人の耳に聴こえる音はだいたい20Hz〜2万Hzとされていて、オーディオはいちおうこれをまんべんなく再生できる性能を目標につくられている。CDに収められる帯域は実質5Hz〜2万2000Hzだ。いわゆるハイレゾだと高域は9万6000Hzまで伸びる。音としては聴こえなくてもキメが細かいだのなんだのでハイレゾのほうがとってもいい、らしい。どうなんざんしょ。
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少なくとも街の雑踏のなかで高級なイヤースピーカーをつかいハイレゾで音楽を聴いても雑音が盛大に侵入するのでまったく意味はない。と私は思う。それ以前に、耳はあまり信用できない感覚器官なので、オーディオ的にいい音も悪い音もプラセボが支配する割合が高い。と私は思う。たとえば新曲のPVを観ていて気がつけばまったく音楽が耳に入っていなかったということがあるでしょ。聴覚は視覚に負けるのである。プライスカードとか。
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CDの規格を決めるときに2万Hz以上はまったくのムダ!! と強弁しておられたSONYがいまやハイレゾの旗振り役だというのにも腹が立つのう。
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まあ、そんなこととは関係なく、残酷なことに年齢とともに高音は聴こえにくくなる。ジジババはだいたい1万5000Hz止まりだ。2万Hzとの差を利用して若者に嫌がらせ、というかコンビニ前などにたむろしないように流すモスキート音というものもある。これはだいぶ前に書いたような気がする。
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ようやく本題でごわす。今日のお話は低域のほうで、20Hz以下の超低音といわれている領域である。国内にある大型のパイプオルガンの最低音(C)は約16Hz。これが聴き分けられればそうとうナイスなお耳で、振動として体感し、結果、聴こえる感じがするということになるのがほとんどの場合であろうと思う。
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さらに海外にはこれの倍サイズのパイプオルガンもあって、であるから最低音は約8Hz。1秒に8周期、音速を340m/秒だとすると、1波長はなんと42.5mにもなる。もう風とか地鳴りだと思うのだけれども、なんとかこれをわが家で、と考えるオーディオマニアもいるらしいのである。わが家のほうからつくり直さなければならぬ。
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超低温、すなわち低周波を盛大に浴び続けていると、めまいや不眠、頭痛、耳鳴り、イライラなどの健康上の問題が起こる。低周波症候群というヤツである。家のなかの家具や扉、窓などが振動したりもする。低周波の発生源はボイラーやコンプレッサーの機械類、高速道路などさまざまある。家庭内では冷蔵庫や洗濯機、クーラーなども発生源になることがある。
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なので、この家に引っ越ししてきてから家族の体調が悪くなり、ときどきガタガタと異音が聞こえ、さらにこのあいだは閉めておいたはずのキッチンの引き戸が知らないあいだに開いていた、などという場合は、霊能者を呼ぶより低周波による影響を疑うべきなのである。
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『世界の怖い夜』(TBS・2017年7月19日放送)でイカサマがバレた池田武央(65)に相談するなどもってのほか。例によってありもしない地縛霊とかなんとかをもち出してきて脅されるのにきまっている。
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音のもつ威力で敵を参らせよう、という研究もすすんでいる。超低音・低周波は指向性がないしつくり出すのにも大型の装置が必要になるので、音響兵器としては指向性が高く、つまり標的を絞れ、装置も比較的小型ですむ超高音・高周波を利用したものになる。
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高周波兵器の代表例にはLRAD(Long Range Acoustic Device)があり、これはすでに世界各国でデモの鎮圧などに使用されている。
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ところが、このところ超低音・低周波を利用したとおぼしき攻撃を受けた、とアメリカがしきりに訴えているのである。
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◆『CNN.co.jp』2017年10月15日配信
【キューバでの外交官への「音響攻撃」、録音版を入手か】
《 キューバの首都ハバナの米大使館勤務の外交官に「音響攻撃」があり、複数が深刻な病状に陥ったと米政府が主張している問題で、米AP通信は15日までに、一部の外交官が攻撃の中で聴き取ったとする録音された音波を入手したことを明らかにした。
米スタンフォード大学の耳疾患専門の博士は、録音された音波を聞いても危険ではないと指摘。ただ、別の専門家は録音の中では聴き取れない音波が障害をもたらす可能性があると警告した。
米政府はこの音響攻撃の方法を調べている。スタンフォード大の博士は、可聴域以下の低周波の音波が体調異変をもたらす可能性に言及した。米政府当局者はCNNの取材に米外交官の自宅の内外に据えられた機器がこの攻撃に関係している可能性に触れた。
この種の音波は冷暖房空調機器、車や風の中にさえ存在している。長い間や激しくさらされた場合、体調の異変につながることがあるという。
被害を受けた米外交官の症状は軽度の脳損傷などが含まれる。
キューバ政府がこの音響攻撃に関与しているのか攻撃の事実を知っているのかは不明。ただ、同国政府は関与は全面的に否定している。
米ホワイトハウスのケリー首席補佐官は記者団に、キューバ政府は米外交官に対するこの攻撃を止められるはずだと述べていた。》
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Wikipediaには以下の記述がある。
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《 〈— 略 —〉
2017年には(音響兵器を)在キューバアメリカ大使館に対して「ロシアなどの第三国」がキューバ政府に内緒で使用した疑いが出ている。
AP通信の報道によると2016年秋頃からキューバ駐在アメリカ大使館職員5人が原因不明の聴覚障害の症状が出るという身体的被害を受けた。在キューバカナダ大使館でも少なくとも1人の外交官が聴覚障害の症状により治療を受けている。アメリカは大使館職員の「身体的被害」理由に、5月23日に首都ワシントンD.C.駐在のキューバの外交官2人を国外追放処分にした。》
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だよねえ。キューバがそんなことをしてもすぐにバレちゃうもんねえ。犯人は「ロシアなどの第三国」と考えるのがふつうだよねえ。けれども「ロシアなどの第三国」がそんなことをしてなんのトクがあるというのだろうねえ。
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私の鈍〜いアタマでいま唯一考えられるのは、アメリカの駐キューバ大使館にどうしても現在の場所から立ち退いてもらいたい、なにかやましい理由があるのではないか、ということくらいである。そう考えれば、もしアメリカ大使館は祟られているという噂が立ってもそれはそれで好都合かもしれない。
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実のところは大使館の冷蔵庫やクーラーが原因なのではないか? という気もしないでもない。けれどもアメリカはそんなにバカなのであろうか? まだ知られていない細菌だとか拘禁反応だとかの可能性は考えないのであろうか?
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メンドくさい。トランプ大統領の陰謀ということにしよっと。(了)
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