コミュニケーションが苦手なので「人と関わらない仕事」がなにかないか? という記事(↓)。これだともう少し説明が必要だろう。真に受けて道を踏み外す方がいらっしゃってはたいへんである。
*
*
*
◆『キャリコネニュース』2018年10月27日配信
【「工場勤務でもコミュ力が必要だった……」――「人と関わらなくていい仕事」って何がある?】
《 仕事をするのに必要な能力というと何を思い浮かべるだろうか。たとえば健康な身体だったり、論理的思考能力だったり。そして何と言っても、最近はコミュニケーション能力が大事になる。が、コミュニケーションが苦手な人にとっては、これは厳しいことだろう。
先日、5ちゃんねるに『人と関わらない仕事教えろ』なるスレッドが登場した。恐らく人付き合いが苦手なタイプの人物がスレッドを立てたのだろう。彼は本文に「工場でもコミュ力必要だったぞふざけんな」と書き殴っている。
僕は工場で働いたことはないが、たしかにああいう場所だと人付き合いしなくてもいいように思えてしまう。が、現実はそうでもなかったようだ。(文:松本ミゾレ)
■「フリーランスの、ライター、イラストレーター、デザイナー、その他諸々」
だとすると、彼が納得できるレベルで"人との関わりの少ない仕事"なんて、一体この世にどの程度あるのだろうか。スレッドの内容を紹介したい。中には「なるほど!」と思うような意見もあった。
「テープ起こし」
「セルフのガソスタ。接客ないとこだと個室で許可ボタン押すだけ」
「フリーランスの、ライター、イラストレーター、デザイナー、その他諸々。メールと最低限の打ち合わせ以外、人と関わらなくても成立する場合もある」
こんな具合で、色々と意見はある。テープ起こしはフリーライターなら実際にやったことのある者も多いはずで、実際に僕もやることがあるが、コミュ力が必要とされることはない。「プログラマー」という書き込みもあったが、これには「プログラマはコミュ力いるぞ 基本チームで動くから」とツッコミが入っていた。
やっぱりフリーランスをやっていて強く思うのが、人と関わる時間をかなり減らせる、という点だ。僕なんてこの連載に限らず、書き仕事はまさに毎回メールのやり取りを経由して依頼をもらえているし、どこの編集者とも数年前に1度会ったきり。非常に楽である。
だから僕も「人と関与せずに働ける仕事ってない?」と質問されたら、やっぱり「フリーランス」って答えちゃうなあ。在宅の仕事って、やっぱり気楽だもん。ましてや翌年度の税金のことも考えて、ある程度は収入も任意でセーブできるし。
もし、あなたが人と関わりたくないけど、仕事をしたいと思うのであれば、フリーで何かをやってみるといいかもしれない。
ただ、個人的にはセルフのガソリンスタンド店員というのも、ちょっと気になってしまう。在宅だとどうしても自宅が職場になってしまい、息苦しいが、これならなんとなく、イイ気分転換になりそうだし……。》
*
*
*
ワタクシの場合を述べよう。ワタクシもフリーランス、アシスタントやもちろんマネージャーなどもいない、明日廃業しても世間のほとんど誰にも迷惑をかけず気にもかけられないだろうという完全なフリーランスである。ね、フリーランスはまずこういう心細さに耐えられる強さがあるか、心細さを感じないくらいバカか、でなければならない。
*
で、そんなワタクシでも思うのはこの世の中に「人と関わらない仕事」などないのではないかということだ。「仕事」が社会に組み込まれて存在している以上、どこかで必ず人との絡みは出てくる。だいたい仕事のスタート前と完了時には打ち合わせなりこちらからの説明なりが必要になる。
*
この記事を書いた松本ミゾレなる人物は「毎回メールのやり取りを経由して依頼をもらえている」らしいけれども、これも立派なコミュニケーションだろう。担当者の上にいる編集者と何年も直接のやりとりがないのは、まあ善かれ悪しかれ人それぞれだ。
*
仕事で接する人が少ない、しかもそれすらそう度々ではない、となるとその1回の接触の重みがどんどん増していく。どんどん増していく、というのはフリーランスの場合どうしてもギャラのほかに効率ややりやすさで仕事を絞り込んでしまいがちになるので、ライターの場合、最終的には仕事は定期モノ1本だけ、ということになりがちだからだ。
*
あなた、取引先1社、仕事1本という状態がどれくらいヤバいか? ふつうに考えればおわかりいただけるはずだ。倒産です、休刊です、のひとことで路頭に迷う。
*
さらにその仕事のレベルである。誰でもできそうな、いってみれば手間の代行みたいなところで仕事をしているのならさらにヤバい。お得意の「あんたの替わりはいくらでもいるんだから」、である。「次回からちょっと雰囲気を変えてみようと思って」、である。
*
しかし、だがしかーし、フリーランスのライターのほとんどは手間の代行業みたいなものなのである。メインの仕事以外に適当にパワーを振り分けてリスクヘッジできる才覚があればいいけれども。
*
となれば数少ない先方担当者との接触に全力を傾注しなければならない。ほら出てきた「人との関わり」。メールのやりとり一つにも相手の気持に配慮して悪い印象をもたれないように日ごろから気をつける、いい替えれば相手の心を見透かしてつけ込むテクニックが必要になる。ま、こちらのほうが腹黒い設定の場合である。
*
であるからして、ここでの解決策は「人と関わらない仕事」を探すのではなく仕事上の「人との関わり」を考え直してみることではないか、とワタクシは思う。
*
仕事先で職場でどうふるまえばいいか? 賄賂を渡せれば話は早いが、そんなことをしていたらだいたいは稼ぐ金より渡す金のほうが多くなる。
*
自分が上司や仕事相手になったつもりで考えればいい。なんだか人当たりはよくないけれど仕事がきちんとできれば問題はない、というかかえって頼もしく感じるだろう。クチが達者とか愛想がいいとかいうのはそのうちうざったいだけになる。上司や仕事相手あるいは同僚にとっての最大の関心事は仕事が首尾よく完了することなのだ。
*
コミュニケーションがヘタでもその自分をさらけ出す勇気をもつ。どうせみんなそんなにたいしたもんじゃねえ、というような一種の開き直りがあればいい。口下手で無愛想でつまらないヤツだけれど任せれば確実にきっちりやる、そういう評価がもらえるまで、まずは挨拶ひとつメール一通にも真剣に取り組む。っつーことじゃないかと思う。
*
そうするとそのうち「翌年度の税金のことも考えて、ある程度は収入も任意でセーブできる」ようになるんじゃあござんせんか。あ、フリーランスは人の悪口と嫌味は絶対に絶対に絶対にご法度。壁に耳あり障子に目あり、なので。(了)
楽天カードでポイントゲット
申込はこちらへ
【通販限定】ヤクルトの基礎化粧品・イキテルの化粧水が半額!
ノッツェ 無料パートナー紹介
0 件のコメント:
コメントを投稿