2016年1月3日日曜日

大阪府門真市のバラバラ事件を読み間違っていました。訂正します





トホホである。大晦日に書いた原稿を、正月3日に訂正である。しかも全面的に。大阪府門真市で起きたバラバラ事件の見込みについての話なのである。紛らわしい報道に引きずられてしまって大失敗である。そう、殺人事件などを、わざわざめでたい正月にめがけて面白半分に取り上げてはいけないのである。しかも、さらに年をまたいでまでアレコレと。恥の上塗りである。しかし書かずにはいられないのである。






紛らわしい報道とは、『日テレNEWS24』12月31日0時41分配信の「門真市遺体切断 24日〜25日に死亡か」である。この記事のなかの一文「遺体は、森島容疑者と先月下旬まで一緒に暮らしたあと行方がわからなくなっている渡邊佐和子さん(25)とみられていて、警察はDNA鑑定を行うなど、身元の特定を急いでいる。」である。






森島輝実容疑者(26)は、11月下旬までシェアハウスで渡邊佐和子さんと同居していたのである。そしてそこから1人だけ、事件の第1現場になったらしい賃貸マンションに転居しているのである。であるから、上記の記事を読んで、渡邊佐和子さんは森島輝実容疑者が転居していった11月末から行方不明になっていた、と考えたのである。実際はどうもそうではないようなのである。そこから前回の原稿の大間違いがはじまったのである。



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前回の原稿では、では11月末から、その姿が防犯カメラの映像で最後に確認されている24日午後7時1分まで、渡邊佐和子さんはどこにいたのかを疑問視したのである。そして森島輝実容疑者の自室に監禁されていたのではないか、と考えてしまったのである。もう、なにごともドラマチックにしたがる悪いクセなのである。



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そして、はじめは森島輝実容疑者のマンション近くの防犯カメラに映っていた、としか情報がなかったので、てっきりそれは渡邊佐和子さんが森島輝実容疑者の部屋を脱出し、シェアハウスに向かっていた姿だと睨んだのである。で、その後、あとを追った森島輝実容疑者がシェアハウス内で殺害した、と推定したのである。シェアハウスと森島輝実容疑者の自室とは約300mしか離れていないのである。であるから、この時点では、事件の第1現場はシェアハウスの渡邊佐和子さんの部屋だとしていたのである。






そして森島輝実容疑者は、証拠隠滅のために遺体を解体することにした、と考えたのである。それには、まずは遺体を他にも人がいるシェアハウスからマンションの自室に運び込みたい。しかし300mの距離をどうやって運ぶ? しかも自室は3階にある。というわけで、とりあえず両腕両脚を切断し、胴体部分と頭部だけを運んだ、と考えたのである。



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これで自室マンションからは頭蓋骨や肉片が、シェアハウスからは両腕両脚などが、と遺体が分散して発見されている理由の説明がつくと思ってしまったのである。ちなみに“両腕両脚”の報道もいつのまにか“両手足”に変更されているのである。



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しかし、その後の報道で、渡邊佐和子さんの姿が最後に確認されている24日午後7時1分の防犯カメラの映像の内容がわかったのである。それによると、渡邊佐和子さんは森島輝実容疑者とともに、逆にマンション1階からエレベータで3階の森島輝実容疑者の部屋に向かっていった、というのである。






前述した推論はまったく成り立たなくなったのである。しかも改めて見直すと、推理の詰めの甘いところもさらに何ヵ所かあったのである。前回「この事件、しかし整理してみると、大騒ぎされている割には単純な感じなのである」と書いた自分がほんとうにはずかしいのである。バカである。情けないのである。調子こいていたのである。なにとぞご容赦いただきたいのである。






というわけで、改めて考え直した事件の真相である。まずは、小さいけれども新しい情報がいくつかあるので、それらを含めて、いま一度、報道されている事件の流れを整理しておきたいのである。31日の原稿を読んだ方は飛ばしていただいてもかまわないと思う。






