2016年1月17日日曜日

訴えられたらタイヘン!! ジャニーズ事務所の前近代的経営とSMAP問題





SMAP解散問題である。おかげで木村拓哉(43)の意外な骨っぽさや、メリー喜多川(89)の熱い熱〜い鉄火肌を知れて面白かったのである。しかしいまなお不思議なことがあるのである。SMAPメンバーのあいだの見事なまでのディスコミュニケーションぶりである。






飯島美智(58)の解雇が決定し、では、そのマネージメント下にあったSMAPはどうするか? となったときに、とうぜんあるべきメンバー5人での話し合いがなされた形跡がないのである。ふつうは、メンバーも「SMAPとしてどうするか?」と考えるはずである。グループとして結論を出そうとするはずである。






それがなぜか、ジャニーズ事務所に対して、メンバー各自が個々に回答し、結果、木村拓哉ひとりが残留の意思を示したわけである。仮にジャニーズ事務所側からなにがしかの策謀めいた働きかけがあったとしても、5人が直接会って話し合おうと思えばできないことはなかったはずである。



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木村拓哉を除く4人の意思は11月までに確認されていたという。これに対して木村拓哉の意思が確認されたのは12月半ばだったというのである。時間はたっぷりあったはずなのである。



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たぶん木村拓哉以外の4人のメンバーは、きっと拓哉を含め全員が退所を希望すると安直に考えていたのであろう。確認もとらず。たかをくくっていたのである。そしてその根底には、そういう話し合いさえ億劫に感じるほどの、関係の悪化があったのである。



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また木村拓哉は拓哉で、11月の段階で、おそらく自分以外の4人が退所を希望したことは知っていたと思うのである。実際にそうだと誰かに聞かされなくても、感触としてはあったはずである。そこで、しかし自分は残ると決断したときにも、メンバーとは話し合っていないのである。報告さえしていないはずである。






結局、メンバーの意向が割れたという情報はジャニーズ事務所から飯島三智にもたらされ、三智は慌てて4人のメンバーをジャニーズ事務所に戻そうとしたものの断られた、というのが経緯なのである。であるから、SMAP内部の不仲が自滅を招いたともとれるし、その不仲につけ込まれたのだ、ととることもできるのである。そして不仲というのは、とくに木村拓哉と中居正広らしいのである。



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もっと思いきったいいかたをすれば、この、グループとしての存続がかかったきわめて重要な時期に臨んでなお、メンバー間でなんら話し合いがなされないという異常な事態そのもので、いったんSMAPは潰れていたと解釈することもできるのである。バラバラで話し合いができる状態ではなかった、と。そう考えれば納得がいくのである。人間関係はメンドくさいのう。



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もちろん、メンバーの仲のよさだけがグループをまとめるものでもない。仕事のためにいやいやくっついているグループなどいくらでもある。しかし、このときのSMAPは、少なくともファンが想像するような、いつも支えあっている仲のよいSMAPではなかったのである。潰れていたというのが極端なら、少なくとも瀕死の状態であったとはいえるのである。






でもまあ、悲観することはないのである。今回の「飯島三智解雇→じゃあSMAPはどうする?」騒動は、見事なまでの天の配剤と考えればいいのである。これを機会にメンバーの絆が強く結ばれ、SMAPが再生することを願えばいいのである。SMAP Reunionである。すでに今日(1月17日)、拓哉が直接メンバーに電話をして、ジャニーズ事務所に戻りたい意思を確認しているという報道もあるのである。エラいなあ、拓哉。






これまで懸案であったアイドルからの脱皮という課題も、ここで一気に解決できるかもしれないのである。少なくとも拓哉は大人の男として見られるようになるはずである。まあ、SMAP全体としては石原軍団化するというイメージであろうか。






香取慎吾(38)は舘ひろし(65)、神田正輝(65)の役は稲垣吾郎(42)でどうじゃろ。中居正広(43)が途中でいなくなった峰竜太(63)なのは、いたしかたのないところである。しかし酒癖の悪い草彅剛(41)が入る余地は、残念ながら甘党ぞろいの石原軍団にはないのである。






