第48回衆議院議員総選挙が終り、超大型の台風21号は温帯低気圧に格下げされつつ北海道の東北海上に抜けようとしている。大騒ぎが収まって静かになることを台風一過というけれども、今回のダブル台風一過のあとのぼんやり感は格別である。
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こういうときにはしばしばそんな気持の空隙を狙い澄まして意表を衝く“何か”が現れるものである。それがこれであった。
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◆『リアルライブ』2017年10月23日配信
【働き過ぎだったYOSHIKI】
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なんと骨太なバカさよ。しかしこの取りつく島もない“現実”感が私の心をコチョコチョとくすぐるのである。「働き過ぎだったYOSHIKI」って、そんなことはとっくに知れている。働き過ぎた結果、頸椎椎間孔狭窄症を発症し、アメリカ時間2017年５月16日、頚椎人工椎間板置換の緊急手術をしたのではないか（「YOSHIKI」ホームページ）。
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でもって７月11日（日本時間）には早くもライブに復帰しているのである。おっとその前に術後わずか数時間で病院を出てレコーディングスタジオに直行し、30分ほど作業をしたのだそうである（「スポーツ報知」2017年５月17日配信【YOSHIKI、頚椎手術成功 退院即スタジオに直行も現在は自宅静養中】）。
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YOSHIKIの働き過ぎはいわれなくても十二分に承知している。そしてそんなに身体を痛めつけなくても、とノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチの大仁田厚もビックリ!! して一目置いている、と想像する。もう一度タイトルを振り返ろう。
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働き過ぎだったYOSHIKI
天高く 働き過ぎだったYOSHIKI
秋の暮れ 働き過ぎだったYOSHIKI
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ああ、ここまできてしまうと悪しき性格の発露とめどなし。
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悲劇的なYOSHIKI（51）はヒロイズムを背に満身創痍になっても闘い続け、いまや一歩一歩“赤十字”のアイコンに近づきつつあるのではないか。白十字はガーゼなんかを売っている日本の会社。
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そしてそのことは歌舞伎の連獅子のごとくヘドバンして長髪を回転させるメタルの定番アクションの一途な孤独さに似て、YOSHIKIはロックである!! と確信させるのである。
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さらに最初のアイコンのお話に微妙に関連してくるのであるけれども、そんなに仕事熱心なのにデビュー35年にしてX JAPANのオリジナルアルバムはわずか５枚というのは少なすぎやしないか、ということである。いろいろと悲劇的なことは承知したうえで、なお。
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おっと、「働き過ぎだったYOSHIKI」の記事になにが書かれてあったかをご紹介するのが遅れてしまった。こういうことである。
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《 X JAPANのYOSHIKIが、体調不良で、21日にアイスランドで行う予定だったドキュメンタリー映画「WE ARE X」の舞台あいさつをキャンセルしたことを、21日、自身のツイッターで明かした。
YOSHIKIは、21日に更新したツイッターで、「本日倒れてしまいました。。アイスランドでの出演が急遽キャンセルになりました。ごめんなさい」と報告した。
13日間で10か国11都市を回る分刻みの過密スケジュール。欧州滞在9日目のイギリスで倒れ、医師から休養指示を受けたという。
そのため、21日に予定されていたアイスランドでのプレミアイベントは、急遽キャンセルした。現在は、医師の指示を仰ぎながら数日間の休養をとり、欧州プロモーションツアー最終日となる、フランス・パリのプレミアには出席する見通しだという。
翌22日にもツイッターを更新。「大丈夫です。いまロンドンにいます。 アイスランド行け(なく)てごめんなさい。24日のPARISには予定通りいきます」というメッセージや、ジェット機から降りる自身の写真を投稿した。
YOSHIKIは今年5月、米・ロサンゼルスの病院で頚椎人工椎間板置換の緊急手術を受けていたが、7月に仕事復帰。長期間の療養ができなかったため、体が悲鳴をあげてしまったようだ。
「ここ数年、YOSHIKIは、以前では考えられないほど精力的に活動している。なぜ、そうなったかというと、YOSHIKIの場合、プライベートジェットでの移動、ロスの豪邸の維持費など、普通に生活しているだけでとにかく金がかかってしまうので、その生活を維持するためには稼ぎまくらなければならない。休むことはできない」(音楽業界関係者)
現状では、仕事のペースを落とすことぐらいしか、体調を回復させる方法はなさそうだ。》
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結局は金? なにをいっているのであろう。YOSHIKIはプライベートジェットやロスの豪邸という成功の象徴に固執するところも含めてロックなのである。それらが身の丈に合わなければなおさらである。浪費と放蕩、身体的危機はロックの三種の神器なのである。YOSHIKIはYOSHIKIのロックのために働いておるのだ。
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働き過ぎだったYOSHIKI。
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ロック好きな私に「働かな過ぎだったKIYOCHI」などと呼ばれる日はくるのであろうか? おお、YOSHIKIと同列にオノレを語ろうとするなどとは、なんと畏れ多いしくじりを犯してしまったのであろう。たいへん申しわけないことである。
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話は変わるけれども、ものスゴ〜く気の強い女は果たして気の弱〜い男のシアワセを理解できるのであろうか? と選挙報道を見ながらボンヤリ考えていた。だってみんなスゴいんだもん。そんな女にYOSHIKIはぴったりである。ファンを公言していた小泉純一郎（75）もどこかババくさかったし。
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もし許されることなら気の強〜い女は捨てて気の弱〜い女と手を取り合い、満月の夜にクリスタルの船に乗ってこの国から逃げていきたい、と願っているのは私だけではあるまい。もしかしてほんとうは働き過ぎのおまえもではないのか? （了）
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