2015年10月8日木曜日

BABYMETALのおかげで無実の疑いDeath!! Death!! Death!!





昨日、午前11時過ぎ、警察官が私の部屋を訪ねてきたのである。「いまこのあたりの防犯で回ってるんですけど、ちょっといいですか?」みたいなことをいわれてドアを開けたのである。中年男と青年、新人っぽい女子の3人組である。



突然こられてもちょっと迷惑なんだよなあ、でも警官がアポ入れてからくるわけないからなあ、とかなんとかまた無能を呼び寄せるバカなことを考えているうち、似合わぬ敏捷さで中年警察官がドアの内側に体を滑り込ませたのである。



すると、その後ろにいた青年警察官が、足先で大きく開いたドアを押さえて仁王立ちしたのである。有無をいわせぬ感じで定番のフォーメーション完成!! であったのである。しかし女子警察官の姿が陰に隠れて見えなくなったのが私には残念だったのである。



中年警察官の話によると、最近、私の住んでいるマンションで夜中に幼い女の子の叫び声が聞こえる、という通報があったらしいのである。このマンションで小さな女の子を見かけたことはないが、もしかしたら誘拐監禁とかそんなことだろうか、と思っているうち、さらに「どうぞ」と返事をしていたのである。



きっと子どもの身の安全にかかわることなので喜んで協力したいと思ったのである。そしてとにかく早く終わらせて早く帰ってもらいたい、と願ったわけである。警察官は3人とも、なぜか息を切らせて私の狭い部屋に上がり込んだのである。



青年警察官がこちらの素性を確認し、こちらは運転免許証を引っ張り出して見たりしているうち、リーダー格の中年警察官は素早く部屋のなか全体に視線を走らせていたのである。気のせいかメモを取っている女子警察官が青年警察官にくっつきすぎのような気がしたのである。その青年警察官、やたらガンを飛ばすのである。



一度玄関へ行ってまた戻ってきた中年警察官が無遠慮に本棚をジロジロ眺め回したのである。それからベランダ手前の隅に置いてある机の上のパソコンを盗み見たのである。私はそれを見逃さなかったのである。開いていたのは表計算ソフトである。座ってもらおうにも4人分の椅子はないので、全員立ったままである。



私はエロサイトを開いていなくてよかったと安堵していたのである。とはいえ、そもそも私はペドフィリアでもロリコンでもないのである。もしエロが映っていたとしてもオトナの女だったはずなのである。こんなときにも、咄嗟にそんなことは考えてしまうものなのである。


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聞かれたことにはすべて簡潔にはっきりと答えたのである。それで職務質問のようなことは10分ほどでいちおう終わったのである。しかし警察官3人組はなぜか引き上げにくそうなのである。独り暮らしの小さな部屋である。私としては他にはもう見せるべきところもないのである。



で、念のため小さなクローゼットとベランダまで開けて見せたのである。なにもかも見せて納得していただくのがいちばんなのである。なにしろ女の子の命がかかっているのかもしれないのである。そしてもうこれ以上見せるものは本当にない、という状況になったのである。



「ここ夜は静かですか」中年警察官が時間稼ぎみたいに聞くのでそうだと答え、ついでに「私が疑われているわけですか?」と聞き返してみたのである。「いや、ちょっとあれなんですけど……」といい淀んだので「女の子の声って、私の部屋から聞こえるという通報だったんですか?」と重ねて聞いたのである。



すると横から不意に「いま付き合っている人とか、ときどきこの部屋に遊びにくる人とかいないですか?」と青年警察官が不躾に聞いたのである。うるせーよ、おまえはどうなんだよと思いつつ、少なくとも今世紀に入ってからそういうことはない、と答えると、女子警察官がクスリと反応したのでうれしかったのである。中学生でも通りそうな童顔である。



「連絡はこの号室から聞こえてくるという話で入ったんです。いつ、誰からはいえないですが」と、青年警察官は少し強い口調でいったのである。たぶん私が女子警察官を笑わせたのが面白くないのである。さっき防犯で回ってるっていってませんでしたっけ、と口に出しかけて呑み込んだのである。私はすでに中年警察官のほうに近い年齢のオトナの男なのである。



そしてこのとき気がついたのである。オトナ気ないといえばBABYMETALなのである。「カワイイとメタルの融合」なのである。最近すっかり気に入ってしまっているのである。16歳2人と17歳の女の子の3人がボーカルとダンス、スクリーミング担当なのである。バックを支えるバンドがこれまた超絶テクなのである。



で、海外での小規模なツアーやフェスへの参加を成功させ、いまやアメリカ、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、東南アジアなどでも人気大爆発中なのである。私などは日本のミュージシャンが海外の聴衆を熱狂させているその光景だけで、長年の夢が叶った気持ちになって昂ってしまうのである。



そしてBABYMETALは、来年4月にはロンドンにあるキャパ1万2000人の「Wembly Arena(現在はSSE Arena)」でワンマンライブを予定しているのである。しかも、それも早くもソルドアウト目前らしいのである。


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BABYMETALは楽曲、演奏、ボーカル、ダンス、いずれもきわめてクォリティが高いのである。17歳Su-METALのボーカルは透明、ストレートで力強く、グングン胸に突き刺さってくるのである。ツェッペリンと演っても十二分にバランスするだろうと思われるほどなのである。喉が直管といわれているのである。



16歳のYUIMETALとMOAMETALのダンスはもちろんカワイイのである。カワイイのではあるが、とてもよく訓練されていて可動範囲が広く、ハードでタフなのである。であるからBABYMETALになじんでしまうと、ほかのメタル系のバンドはどこの誰を見ても目が退屈で退屈でしかたがなくなってしまうのである。見る場所、目線のやり場がないのである。