話は変わる。もうひとつ意外であったのは、ジャニーズ事務所の前近代的な体質が凄まじいばかりであったことである。ジャニーズ事務所が、メリー&ジャニー喜多川姉弟(84)と、姉メリーの娘ジュリー(49)による同族経営であることは、もちろん承知していたのである。しかし経営に関してここまで徹底したメリーのワンマン体制であるとまでは知らなかったのである。






「皆さんの前で言います。ジャニーには(飯島氏の会社を)辞めさせなさい。私が迷惑するから」。たびたび話題に取り上げられる『週刊文春』2015年1月29日号のインタビュー記事。そのなかでのメリー喜多川の発言である。



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“飯島氏の会社”というのは、主にSMAPの映像作品の制作・管理を行っているジャニーズ事務所の関連会社「ジェイ・ドリーム」である。メリーが“皆さん”といっているのは、インタビュー取材に同席した同社の白波瀬傑専務取締役(55?)と男性スタッフ、顧問弁護士2名、さらに飯島三智、そして『週刊文春』の取材陣である。それにしてもこのいい方、メリーは弟のジャニーさえまったく気にもかけていないのである。



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ジャニーズ事務所の道理はただひとえにメリー喜多川の道理であり、メリー喜多川の正義はジャニーズ事務所の正義なのである。たとえば、また前述の『週刊文春』のインタビューである。また、といってもメリー喜多川の肉声を伝える資料はこれしかないのである。おお、取材日は1月13日であったか。そうか、それではこのときメリー、すでに89歳になっていたのか。ともかく、次の発言である。



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「飯島に関しても私の管理の仕方が悪いんですよね。だから、みんな勘違いしちゃう。うちの娘と飯島が争うなら私は飯島に『出ていけ』と言うしかない。だって、飯島は私の子供じゃないんだもの。」






「私の子どもじゃない」から「出ていけ」って、それはないでしょメリーさん、なのである。少なくとも現代の経営者がマスコミの前で口にする言葉ではないのである。私のつくった会社は私のもの、それをどうしようが私の勝手、まるで商店街の個人商店の感覚である。これでタレントだけで100名近くを抱えるジャニーズ事務所の実力トップなのであるから畏れ入るのである。



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メリー喜多川の独断専行は、企業の私物化、地位の濫用という言葉さえ虚しいほど強烈である。ジャニーズ事務所、要するに角兵衛獅子の元締めみたいなものである。各地の地回りなんかを相手に興行の仕切りをする親方はメリー、どこかから子どもを連れてきて芸を仕込むのはジャニーである。では、もう少しメリーさんのお言葉をいただいてみよう。



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「飯島がジュリーと対立するということは、私と対立するということ。お分かりになりますよね。それは、私に刃を突きつけているのと同じですからね。うちの娘が、何で飯島と派閥争いしなきゃならないの? だったら、どうぞ自分のところで別に(会社を)作ってくださいと言うだけ。派閥争いをしたら、飯島がどんなに(仕事が)できても、私は娘の味方です。親ですから、当たり前のこと」。






突っ込みどころ満載である。まずは、正当な理由なくして従業員を解雇することはできないという、あたりまえの認識がないのである。メリーの前では従業員の立場や権利など鴻毛のごとき軽さである。これ、立ち会っている2人の弁護士が制止しようとしないというのも、たぶん、ふだんからメリーに気圧されているのである。メリーの怖さを物語っているのである。






もちろん、メリーのこの発言はそれだけでパワハラそのものだし、さらに辞めたら辞めたで、出ていったタレントたちに対して「干す」などという卑劣な営業妨害を続けているときては、これはもう立派なブラック企業である。






しかし、繰り返しになるが、ジャニーズ事務所にはブラック企業などといういまふうの言葉は似合わないのである。CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)にいたっては、きっと聞いたこともないのである。「姐さん、そりゃあちっといいすぎじゃねえんですかい? 飯島のヤツ、もう青息吐息になってますぜ」な感じなのである。お断りしておくが、決してヤクザだといっているわけではないのである。






