つねづね思っていたことであるけれども、ただDV(Domestic Violence)という場合、たいていは夫が加害者で妻が被害者という構図である。たしかに全体的なパーセンテージでいうと圧倒的に妻が被害者の割合が多いだろうとは思う。しかしながら、実は夫が被害者のケースも少なくはなく、かつかなり陰惨な実態があるのではないかと、気になっていた。
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その理由は2つ。妻に虐待されていると告白する夫はたいへん少ないであろうこと。そしてもうひとつは妻が夫に、つまり女が男に恒常的な暴力をふるい続ける状況に到るまでには、たぶんいくつかの巡り合わせめいたものがあり、日常から大きく逸脱してしまっているのだろうと推測するからだ。
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ふつうは体力においても攻撃性においても上回っているはずの男が女のいいなりに抑圧されているということに、常識を超えたキビシー責めを連想してしまうのである。
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そんな私の前に立て続けに「夫いじめ」と「妻からのDV」をテーマにした記事が現れた。その、んだろうなあ、は以下の2本である。
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おっと、本論にいく前にお断り。警察庁調べによると2016年の配偶者・交際相手からのDV被害者の85%が女であった。いいだせない男の数を勘案しても圧倒的に女が被害者。これをふまえた上で、今回は夫が被害者というケースを考えてみたい、ということである。
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◆『mamatenna』2017年10月28日配信
【悲惨! 妻による「夫いじめ」の実態とは?】
◆『excite.ニュース』2017年10月28日配信
【〈妻からのDV〉「稼ぎが少ない」「お父さんはダメな人」妻から夫へのDVが増加】
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これらの記事で報告されている具体例を抜粋しよう。
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《 夫たちはどういった被害を訴えているのか。男女間の暴力に関する相談を受け付けている、かながわ男女共同参画センター(神奈川県配偶者暴力相談支援センター)に代表的な事例を挙げてもらった。
妻から「役に立たない」「稼ぎが少ない」などと否定される。子どもがいても構わず本人を罵り、「お父さんはダメな人」といったことを子どもにも言う。何が不満なのか、きちんと話をして解決したいのだが、一方的な物言いで責められ、こちらが何か言うと、さらに責めるように言葉が激しくなり、話し合いにならない。
小遣いも充分渡されず、食事も満足にとれない。長時間妻の言い分を聞かされることもあり、深夜に及ぶと翌日の仕事に差し支えるほどである。睡眠が充分とれず、心身ともに疲れている。このままではいけないと思うし、一緒に生活していくのは難しいかもしれない。ただ、子どものことを考えると、いますぐ別れる決心はつかない。》
(『excite.ニュース』【〈妻からのDV〉「稼ぎが少ない」「お父さんはダメな人」妻から夫へのDVが増加】)
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私の場合は「長時間妻の言い分を聞かされる」のがたぶん最悪である。もし仮に子どもの前で「役に立たない」「稼ぎが少ない」などと罵倒されたとしても、きっと自分でも情けなくなるほど平気である。貧乏父さんで悪うございました、とヘラヘラ笑っていられる自信がある。
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うむ。するとハラスメントはさっそく次の段階へすすむわけだな。
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《 現実世界で起きている「夫いじめ」は、妻が生活の主導権を握り、夫の日常をじわじわと追い詰めるケースが見受けられるようです。
「ある方(夫)は、妻から『汚い、不潔』と罵られて、お風呂も入らせてもらえないと相談にきました。その方は銭湯に通っていて、『まだ我慢できるけど何とかしたい』と和解を望んでいたんです。ただ、どうやら妻が女友達と結託していたようで、夫をどういたぶるか相談していたことが発覚。結果的に不信感が払しょくできず離婚してしまいましたね」(岡野さん、以下同)
他にも、こんな事例があるとか。
「毎日スーパーの安い惣菜だけを食べさせたり、安い材料で簡単な料理しか作らなかったりと、経費を抑えるケースはよく耳にします。食事だけではなく、シャンプーや石鹸など、夫が使うものすべてを安物で埋め尽くすんです。
あとは、趣味や遊びなど、好きなことをさせないように邪魔をするケースも多いですね。もし育児中で、妻自身も時間がない場合だったとしても、『今日は遊びに行っていいけど、来週の休みは代わりに子どもの世話をしてね』など、譲歩したり交渉したりするのが思いやりですよね。でも、夫いじめのスイッチが入った妻は、とにかく夫の自由な時間を奪う。無理矢理予定を入れたり、小遣いを減らしたりと邪魔をするべく画策します」》
(『mamatenna』【悲惨! 妻による「夫いじめ」の実態とは?】)
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これを語っているのは「夫婦問題専門家として、これまで2万件以上の相談に乗ってきた岡野あつこさん」(本文より)である。おお、バツ2の実践派離婚カウンセラー・岡野あつこ(63)ではないか。