メタルバンドのライブといえば、ほとんどがすでに中年の域に達した小汚いオヤジたちがアタマを振り乱しているだけなのである。実際そうなのである。長髪もいればハゲもいるのである。ハゲも振り乱すのである。そしてかろうじてまとっていたはずのスターのオーラも、BABYMETALの出現で一気にかき消されてしまったのである。私が見るところ、あのMETALICAでさえ、である。



BABYMETALはメタルの魔法を簡単に打ち払ってしまったのである。微笑みながら拳を突き上げられるメタルなのである。とくに欧米では、まったく常識はずれの存在らしいのである。



そこで、いま私の推薦曲を敢えて選ぶとすれば『やまない雨(NO RAIN, NO RAINBOW)』と『4の歌(Song 4)』である。『やまない雨(NO RAIN, NO RAINBOW)』はSu-METALがソロで歌うバラードである。私にとっては聴くたびに号泣させられる究極のレクイエムである。



『4の歌(Song 4)』はYUIMETALとMOAMETALの2人が作詞し、歌っているミディアムテンポの曲である。日本では不吉な数字といわれている「4」のイメージの反転を狙った面白い歌である。この2曲で、BABYMETALのシリアスな面とファニーな面がよく聴けると思うのである。


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BABYMETALは、プロデュース、振り付け、作詞作曲、そしてBABYMETAL自身も含め、すべて優秀なプロフェッショナルたちによってつくられているのである。すぐれた才能のたぐいまれな一致点なのである。ただひとつの欠点は、私のようないいオトナがファンだとなかなか広言しずらいところである。



繰り返すが私はペドフィリアでもロリコンでもないのである。しかし、そんな目で見られやしないか、気になってしまうのである。その点、加山雄三は堂々とテレビインタビューでイチオシだと答えていたのである。さすが大物である。というか、すでに半分解脱しているかもしれないのである。



それからついでにいっておくのであるが、「BABYMETAL」は「ベビーメタル」と発音するのが正しいのである。「ベイビーメタル」ではないのである。もともと「ヘビーメタル」にもひっかけたネーミングなので、公式に「ベビーメタル」なのである。



というようなことを、3人の警察官を相手に滔々と語ってしまったのである。そしてわずか30分ほどの短い時間ではあったものの、もしかすると私はストックホルム症候群に陥ってしまったのかもしれない、と自分自身を疑ったのである。考えてみれば、それほど客のない部屋なのである。



で、「寝てんじゃねえ、豚野郎〜〜〜!!」と「お兄ちゃんだ〜〜〜い好きっ!!」というYUIMETALの叫びが延々3分間もループしている音源を警察官たちに聴かせたのである。BABYMETALがラジオ番組に出演したときにリスナーからのリクエストに応えたものを、誰かが編集してYouTubeに上げてあったものなのである。たぶんYUIMETAL14歳のときの声である。



私は、ここ1週間くらいは眠くなったときにこれを聴いていた、と告白したのである。私は恥ずかしいという感覚が人より薄いようなのである。それどころか、たぶん笑っていたのだろうと思うのである。そうしたところ、それを聞いた中年警察官は困ったように眉根を寄せ、青年警察官はどこか明後日のほうを向き、女子警察官はあからさまに軽蔑した顔を見せたのである。「夜はちょっとボリューム小さくしてくださいね」だったのである。




それからまもなく、3人の警察官がそそくさと帰っていったあと、私は正直少し寂しい気分になったのである。だから久しぶりの来客というのは困りものなのである。そして私は仕事に戻り、ヘッドホンで音楽を聴きながら頼まれものの企画書を書いたのである。



夕方近くなって食事に行こうとマンションの廊下に出たとき、ようやく気付いたのである。これはおそらく隣人のしわざなのである。たぶん、ふだんから私のことを心よく思っていなかったのである。少しオーディオの音が大きすぎたかもしれないのである。



そこへもってきて夜中に「寝てんじゃねえ、豚野郎〜〜〜!!」「お兄ちゃんだ〜〜〜い好きっ!!」なのである。まあ、アタマにきて当然なのかもしれないのである。隣人の誰か以外にこちらの部屋番号を指定して110番するヤツなどいないはずである。これからは少し気をつけるのである。



最後に特別な情報である。BABYMETALの飛躍に弾みをつけたのは、昨年7月、イギリス・ネブワースのソニスフィアで行われたロックフェスである。およそ5万人の聴衆を前にして、当時15歳と16歳の3人は、まったく物怖じしない堂々としたパフォーマンスを見せつけたのである。



驚くべきことに、そこにあのオウム真理教のグル、麻原彰晃も駆けつけていたのである。そんなバカな、である。駆けつけてもらってもかえっていい迷惑、迷惑千万、迷惑至極なのである。しかし確かに麻原彰晃なのである。



それは最後の『Ijime,Dame,Zettai』が終り「We are BABYMETAL!!」というコール&レスポンスがはじまった直後である。前列3番目くらいにあのマヌケなタヌキ面の若かりしころが見えるのである。



ご自分で確かめたい方は、まずはYouTube(↓)でご覧いただきたいのである。次第に大聴衆を呑み込んでいくSu-METALの瞳の輝きもやたら感動的である。闘う、罪深く、しかし抗いがたいほど美しいまなざし。絶対無二、絶対メタルである。(了)
BABYMETAL - Ijime,Dame,Zettai - Live at Sonisphere 2014,UK (Official Video)




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