広告は表現だ!! というようなタワゴトが通用していた時代が終り、少しばかり目先の利く若い衆はすべからくIT関連に走るようになってはや幾星霜、テレビCMのつまらなさはまさに地に落ちた感があります。
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そう。落ちたといえばオチを着けたつもりでオチていないCMの多いこと多いこと。おまえらみんなバカなんじゃないの? ホントはコミュ障だろ? と呟くことさえバカバカしくなってきた今日このごろでございます。
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だーがしかし、そんなバカが垂れ流した剥き出しのおもねりのなかで、少しだけおもしろいCMにここ両日で2つ出会いました。“おもしろいCM”に飢えていたワタクシは、それをまるで干天の慈雨のごとく喜び、歓喜の雄叫びをあげたのでございます。
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ひとつは写真館「スタジオマリオ」のCMです。ご存じでしょうか? 前田敦子(27)が顔はオトナな現在の本人なのに首から下は子どもというフリーキーなお姿で登場します。でもって娘の晴れ着姿を喜ぶ親にウンザリ、というコントになっています。
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ワタクシはこれをすぐれたAKB48のパロディと見ているのですがみなさまはいかがでしょう? そこまで性格が悪くない? ああそうですか。しかしこの映像をトリックだとはまったく気付かずに「前田敦子ってホントはちっちゃかったのねー」とかいいながら観ている人が少なからずいらっしゃるようなのは、このフリーキーさこそ、世間が抱いているAKB48のイメージにたいへん近接しているからにほかなりません。
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しかも、なぜ前田敦子? という疑問にも絡んできますけれども、前田敦子は現在妊娠中ですからなんとなくロシアのマトリョーシカを連想させもして、久しぶりにしばし異次元へと誘われたなあという感慨も深いものでございました。
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もちろん“女優”前田敦子を説得できなければこの企画は実現しないわけです。そこを考えても制作側としては意図的にパロディにしているのではないのであろうことが推察されます。こうした説得の場面でウソをついてもバレますから。こちらの顔が笑ってしまうので。
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このCMについての世間一般的な評判は「気持ち悪い」「怖い」が「可愛い」に勝っている、というお話を聞きました。いや、これは画面処理がうまくいっているからこそで前田敦子の顔が、ということではありません。過去の過呼吸やパンツ丸出しお姫さま抱っこでのグロっぽいイメージが深層で悪さをしている可能性はあるかもしれませんけれど。
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また余談ですけれども、こう考えてきますと前田敦子という人がもつなんといいますか実に不吉な感じが徐々に露わになってきますね。なんなのでしょうね。楽しいこと嬉しいことに相携えてイヤなこと辛いこともある人生の、そのイヤなこと辛いことだけが塊になっているような不吉さ。笑っている瞬間にもどこか深奥で悲惨が進行しているような。
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さて、このCMが写真館「スタジオマリオ」のCMとして成功しているのかといわれれば、これまた微妙です。ひとつはターゲットであり実際にも主役であるはずの親がほぼ無視されてしまっていること。親の気持にヒットしなければとうぜん集客は望めません。
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具体的にいうと子どもの記念日を喜びはしゃいでいる親とそれを冷たい目で見ている子ども(前田敦子)とのバランスが悪いのです。もっと親に寄せてつくらないと。しかし“大物”前田敦子ですから前田敦子が主役然としたつくりになってしまった、なのでしょう。これが失敗。
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もうひとつはCMキャラクターとしての前田敦子の限界です。はっきりいうと2.5流以下でどこかパチもん的イメージもあります。ワタクシの場合だけかもしれませんけれども。記念写真スタジオが全国CMを打つには、それで一流であるとか大手であるとかいうイメージを植え付けたいという狙いがあるはずです。それにしては前田敦子ではチカラ足らずですねえ。
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“大物”なのに大物でない前田敦子、これからますます彼我の乖離は激しくなっていくでしょう。夫の勝地涼(32)っていうのがこれまた地獄への道連れににぴったしだし。でもCMはおもしろかったっす。
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おもしろかったテレビCMのもうひとつはソフトバンクの動画SNS放題「ウルトラギガモンスター」です。蒸気機関車の座席に座る探偵・堺雅人に促されて向かい合わせの席に座る菊川怜(40)が「キャッ」と叫んで飛び上がるというヤツ。もちろん完全に「ハズキルーペ」にかこつけているわけですね。
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「こんなところにスマホが!!」
「動画が流れてる!!」
「動画SNS放題だから見放題です」
「もう1回……」
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おもしろいと思ったのはコラボというのかなんというのか、CMのハイブリッドが生まれたということです。ソフトバンクのCMなのに観ればほとんどの方がああ、ハズキルーペの真似ね、と理解します。
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そして菊川怜に尻ペッタンされてもスマホは壊れません!! というアピールかと思いきや「動画SNS放題だから見放題です」というオチだったということに、そういうつくりであるということに、いったい何%の人が気付いたのでしょう? ワタクシはそうとう怪しいと思います。
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ちなみにこのハイブリッドは「ハズキルーペ」のテレビCM上の競合がショップジャパンの「ビッグビジョン」しかないからできることで、競合が大量に出稿していたりヘビーローテーションで回していたりすれば同一番組でバッティングするなどして放送NGになる可能性が高くなります。取り扱いが難しくなります。
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つまり、このCMはソフトバンクのCMであるにもかかわらず、恩恵をおおいに受けているのはどうやら「ハズキルーペ」側らしい、ということです。商品も商品名すら出てきませんけれども、視聴者のアタマのなかには「ハズキルーペ」がチッカチカ。ついこのあいだまでまったく無名だった「ハズキルーペ」はうれしいでしょうね。利用したつもりで利用されたともいえるソフトバンクは大手の驕りが出てそのバチが当たったということでしょう。
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それとまたここでも問題になるのが菊川怜のイメージです。ソフトバンク側としてはもう少し“尻ペッタンなんて意外”というところにいてほしかった、いるはずだったのでしょうけれども、「ウルトラギガモンスター」でスマホの上に座ってみせた時点で菊川怜はもうすっかり“尻ペッタン女優”でした。
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ですから菊川怜には幸か不幸か今後にも“尻ペッタン女優”としての道が大きく開けてしまったわけです。東大卒の知的イメージとのギャップも生々しく、さらに新婚というターボも効いて、意外なところから強力なセクシーアイコンが登場してきたものです。壇蜜(37)も橋本マナミ(34)などこのヤらしさにはまったく太刀打ちできせん。
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こんなに安くていいのか菊川怜、ついでにオラにもペッタンしてくんねえか、という、なかばうなされたような怨嗟の声が渦巻くなか、今後のそのケツのなりゆきに注目したいものです。(了)
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