月クールでは当時まだジャニーズ所属だった草なぎの『嘘の戦争』は一度も2ケタを切ることなく、全話平均視聴率11.3%を獲得。結局フジの制作陣は、ドラマはキャスティングで獲れるものではないし、ジャニタレが数字を持っているわけではないとわかったのです」(テレビ局関係者)
●社長人事も影響
6月には社長が亀山千広氏から宮内正喜氏に交代。これも大きく左右した。
「ドラマ畑で歩んできた亀山氏は結局、芸能事務所とのつながりにがんじがらめになってしまった。その象徴が『貴族探偵』であり、2013年の社長就任以来、まったく結果を残せなかった。宮内氏はこの10年間、岡山放送やBSフジにいたため、芸能事務所とのしがらみが亀山氏と比べてだいぶ少ない。『コード・ブルー』の高視聴率に関しても、『ストーリー展開が大変骨太で妥協がなかった』と物語自体を褒めていた。
フジはテレビ東京に追い抜かれてもおかしくない位置まできており、ジャニーズに気を遣っている余裕がない。実際、香取と草なぎの2人旅スペシャルの視聴率は民放同時間帯1位だった。ジャニーズに背を向けたほうが、実は数字を獲れるという手応えも感じつつある。今の視聴者は芸能事務所への忖度ばかりするテレビ界に嫌悪感を抱いている。日本テレビやテレビ朝日がジャニーズに頼っているなかで、差別化できれば低迷を脱せるという読みもある」(同)
10月18日の『おじゃMAP!!』では、香取と親交の深い萩本欽一をゲストに呼ぶ。
「今年の日本テレビの『24時間テレビ』では『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』のコーナーを放送しながら、『仮装大賞』司会者である香取を出演させないという暴挙に出た。『24時間』のメインパーソナリティがジャニタレだし、日テレはバラエティから情報番組までジャニーズにおんぶに抱っこですから、香取を使わなかった。もう、視聴者はそんなことはわかっているんです。そのなかで、フジはあえて萩本をゲストに持ってくる。これで視聴率が獲れれば、フジはますます脱ジャニーズを打ち出してくるはずです」
9月の月間視聴率はゴールデン帯、プライム帯、全日ともに4位だったものの、全時間帯で数字を上げたフジテレビ。脱ジャニーズ路線が功を奏するか。》
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ジャニーズ所属のタレントが視聴率を取れなくなってきているところへカレンが出てきた、とうぜん局としては視聴率の取れるほうになびく。フジテレビはちょうど社長が交代したばかりでこうした方針転換には手をつけやすい。なんだろうなあ、ジャニーズには不運続き、カレンには追い風、時代の流れの変わりようは残酷なほどである。
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でもって私も10月18日(昨夜)放送の『おじゃMAP!!』を観た。やはり攻めていた。たとえば、香取慎吾の息子が現れて、というドッキリは、別に爆笑問題の田中をイジらなければならない理由もないし、ただジャニーズ時代につくられた“ナゾ”を逆手に取って遊んでみるというためだけの企画である。
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ジャニーズ事務所副社長、営業面の実質トップ・藤島ジュリー景子がこれを観てまたカリカリするのは間違いなしのシロモノである。ただ、あまりこうしたジャニーズ時代の“遺産”をもち出す企画ばかり続くと後ろ向き、しっぺ返しにご執心、とマイナスの印象で捉えられかねないので、そろそろ注意が必要なころではある。
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一方、ジャニーズ事務所側がテレビ局に働きかけを強めているというニュースがある。これは中身の薄さから判断するとジャニーズ事務所からのリークではなくただのデッチ上げだと読めるのであるけれども、ジャニーズ事務所の行き詰まり感をチェックするにはいい材料なので、ざっくりご覧いただきたい。
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◆『サイゾーウーマン』2017年10月18日配信
【ジュリー氏、テレ朝と広告代理店にクレーム!? 元SMAP退所組「起用するな」と怒りの圧力か】
《 公式ファンサイト「新しい地図」立ち上げから、インターネットテレビ出演、映画製作など、めざましい芸能活動を展開している元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。3人のジャニーズ事務所退所に際して、ジャニー喜多川社長は「僕のできる範囲で応援します」と温かいメッセージを寄せていたが、ごく水面下では、ジャニーズサイドによる“圧力”が発生しつつあるようだ。
3人は今後、ジャニーズではご法度だった、インターネットを中心とした活動やプロモーションを行うといわれている。最初の大仕事は11月に放送されるabemaTV『稲垣・草なぎ・香取 3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」』で、同番組の発表が、ジャニーズ退所からわずか1カ月以内だったこともあり、大きな反響を呼んだ。
「この少し前から、ジャニーズはこれまで当たり前のように行っていた、マスコミや元所属タレントへの“圧力”を、一切行わなくなりました。テレビやスポーツ紙どころか、一部週刊誌もジャニーズからの要請には逆らえない状況だったものの、報道規制をかけなくなっているんです」(週刊誌記者)
ところが、abemaTVの運営元であるテレビ朝日に対しては、水面下での物言いがあったようだ。
「藤島ジュリー景子副社長が、発表があった直後に、『なぜ3人をあんなにも大々的に取り上げるのかと』、テレ朝上層部に対してクレームを入れていたそうです。テレビ各局とも、3人を番組で起用したいという意思はあるものの、やはりジュリー氏の機嫌を損ねてしまうのではと、どこも慎重になっていた。その矢先に『テレ朝へのクレーム』が発覚したため、やはりしばらくは、各局とも静観の姿勢を続けることになりそうです」(テレビ局プロデューサー)
