2017年のノーベル文学賞が発表された。受賞者はカズオ・イシグロ(62)だそうだ。去年のボブ・ディランの次くらいにびっくらこいた。しかしその瞬間からノーベル文学賞選考委員の皆さまが、言葉は悪いがたいへん卑近に感じられるようにもなったのである。意図を勘ぐりやすいのである。ゲスの勘ぐり爆発!! である。ゲスの仲間にしてゴメンネ。
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◆『オリコン』2017年10月5日配信
【2017年ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 日本生まれの英国人作家】
《スウェーデン・アカデミーは現地時間5日、日本生まれの英国人作家、カズオ・イシグロ氏(62)に2017年のノーベル文学賞を授与することを発表した。
受賞理由については、「記憶、時間、自己欺瞞(ぎまん)」がイシグロ氏の作品に深く関連するテーマであると指摘し、「我々が世界とつながるという幻想的な感覚、その深淵を、偉大な感情の力をもって明らかにした」と評している。
イシグロ氏は1954年長崎市生まれ。82年にイギリスに帰化しており現在はロンドン在住。81年から執筆活動を始め、89年に発表した『日の名残り』で世界的に権威のある文学賞の一つ、英国のブッカー賞を受賞。同作はジェームズ・アイヴォリー監督、アンソニー・ホプキンス主演で映画化された。
05年に出版した『わたしを離さないで』はキャリー・マリガンら主演で英国で映画化(2010年米公開)されたほか、日本でも綾瀬はるか主演、TBS系で2016年にドラマ化されている。》
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驚いたのは私だけではなくて、現地の記者団も吠えたらしい。
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◆『読売オンライン』2017年10月5日配信
【「誰も予想していない結果」…発表会場どよめく】
《【ストックホルム=作田総輝】スウェーデンの首都ストックホルムにあるスウェーデン・アカデミーで5日午後1時(日本時間5日午後8時)頃、サラ・ダニウス事務局長が、ノーベル文学賞の授賞者として「カズオ・イシグロ」の名前を読み上げると、集まった報道陣は「うぉー」とどよめいた。
地元スウェーデンの女性記者はカズオ・イシグロさんへの授賞について、「誰も予想していない結果だったのではないか」と興奮気味に話した。》
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どよめいただけか。
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ゲスの勘ぐりはまず「イテテテテテテッ!!」という幻聴になってはじまった。声の主は村上春樹(68)である。カズオ・イシグロが獲っちまったらもう完全にアウトではないか。これ、村上春樹には金輪際やらん!! といわれているようなものではないか。連続13回ノミネート(推定)の涙でぬかるんだ長い長〜い道程もこれでようやく終りを迎えたのである。
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あ、そういえば昨日、今年はハルキストの皆さんお静かなようで、と皮肉めいたことを書いたけれども、「ファンが『聖地』と呼ぶ東京都渋谷区千駄ケ谷地区の鳩森八幡神社には約200人のファンらが集まって吉報を待った」らしい(原文ママ)。(「毎日新聞」2017年10月5日配信【<ノーベル文学賞>吉報はイシグロさんに 村上ファンも拍手】)
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たいへん失礼をした。ノーベル文学賞受賞の息の根を絶たれたその相手、カズオ・イシグロにエールを贈るなど、さすが村上春樹ファンである。度量が大きい。お見それした。これ以上書くとまた嫌みったらしくなって叱られそうなのでやめる。
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カズオ・イシグロが獲るとなぜ村上春樹の目がなくなるかというと、小説世界が近いこと、そしてアジア系しかも日系の作家であることである。ノーベル文学賞はやはり地域持ち回り、文化圏持ち回りを強く意識していると思われるので、もうとうぶん、というかほとんど日本からこのスピ系っぽいタイプの作家が選ばれることはない。と思う。
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こういう推測を生む認識は思わずどよめいた現地記者団も、なによりノーベル文学賞選考委員自身ももっているはずである。と、いうことは、ノーベル文学賞選考委員会は村上春樹よサヨウナラ!!という意図をもってカズオ・イシグロを選んだのであろう、と私はまたゲスるのである。
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では、なぜノーベル文学賞選考委員会は村上春樹とオサラバしたかったのか? というと、それは村上春樹とその仲間たちかなにかはしらないが、嫌われるくらい、怒らせるくらいクレクレクレクレとうるさかったからではないのか、とさらにゲスく導かれるのである。私は。
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ロビー活動、そう呼べるものかどうかはしらないけれども、この13年間なにがしかのクレクレ作戦は行われていたはずで、それがついに、もういい加減にしてくれ!! とノーベル文学賞選考委員会の激怒を誘ってしまったと邪推する。
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カズオ・イシグロにしてみればおかげさまでのふって湧いたような僥倖である。そもそもノーベル文学賞に値する作家かといえば私は疑問だし。であるから村上春樹あってこその棚からボタ餅ノーベル。こんな幸運な男はなかなかいない。
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さらに邪推から妄想に発展するけれども、もういい加減にしてくれ!! といい出したのは大江健三郎(82)である。村上春樹が有力候補としてノミネートされていたとすれば、選考委員会がその評価を同じ日本語を母語とするノーベル文学賞受賞者である大江健三郎に問い合わせるのはとうぜんのなりゆきである。
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そうすると、なんとか大江健三郎にお褒めの言葉、お口添えをいただきたく、出版社などがしつこく請願するというのもとうぜん考えられる。だがしかし大江健三郎は村上春樹などまったく認めておらぬ、というわけでケンもほろろ。
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さらに大江健三郎、あまりのしつこさに、日本ではノーベル文学賞でひと商売しようとこんなに醜い状況が生まれておる、かれこれもう13年もだ、文学とは金に動かされるようなものではない!! それを看過している小説家などにノーベル賞の価値はない!! 私は依然として村上春樹の受賞には絶対に反対であるし、ノミネートするのも止めにしていただきたい、迷惑千万である、と伝えたのである。ような気がゲスる。
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大江健三郎の目が黒いうちは村上春樹のノーベル文学賞受賞はない、と思っていたけれども今回の発表でそれすら消し飛んだ。可哀想だけれども、もう永遠にない。ファンのみなさま方はノーベル文学賞、純文学という身の丈にあわないクビキが外れた村上春樹がこれからなにを書くのか、かえってお楽しみが増えたと思う。よかったんじゃない? マジで。キャラ変の可能性もあるし。(了)
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