日本の高齢化率（65歳以上の人口の割合）は26.7％。高齢化率が21パーセントを超えれば超高齢社会と定義されているので、とても立派な超高齢社会である。75歳以上に限っても約1641万人（12.9％）もいる。ということになってくればとうぜん各分野でご活躍のジジババも多いわけである。（内閣府「平成28年版高齢社会白書」）
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AV業界では最高齢の男優に徳田重男（83）、女優では帝塚真織（80）がいる。おっと帝塚真織はどうやら今年引退したようである。「自分好みの男優じゃないと撮影が辛くなったから」というのが理由らしい。意識が高い系というのか。（「SPUTNIK日本」2017年３月22日配信）
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おふたりの出演作品はどんなかなというと『ショック! 見てはならぬものを見た』『禁断介護シリーズ』（徳田重男）、『八十路になりました』『喜寿 祝! 七十七歳のAV撮影』（帝塚真織）などがある。作品数は編集・再発売ものを含めて徳田重男21タイトル、帝塚真織28タイトルであった。どちらも数本を除いてメインキャストである。（DMM.R18）
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徳田重男の場合、絡んでいる女優が若ければユーザー層は年齢が低い方向に広がってゆくけれども、帝塚真織が若い男優と絡んでもそういうことは起きない。つまり帝塚真織の28タイトルはほんとうのババア好きのおかげ、ババア好きが実在していることを証明しているのである。で、またその大部分はほんとうのジジイであろうから、ジジイのパワーは実はたいへんなものなのである。
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ではババアたちはどうしているのであろう? ババアたちに性欲はないのであろうか? 相模ゴム工業株式会社が2013年に発表した全国約１万4000人を対象としたアンケートでは、相手がいない60代男女にしたいか? と訊いたところ、男の77.9％がYes、対して女は15.0％がYesと答えている。これ以上の年齢層のデータはない。
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約８割の60男がYes。男はいつまでも助平なのである。しかしこの男女間の差異については生物学的になんとなく妥当な数字という気がしないでもない。
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けれども、この享楽的なご時勢、男女間の差異が今後どう転ぶかわからない不安もある。仮に女のYesが男並みになったとしてもそれほどの違和感はないけれども怖い。であるからそうなればシルバーウエディング市場が、というようなことは考えず、どうかどううううか寝ている子どもを起こさないようにしていただきたいものである。
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そしてやはり犯罪の世界でもジジババが活躍しているようなのである。
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◆『時事通信社』2017年10月19日配信
【「平成の忍者」窃盗容疑で逮捕＝黒装束、塀上り逃走－大阪府警】
《 商店や住宅に忍び込み金品を盗んだとして、大阪府警河内署は19日までに、窃盗などの容疑で、大阪市中央区日本橋の無職谷川満昭容疑者（74）を逮捕、追送検した。
谷川容疑者は黒装束に身を包み、住宅の塀に上るなどして防犯カメラから姿を隠す手口から、捜査員に「平成の忍者」と呼ばれていた。容疑を認め、「絶対捕まらない自信があった」と話しているという。
逮捕、追送検容疑は2009年３月～今年７月、東大阪市内の住宅などに約250回侵入し、現金や商品券など計約3000万円相当を盗んだ疑い。一部は既に窃盗罪などで起訴された。
同署によると、谷川容疑者は事前に拠点となる空き家を探し、変装用の黒装束などを用意。拠点からは防犯カメラに映らないブロック塀の上や田んぼのあぜ道などを通って移動し、逃走時も同様に足取りを隠していた。
現場付近のカメラ以外には姿がほとんど映っておらず、近隣住民の犯行と誤認する捜査員もいたという。
常にネックウォーマーなどで顔を隠していたが、今年５月、１度だけ外したところがカメラに映り、素顔から同容疑者を特定した。》
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スゴい。誉めてはいけないけれどもたいしたものである。「ブロック塀の上や田んぼのあぜ道などを通って移動し」というけれども、コンクリートブロックの厚さはせいぜい150mm程度である。その上を忍者のように歩くのである。
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『産経新聞』の記事では「塀の上を駆け抜けて逃げる」とも書いてある。ほんとうだとしたらスゴすぎる。おそらくふだんの心地よい緊張感が老化を免れさせていたのであろう。緊張をプラスに転換するコツを、ひとつ村上茉愛（21）にも伝授してやってくれんかのう。
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高齢の犯罪者が増えれば刑務所のなかの高齢者も増える。刑務所に入りたいがために犯罪に走るジジババも少なくないと聞く。そういう人生の先行き短い受刑者に対して「早く出所して社会のお役に立つ人間になれ」とか「よく反省をして迷惑をかけた家族に恩返しをしろ」というような説き方をしてどれほどの意味があるのであろう?
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うむ。 平成の忍者・谷川満昭を諭す言葉は、たぶん「せめてまっとうな人間になって死んでゆけ」というようなものしかないような気がするのである。果たしてそれでいいのかなあ。たぶんこういう場合に宗教はある程度有効なものであろうけれども、どうなのかなあ。
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自業自得はいわずもがなではあるけれど、深い悔恨の情は人生に覚醒したときにはじめて生まれてくるものではないのか。で、ひどく自分を責めたりするというのも、もう挽回の機会はほとんど失われてしまっているのであるから、なんだかなあ。（了）
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