2017年10月10日火曜日

テレビ界における長嶋一茂の、そうとうダークな役割



タレントのキャスティングはどうおこなわれるのか? 人気がある、実力がある、話題性がある、というしごくまっとうな理由のほか、よく耳にするものに「バーター」がある。



「バーター」は売れているタレントとあまり売れていないタレントをセットにして扱うという意味である。局はなかなか押さえにくい人気タレントを番組に確保するために「バーター」の条件をのむ。プロダクションとしてはまだこれからのタレントを売り出すチャンスになる。



この「バーター」という言葉は英語のbarter(物々交換)からきていると一般には理解されているけれどもほんとうは違うらしい。「バーター」すなわち「束」の逆さ読みなのだそうだ。たーばー → ばーたー。人を人とも思わぬ野卑で即物的なところが芸能界らしい。一束100円。「人買い」という言葉を思い出すわい。



でもっていま実際には束とbarter(物々交換)の両方の意味あいが混淆してつかわれている。barterのほうはなんとかこっちの60分枠に移ってもらえないか? みたいなことである。



「バーター」のほかには局とプロダクション間に生じた貸し借りに基づくもの、たとえばこのあいだの番組で急遽空いたキャストの穴を埋めてもらったから、こんどは別番組で出演をお願いする、ということなどがある。このあたりの信義則を大切にするところは、さすが黒社会ニアなところだなあという感じがある。



局との「バーター」や貸し借りの関係は、とうぜん売れっ子を抱える大手プロダクションのほうが多くなるわけで、そこを利用して「ゴリ押し」が行われる。どんなブスな犬でも飼っているうちに可愛く見えるようになるのと同じでそこそこの成果は上がる。



これには新人スターがいなければCMが回らなくなる広告代理店からの期待もある。デッチ上げのニュースターでもなんでも、とにかく仕事が回り金が回ればオッケーである。



そういえば「ゴリ押し」が終了してもコツコツ深夜帯などで頑張る剛力彩芽(25)が健気に見えるのはコツコツだからばかりではない。「ゴリ押し」中のドヤ顔が消えたからである。しかしたまにYouTubeで見るドヤ満開のプロペラダンスもなかなかいいものである。このたぐいを赤歴史(赤っ恥歴史)と呼ぶことにしたのでよろすく。



もとい。あとはペイオラ(賄賂)やマクラ、いわゆる接待攻勢みたいなものもあるのであろう。マクラで印象に残っているのは『週刊文春』(2013年9月12日号)に掲載された記事「NHKが頭を抱える『八重の桜』プロデューサー モー娘。肉弾接待騒動」である。



「八重の桜」の製作総指揮は内藤愼介であった。去年(2016年)『東京裁判』の製作統括/総指揮を担当しているから、ここまで書かれてもまだNHKに在籍しているのであろう。接待した側はバーニングプロダクションの周防郁雄社長であるとされている。



タレントのキャスティングには、あとは原作者側からの要望もある。たとえば最近では『白い巨塔』(テレビ朝日・予定)の主役・岡田准一(36・公称身長170cm)のキャスティングに原作の版元の新潮社が難色を示しているというお話がある。身長の低さが著者・故山崎豊子(享年88)のイメージにそぐわないというのが理由らしい。ああん。



たしかにいわれてみれば、山崎豊子作品の主人公は映画『沈まぬ太陽』の渡辺謙(57・公称身長184cm)くらいでようやくしっくりくる。もともとそのくらいの身長を想定して書かれているのであろう。



それにしても作家が死したのちにもなお版元が映像化を渋るとは、その死の6年前(2007)に製作された『華麗なる一族』(TBS)の木村拓哉(44・公称身長176cm)がよっぽど気に入らなかったのであろう。実際には160cm台ともいわれる木村拓哉よりも岡田准一はたしかに見た感じ明らかに低身長である。



ようやく本論である。こんな理由でキャスティングし続けられているヤツもいる、というお話である。別に興味もないので考えてみたこともなかったけれども聞けばなるほどであった。





◆『リアルライブ』2017年9月16日配信
【失言・放言を連発しても長嶋一茂がクビにならない理由】

《 元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂が15日に生出演した、曜日コメンテーターをつとめる情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)での発言が、ネット上で猛烈なバッシングを浴びている。



同日の早朝、北朝鮮は弾道ミサイルを首都・平壌(ピョンヤン)付近から東北東方向に発射し、ミサイルは北海道上空を通過し、襟裳岬の東方約2200キロメートルの太平洋上に落下した。


そのため、政府は北海道から長野県にかけての全国12道県に「Jアラート(全国瞬時警報システム)」を流し、避難を呼び掛けたため、同番組では予定を大幅に変更してこのニュースを扱った。



番組中、明らかにいら立った表情の一茂。専門家に対して、「そっちは分かってるかもしれないけど、こっちは全然分からないんだからさー」と噛みつくなど終始“ピリピリムード”を漂わせていた。



「いつもなら、“猛獣使い”の羽鳥慎一アナがうまくなだめたりおだてたりするが、同日、羽鳥アナは夏休み。同局の宇賀なつみアナが1人で仕切っていたため、一茂の“暴走”を止めることができなかった」(テレビ局関係者)



そして迎えたエンディング。一茂はあろうことか、「まぁとにかく、広島がマジック1、ソフトバンクがマジック1なのでね、北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うなと、ハイ」と吐き捨てたのだ。



この発言を共演者はスルー。最後は宇賀アナがバツが悪そうに、「あ皆さん、台風にもくれぐれとご注意ください」とだけ話し番組は終了した。



一茂の発言を受け、ネット上では「コメンテーター辞めろよ」、「バカもほどほどに言えよマジで」など大バッシングが巻き起こってしまった。



「普通のコメンテーターならばクビだろう。ただし、一茂は芸能界の実力者の猛プッシュで、リニューアル前から同枠の情報番組のコメンテーターをつとめている。おまけに、父の長嶋茂雄氏に“万が一”のことがあった場合、スクープを取れるメリットもあってテレ朝は切るに切れない」(芸能プロ関係者)



来週は羽鳥アナが復帰するが、一茂の“コメント騒動”について視聴者に謝罪なり、納得のいく説明がなされるかが注目される。》





さて、われわれは毎日いったいなにを見せられているのであろう? テレビなんかそんなもの、だろうとは思うけれどもバカにされた気分にもなる。その一方では父・長嶋茂雄(81)の死とのバーター、父の弔い番組の受付という目で見る長嶋一茂(51)の、バカ故の哀れさはこれまたなかなか見応えがある。



なにかほかに観るものはないのであろうか? と思いつつつい観てしまうテレビ。観たらなにかとバーターしてくれんかのう。(了)




OCN モバイル ONE データ通信専用SIM 500kbpsコース


CMで話題のコスメやサプリがSALE中☆


【DHC】最大70%OFFのSALE開催中!





0 件のコメント:

コメントを投稿