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ふうむ。「妻から『汚い、不潔』と罵られて、お風呂も入らせてもらえない」というのは一見すると矛盾しているようであるけれども、いまやほぼ全国の常識となった洗濯物の選り分けが亢進したバージョンだと考えれば納得がいく。そのうち息を吐くのさえ窓の外にしろといわれるかもしれない。呼吸の選り分け。
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怖いのはこの「妻が生活の主導権を握り、夫の日常をじわじわと追い詰める」である。さらに「どうやら妻が女友達と結託していたようで、夫をどういたぶるか相談していた」となるとちょっとタマラン。
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今度の「いたぶり」はどうだったあ? などと笑いながら2人で盛り上がり、その女友達が家に遊びにきたあとでは絶対に“あのバカヅラ見た〜”なお話になっているのに違いないのである。
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こんなヤツらとはどんな犠牲を払ってでもただちにオサラバすべきである。オサラバする。自分をオモチャにするのは好きだけれどもバカにされるのは大嫌いなのである。その線引きが微妙なときもあるのだが。
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しかしオサラバできずさらにご機嫌を損ねるふつつかな生き物であり続けると、暴力が出てくる。
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《妻は気に入らないことがあると、殴る、蹴る、物を投げつける等の暴力や暴言になる。家事や育児を分担しているが、「全然できていない」「なんでできないのか」と夫を責める。「私だけが頑張っている」と主張するなど、最初のうちは言葉だけだが、興奮が収まらないと暴力へ。
妻は「怒らせる夫が悪い」と言い、怒りが激しくなっていく。夫の親にも夫の悪口を言い、親の責任だと矛先を向ける。これまで大怪我を負うような暴力はないが、怒りの度合いがエスカレートしているように思われ、身の危険を感じるようになった。これから先、どう対応していけばよいか苦慮している。
言葉や暴力で虐げられたり、睡眠を妨害されたり、義理の両親にも怒りの矛先が向けられたり、周囲も含めて心身共に深刻な状況に陥っていることが伝わってくる。》
(『excite.ニュース』【〈妻からのDV〉「稼ぎが少ない」「お父さんはダメな人」妻から夫へのDVが増加】)
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ここに上げた2本の記事に妻からの暴力の具体的な記述がなかったので探してみた。怖いもの見たさである。いささか古いけれども典型的と思える事例を見つけた。
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◆『YOMIURI ONLINE 発言小町』2011年1月23日配信
【妻から暴力を受けます どうしたらいいですか】
《 こんちには。妻の暴力で悩んでいます。
一緒になって8年ですが、ささいなこと(稼ぎが悪い)で喧嘩になって、 妻から暴力を受けます。
そんなに稼ぎが悪いとは思いませんが、妻からみれば友人と比べて悪いようです。
暴力の内容は、たたく、ける、なぐるが一通り続いて、 顔をみたくないと騒ぎ、家からの締め出されます。
寒い夜に、何も持たないで、締め出しをくらうと、寒さで耐えられません。
公園のベンチや、車の影で風を凌ぎますが、 このまま死んでしまうのでないかと、 思うくらい、体が凍りつきます。
妻の、たたく、ける、には何度か反撃(抵抗)をしたのですが、 少しでも抵抗すると「暴力だ」と、夜中に大声を上げます。
近所に迷惑がかかるので、 じっと耐えています。
また、警察や両方の親に深夜に連絡されたこともあります。
こんなこともあり、ここ数年は、じっと耐えています。
けりは、内出血をするくらい痛いです。
切り傷、擦り傷、かまれ傷もついています。
夫から妻への暴力は社会問題になっていますので、公の機関も相談にのってくれると思いますが、 妻から夫への暴力は、どこに相談すればいいのでしょうか。
また、こんな場合は、妻へは抵抗してもいいのでしょうか。》
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まるで子どもに対する虐待である。こういう人間の怖さはいとも簡単に常識の垣根を越えてくるところにある。それが大のオトナの男を、常識を備えているがゆえに子ども同然にしてしまう。
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こんな女からは逃げるにしかず。読者からの回答も、(1)抵抗・対抗するな、(2)証拠を集めろ、(3)訴えろ、であった。訴え、相談の場所はまず法テラス、人権相談窓口、DV相談窓口、警察などである。
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妻の側にもそれなりのいい分はあるのかもしれないけれども、それを忖度するのはとりあえずDVが収まってからのお話である。夫と妻の立場が逆の場合もこれは同様。自分なりの解決に向けてさっさと動き出すべきなのだ。
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男も女も星の数。ムリして我慢してくっついていることはない。悪いヤツ、イヤなヤツはとっとと捨ててしまえばいいのだ。そしてもう2度と結婚はしないのだ。(了)
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