さらにジュリー氏は、テレビ局だけでなく一部広告代理店にも、同様の圧力を掛けていたようだ。
「ある大手代理店幹部に『3人を起用するな』と要請したとのこと。テレビCMから商品のイメージキャラなど、少しでもメディアに登場する機会を減らしたいのでしょう」(スポーツ紙記者)
ジャニー社長の言葉もむなしく、やはりジャニーズは彼らを温かい目で見守ることはできなかったようだ。》※原文ママ
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いやいやジャニー喜多川がなにをいおうと事務所の意向とは一切関係がないということは、すでにSMAPの解散 → 独立騒動のときになんども立証されてきたことである。
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もとい。この記事の柱は「藤島ジュリー景子副社長が、発表があった直後に、『なぜ3人をあんなにも大々的に取り上げるのか』と、テレ朝上層部に対してクレームを入れていたそうです」の部分である。
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「発表があった直後に」というのは、『72時間ホンネ テレビ』(AbemaTV)発表の直後に、ということであろう。発表があったのは9月26日であったからすでに3週間以上前になる。で、この申し入れは功を奏したのであろうか? あいかわらず番宣は活発だし、そんな気配は微塵も見られない。
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AbemaTVはサイバーエージェント60%、テレビ朝日40%の出資で設立された、テレビ朝日とはまったくの別会社である。テレビ朝日は大株主としての発言権はあるけれどもそれ以上のものではない。たとえばの話、サイバーエージェント側に“ジャニーズ事務所がうるさいんで”などという話をテレビ朝日がもち込むわけがないし、仮にもち込んでも一笑に付されるのがオチだ。もちろんテレビ朝日が一存でAbemaTVを動かすこともできない。
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もしほんとうに藤島ジュリー景子がテレビ朝日の上層部にネジ込んだのだとしたらずいぶんなトンチンカンなお話である。AbemaTVにはまだ縁もゆかりもないのでテレビ朝日に? ケンカに負けた子どもでもあるまいし。
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しかも、タレントと芸能事務所間のトラブルに世間の耳目が集まり、公正取引委員会も強い関心を寄せているときなのである。 独立したタレントを干すような行為は独占禁止法違反に該当する可能性もある、とこの5月に設立された弁護士たちによる「ERA 日本エンターテイナーライツ協会」も指摘しているではないか。
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ま、そんなこんなで藤島ジュリー景子がテレビ朝日の幹部にクレームを入れたなどということはあり得ないお話である。と、私は思う。ではなぜそんなニュースを飛ばしてしまうのか、というと、ここに少しだけジャニーズ事務所の気配を感じないわけではない。それは最近イヤというほどお目にかかるこのロジックである。
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「テレビ各局とも、3人を番組で起用したいという意思はあるものの、やはりジュリー氏の機嫌を損ねてしまうのではと、どこも慎重になっていた。その矢先に『テレ朝へのクレーム』が発覚したため、やはりしばらくは、各局とも静観の姿勢を続けることになりそうです」
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つまりジャニーズ事務所への忖度(そんたく)の誘導である。アタイらに逆らったりしたらたいへんなことになるらしい、ってそれとなくいっときな、というようなものである。広告代理店の話もしかり。しかしこうしたブラフ(bluff:はったり)がつかえるのは最初だけである。フジテレビが『おじゃMAP!!』で視聴率を稼ぎ、ジャニーズ事務所から具体的になんのクレームもなかったとすれば、各局いっせいに踏み込んでくるであろう。
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ああ、あと今回の記事には関係がないけれども、『72時間ホンネ テレビ』のゲストのブッキングが上手くいっていないという記述にもよくお目にかかる。たしかに現在のところ決定済みなのは市川海老蔵、堀江貴文、キャイ~ン、関根勤、亀田興毅、山田孝之くらいであり、出演を希望しているのも、チャン・グンソク、菊地亜美、品川祐、ざわちん、くらいのものである。
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こちらのほうは短期決戦であるだけに忖度が忖度を呼ぶ状況に陥ってしまうと怖いことになる。しかし飯島三智のことである。ただ黙って推移を見守っているわけではないはずなので、そこのところの手腕も楽しみのひとつではある。
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『サイゾーウーマン』はほんとうのところなんの意図があってこんな記事を書いたのであろう? ジャニーズ事務所のお先棒を担いで気に入られようとしたのであろうか? それとも騒ぎをもっと大きくしたいだけなのであろうか? そうか、それなら私と同じではないか。(了)
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