そうそう、説明しておく。“角兵衛獅子”というのは子ども中心の獅子舞の大道芸なのである。もともとは越後(新潟県)の月潟村が洪水に悩まされ、堤を造る費用を得るために、子供に越後の獅子踊りで旅稼ぎをさせたのがはじまりだといわれているのである。江戸時代には、越後から親方が連れてきて各地を廻ったらしいのである。獅子舞を踊るのは7歳以上、14、5歳以下の子どもだったのである。うむ。






ジャニーズ事務所は株式会社ではあるが株式を公開していないのである。であるから、経営の実態についてはなかなか明らかになりにくいのである。もっとも、上場したとたん、村上ファンドの村上世彰(56)みたいな“ものいう株主”にねじ込まれる可能性は大である。まあ株式非公開というのは同族会社の常套ではある。



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確認できるところでは、そうとう古いが、2004年の法人申告所得が71.9億円だったそうである。で、そんなこんなで推測すると、当時の売上高としては700億円程度ではないか、といわれているのである。もう10年も前の数字である。たいしたものである。



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さらにジャニーズ事務所の関連会社は、Wikipediaに掲載されている主なものだけで15社に上っているのである。これまたたいしたものである。しかし子会社がそれだけ多いということは、直間比率で見れば、おそらく間接部門の割合がかなり肥大していると思われるのである。市場の飽和感とあわせて考えて、企業のライフサイクルでいえば成熟期の後期、というところであろう。






で、こういう時代錯誤でありつつも巨大なジャニーズ事務所の体制を支えているものはなにか、といえば、それはもう100%、メリーの強圧的な手法なのである。弁護士をも黙らせる恐怖統治、独裁である。ジャニーズ事務所を支え束ねているのは、元をただせばひとりメリー喜多川のチカラである。



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ほかの経営陣、たとえば娘のジュリーにそれをそのまま受け継ぐだけの膂力があるとはとても思えないのである。そこらの男でも無理である。いわんやどこか妙にやさしいジャニーをや。もう84歳だし。幕末明治の親分でも連れてくればなんとかなるかも、である。これまで当ブログでは何度も繰り返してきたが、メリー、侠気の人なのである。“メリー”という洋風の名前に騙されてはいけないのである。






であるから、メリーの引退はすなわちジャニーズ帝国の崩壊である。これまでの恨みつらみが、いたるところから一斉に噴き上るのが目に見えるようである。たとえば、ジャニーズ事務所のあおりを受けて冷や飯を食わせられ続けてきた男性アイドルたち、無理難題をふっかけられてきたテレビ局のプロデューサー、ディレクターたちなどなどである。






さらには事務所の内部には内部でタレントの序列問題があるのである。メリーはことあるごとに近藤真彦がトップであると強調する。しかし、働かずにカーレースだかに興じ、威張るだけのマッチに代わってその給料分まで稼がせられている下の人間はたまったものではないのである。






しかもマッチ、今回の騒動については知らんふりを決め込んでいるのである。所属タレントのトップだというなら、こんなとき、それなりの役割があるはずである。それを、たとえばSMAPとメリーとのあいだの橋渡しもできないなら、ただの木偶の坊といわれてもしかたがないのである。マッチ棒か。






メリーにはメリーで、マッチの亡き母親との親交など、人情話めいた伏線はあるのである。しかしそれはメリー個人の思いであって、会社の運営にもちこむべきものではないのである。公私混同である。勢い余ってか、マッチを去年のNHK紅白歌合戦にマッチを押し込んでみせたが、これに違和感を感じた関係者は多い。これも見過ごせない火種である。






ほんとうはここで、ジャニーズ事務所のこれからを少し展望しようと思ったのである。しかし考えてくると、これから、というより、本当にジャニーズ事務所の一寸先は闇なのである。89歳のメリーが万一、明日にでも倒れたりしたら、それでジエンドである。展望などないのである。考えただけで身震いが出そうな状況である。



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メリーは「娘の味方をするのは親としてあたりまえのこと」という。ほんとうに娘ジュリーのことを考えるのであれば、自分がいなくなったあとのことを真剣に考えてやるべきではないかと思うのである。まあ、無責任な野次馬は、そんなこんなで、これからもしばらくジャニーズ事務所から目が離せないのである。ああ、忙しい。忙しい。くわばらくわばら。(了)





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