[大阪府門真市での死体損壊および死体遺棄事件の経緯]
※印はどの時点でのことかわらない情報である。

●2015年11月下旬 森島輝実容疑者(29)が、事件の被害者だとされている渡邊佐和子(25)さんと同居していたシェアハウスから、1人だけ転出する
シェアハウスの家賃は月額3万円。3階建てで入居者それぞれの個室があり、台所や浴室を共同利用する形態である。したがってクリスマスパーティを開けるほどのスペースはないと思われる。事件前、男女6〜7人が生活していたという

●森島輝実容疑者は、シェアハウスを転出したあとも、部屋に自分の荷物を残していた

●12月24日 午後7時1分、森島輝実容疑者の自室マンション付近の防犯カメラに、渡邊佐和子さんと森島輝実容疑者の2人が、マンションのエレベータで3階へ上がっていく姿が確認される。これ以降、渡邊佐和子さんは行方不明に。マンションから外へ出たようすもない

※12月24日 森島輝実容疑者や渡邊佐和子さんなど、複数の友人で企画していたクリスマスパーティが、当日になって急遽、中止される。予定されていた会場は森島輝実容疑者のマンションの自室である

●司法解剖の結果、渡邊佐和子さんの死因は窒息死であり、死亡推定時刻は24日〜25日のあいだである

●24日と25日、渡邊佐和子さんの携帯電話から家族や複数の知人に対し、「心配しないで」という趣旨のメールや無料通信アプリのメッセージが送られる。捜査本部は、森島輝実容疑者が事件の発覚を免れようと、渡邊佐和子さんになりすまして送った疑いがあるとみているらしい

※渡邊佐和子さんの携帯電話や行方不明になった12月24日当日の衣服は発見されていない

●12月25日 午後、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードで十数万円が引き出される

●12月25日 午後2時ごろ、自宅近くのホームセンターに森島輝美容疑者が1人で来店。塩酸入りの強力な洗浄液を3ℓ購入。この洗浄液の容器はマンションの自室浴室で見つかっている。この店ではほかに小型冷凍庫、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋など約3万6000円分の商品を購入している

●12月25日 夜、渡邊佐和子さんの父親から門真署に「『24日夜から(娘と)連絡が取れない』、と娘の友人から連絡があった」と電話での相談がある。その後、愛媛県警に行方不明者届けが提出される

●12月28日 午後、警察が、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードで十数万円が引き出されている防犯カメラの映像を手がかりに、森島輝美容疑者から任意の事情聴取を行う。このとき森島輝美容疑者は
「渡邊佐和子さんとクリスマスイブに自宅でクリスマスパーティの準備をしていたが、1度シェアハウスにいっているあいだにいなくなってしまった」「引き出した現金は、買い物中に頼まれたので引き出したもの」
などと話した。しかし矛盾点が多かったという

●12月29日 未明、警察が森島輝実容疑者(29)の自室を、渡邊佐和子さん名義のキャッシュカードを無断で使い、現金十数万円を引き出した窃盗容疑で家宅捜索。頭蓋骨、背骨、腰の骨など複数の人骨を液体を張った浴槽のなかで、また小分けにした肉片が小型冷凍庫から見つける。同時に包丁やノコギリも押収される

※血の付いた生ゴミ処理機も押収される

●12月29日 森島輝実容疑者を死体損壊および死体遺棄容疑で逮捕
「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と供述

※マンションの浴室から集中的に血液反応が検出された

※森島輝実容疑者が11月下旬まで被害者と一緒に住んでいたシェアハウス2階の居室の押し入れのなかに、複数のナイロン袋に小分けされた両手足が紙袋に包まれた状態で隠されているのが発見される。また1階共有部分にある台所の物入れからも、遺体の一部が見つかった

