2015年11月26日木曜日

たけしのタカとかアキ子の勝俣とか。一生サブで終わる人生





「サブ」といわれる人たちがいる。北島のサブちゃん(79)ではない。トップやレギュラーチームの下にいて、なにかあったときに出て行く人たちである。で、この「サブ」には3通りあるのである。ただのサブとスーパーサブ、そしてスペアである。



世の中は一見めまぐるしく動いているように見える。しかしそれはうわべだけのことで、時代の潮流は長いあいだすっかり停滞してしまっているのである。どのくらい停滞しているかといえば、アイドルグループTOKIOのリーダー城島茂が45歳になり、さらにアルコール中毒で震えがきているくらい停滞しているのである。茂、いまや手のアップ撮影はNGなのである。






こういう時代なので、というか、だからだというか、なかなかトップが交代しないのである。長いあいだトップが交代しないと、その回りにやたらと「サブ」が増えるのである。



トップが倒れたりした場合のスペア、トップがおぼつかないときのスーパーサブ、そして員数不足のときのサブである。ここに継承権あらそいも加わるから、さらにゴチャゴチャしているわけである。で、トップを中心にして、なんとなくロイヤルっぽくなってきているのである。






とてもわかりやすいので、たいへん腹立たしくはあるが、『アッコにおまかせ!』(TBS)を例にとる。この番組のトップはいうまでもなく和田アキ子(65)である。で、「サブ」といえば、すぐセミレギュラーの勝俣州和(50)が思い浮かぶ。



州和は“アキ子おもてなし番組”と陰口を叩かれるこの番組でただ1人、アキ子に厳しくツッコめる人間である。いや、もしかすると芸能界でただ1人かもしれない。州和のほかに間違いなく厳しくツッコめるのは迎撃用のパトリオットミサイルくらいのものである。



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いつだったか州和は、『アッコにおまかせ!』の例のパネル説明会の最中に「こんな話題、テレビでやらんといかんの? 」と無責任なボケをかましたアキ子に「おまえの番組だろ!!」と指差して怒鳴りつけたのである。そのときの州和の、まなじりを決した決死の形相がパトリオットクラスだったのである。



州和はホリプロ所属ではなく、融合事務所という変わった名称の事務所の所属である。かえってそれが幸いしているのかもしれない、とも思うのである。ますますわけがわからなくなってきたアキ子相手に、しばしば勇気を奮い立たせているのである。



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アキ子に関する暴露話も州和ならではである。すでに『ダウンタウンDX』(読売テレビ)での鉄板である。その点、ホリプロ所属の竹山隆範(44)なんぞ、『アッコにおまかせ!』ではいたっておとなしいものである。怒りキャラってなに? というくらいのものである。隆範にとって『アッコにおまかせ!』への出演はマイナスでしかないのである。それでも出演依頼があれば断れないのであろう。



で、そうするともし万一仮に、紅白落選の衝撃のあまりアキ子のネジが完全に飛んだりした場合、そのあとを継ぐのは州和か、と思われるかもしれない。しかしそれは違うのである。あとを継ぐのは、いつもボーツと後ろのほうに立っている峰竜太(63)なのである。スペアというのはそういうものである。



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いつでもトップを継承できるように調整しつつ、本当にいつやってくるとも知れないそのときを待つのがスペアの仕事なのである。場合によっては一生をスペアのままで終わる場合だってあるのである。



で、しかもイギリスのチャールズ皇太子(67)みたいに、口さがのない世間のいいぐさではあるが、あいつには継がせずジャンプしてしまえ、なんて話になったら、きっとそうとう辛いのである。そんな辛さの予感にも耐えてボーッと立っているのが峰竜太なのである。妻は「美女と野獣」の野獣のほうみたいな顔になっているのである。






州和は、ワンポイント起用で場の空気、流れを変えられるスーパーサブである。ビービーガーガーうるさいだけの出川哲朗(51)は、進行の隙間を埋めるただのサブである。しかし余談だが、アキ子周辺が州和の暴露話をイメージを損なうとかで警戒しはじめた、という話も聞くのである。まあ、どうでもいいことではあるが。



あと、ビートたけし(68)にとってのスーパーサブがガダルカナルタカ(58)である。最近、ときどきはたけしの日本語通訳もやるのである。ダウンタウン松本人志(52)のスーパーサブは東野幸治(48)である。東野幸治の心は、なにものとも交叉しない箱庭なのだそうである。



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はっきりいってしまうと、スーパーサブを必要とするようになってはお終いである。アタマの回転に言葉が追いついていかない、あるいは言葉だけが空回りしてアタマが追いついていかない。そうなったらお終いである。



お終いなのになぜトップに居座っていられるかというと、追い上げる者がいないからである。こういう状態になって、もうどのくらい経つのだろう? 10年ではきかないはずである。ここに名前が挙がった連中にしても、すでにそうとうなジジババばかりである。






であるから、いまごろになって、たけしや人志を追い落としても、もうそれは下克上ですらないのである。たけしや人志の自然死である。ましてやアキ子を追い落とせば、遅い、なぜもっと早く来なかったのか、と反対に叱られるのがオチである。



そんなようなわけで、芸能の世界に限らず、停滞し続けた私たちの社会はいたるところで老いぼれ衰えてユルんでしまっているのである。行政も企業も、きっと私もユルユルである。






出来損ないのスペアはいるかもしれない。しかし見回したところ、サブもスーパーサブもいないのである。石倉のサブちゃん(68)もいないのである。ああ、どうしようか。(了)






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