[附記]
渡邊佐和子さんはシェアハウスの副管理人として、住人の家賃徴収や入退居の管理を任されていた。シェアハウスの関係者は「2人は仲が良かったと聞いている」と語っている
親族らによると、森島輝実容疑者は幼いころ中国地方で暮らし、今年8月に岡山から大阪へ転居している。スマートフォンのアプリなどに使われるキャラクターをパソコンで制作する仕事をしていた。人なつっこく、最近も悩んでいるような様子はなかった
森島輝実容疑者の親族の女性は「『正月もみんなで会えたらいいね』と話したばかりだった。何が起きたのか」と戸惑った様子だった。別の親族の男性は「約1週間前に『元気ですか』と電話をくれた。事件は信じられない」と語った。(以上の談話は毎日新聞デジタル版)

シェアハウスで生活している男女6〜7人は、報道の取材に対して「なにも話せない」と答えている。






さて、前回の反省を踏まえて、再度この事件のあらましを考えてみよう。まずは大きな疑問への、現時点での回答である。



(疑問1)
死体の解体、隠滅作業は森島輝実容疑者のマンションの部屋、とくに浴室で行われていたようであるのに、なぜシェアハウスにも切断された両手足などが隠されていたのか?






〈回答1〉
解体された死体の一部は生ゴミ(門真市では普通ゴミ)として捨てられたのではないかと思うのである。その場合、1度に大量の生ゴミを出すと怪しまれるので、約300m離れたシェアハウス近くのゴミステーションも利用し、さらに何回かに分けたのである。森島輝実容疑者は岡山から大阪へ転居してまだ4ヵ月あまりである。この周辺ぐらいしか土地勘がなかったのではないか。



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門真市のホームページで確認すると、森島輝実容疑者のマンションが建つ地域での普通ゴミ(生ゴミなど)の収集日は、毎週月曜日と木曜日である。日付で見ると、年内は渡邊佐和子さんが行方不明になった12月24日(木)、28(月)、31日(木)、年が明けて1月4日(月)である。シェアハウスのほうは住所がわからなかったの確定できない。いずれにしろ、逮捕されるまでには、両方の現場でゴミとして1回ずつは捨てられた可能性がある。



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捨てられたのは、おそらく、マンション浴室で見つかった頭蓋骨、背骨、腰骨以外の骨の部分であると思われる。伝えられている森島輝実容疑者の「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」という供述からもそれが窺えるし、肉片については小型冷凍庫に収納されているほか、生ゴミ処理機でも隠滅されているはずである。






シェアハウスに隠されていた両手足というのは、それ以上の解体も生ゴミ処理機による乾燥処理もしにくい部分であるはずである。また、人体の一部と見分けられやすいうえ、指紋、掌紋などで本人が特定される可能性も高い。それでなんとなく別扱いになったと思われるのである。



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ちなみに家庭用の生ゴミ処理機は、1回の最大処理量1kg〜2kgで、処理時間はおよそ半日である。サイズはふつうの家庭のゴミ箱程度。生ゴミ処理機は、例の近所のホームセンターでの買い物リストにない。自前のものだとすると、最大処理量1kg程度の小型のものだと思われる。そうだとして、フル稼働で1日2回転。25日から家宅捜索が行われた29日未明までの丸4日間で、8kg程度は処理されたと考えられる。



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また、小型冷凍庫は2万円〜3万円の範囲で、100ℓ〜120ℓ入りくらいのものが買える。100ℓあれば、人体の相当部分が収納できるのではないか。2万円〜3万円の範囲としたのは、この25日のホームセンターでの買い物の総額が、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋などを含めて約3万6000円分とされているからである。またこの程度の冷凍庫のサイズは50×50×90cmくらいである。






さらにいくつかの小さな疑問がある。
(疑問2)
24日に予定されていて、当日に急遽中止されたクリスマスパーティの開始時間は、いったい何時に設定されていたのか? それは被害者が殺害されたはずの最も早い時刻、午後7時1分の直後からでも中止を周知できる時間だったのか?






(疑問3)
渡邊佐和子さんが行方不明になったのは12月24日の午後7時過ぎ。仮に森島輝実容疑者が殺害したのだとしても、翌日の午後に被害者の口座から現金を下ろし、小型冷凍庫、折りたたみ式ノコギリ、まな板、バケツ、ポリ袋など死体遺棄のための道具を買い揃えるというのは、手はずがよすぎるのではないか? さらに塩酸入り洗浄液も入手しているのである。






(疑問4)
司法解剖によると死因は窒息死である。29歳の女がひとりで25歳の女を絞殺あるいは他の方法で窒息させることは可能だろうか?






(疑問5)
「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と森島輝実容疑者が供述しているのはなぜか? またシェアハウスの住人が 報道の取材に対して「なにも話せない」と答えているのはなぜか?






(疑問6)
12月25日、渡邊佐和子さんの父親に「『24日夜から(娘と)連絡が取れない』、と連絡してきたという“娘の友人”とは誰か? また、その25日の夜、即座に渡邊佐和子さんの父親が門真署に相談の電話連絡を入れているが、これもまたあまりにも迅速ではないか?



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〈回答2・3・4・5・6〉
2〜6の疑問については、ひとつの仮説を設定すれば、だいたい説明がつくのである。それは今回の事件には、森島輝実容疑者のほかに共犯者がいるということである。たぶん1人。男で、シェアハウスの住人である。殺人については、むしろ男のほうが実行した可能性が高いと思われるのである。つまり絞殺する腕力があるということである。



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で、24日の夜、森島輝実容疑者のマンションの自室に、渡邊佐和子さん、男と森島輝実容疑者の3人が集まったところで事件が起きたわけである。この3人のあいだにあったなにがしかの事情は、シェアハウスのほかの住人たちも知っていたのである。三角関係のもつれとかなんとか。であるから、クリスマスパーティがほんとうに間際になってから中止されても、それ自体は起こり得るものと解釈されたのかもしれない。



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で、そのシェアハウス仲間の1人が、とくに異常を感じて、渡邊佐和子さんの父親に翌日、25日に電話をしたのである。この電話の内容は公表されていない。しかしきっとかなり踏み込んだ話がされたのである。それで父親は驚き、マンションの管轄である門真署に直接電話を入れたのである。その後の警察の動きもたいへん素早い。事情を知ったからであろう。






森島輝実容疑者は、共犯者の男と相談しながら、あるいは男の指示を受けて、死体損壊、遺棄の手はずを整えたのである。どうしても女1人の知恵とは思えないのである。なにしろ頭部を洗うための、塩酸入りの強力な洗浄液なのである。女が考えつくようなシロモノではないと思うのである。たぶん男がネット検索でもしたのであろう。






一方、その男のほうは森島輝実容疑者の手もとに残った現金と、渡邊佐和子さんの当日の着衣、携帯電話などをもって逃走しているのだと思うのである。したがって逃走が開始されたのは、渡邊佐和子さんの口座からお金が下ろされた25日の午後である。所持金は、買い物の残金の10万円程度である。まあ、これでは死体の始末を女に任せて逃げる、ということになるから、やはり殺害は男のしわざなのである。






男が逃げる時間を稼ぐためか、あるいは自首を待つために、「部屋には頭蓋骨と肉片がありますが、いまは話したくありません」と森島輝実容疑者は逮捕直後に供述したのである。しかし、いまではすでに森島輝実容疑者は事件全体の供述をはじめているのではないかと思うのである。警察がその発表を押さえている段階ではないかと感じるのである。






それは、おそらく警察は男の自殺を警戒しているのである。たぶん。シェアハウスの住人が 報道の取材に対して「なにも話せない」と答えているのもそのためである。警察から口止めをされているのである。また、男の身柄を確保さえできれば、社会的な影響が大きいと思われる遺棄の手口などをこと細かにマスコミに知られずにすむのである。






というわけで、おそらく今日か明日にでも事件の全容が公表されると思うのである。時間の問題である。この原稿も、そうとう焦って書いているのである。そしてこれからはもっと慎重に考えていこうと反省しているのである。現状バタバタしまくっているのに。終局を迎える時間が迫っているので、とりあえずはここまで。(了)





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