ひとこと聞いたり読んだりするだけで笑える言葉がある。それは突然、心にやってくるのである。昨日やってきたのは「ツープラトン」である。いまの私にはこれがまったく意味なくおかしいのである。「リンゴがツープラトン」。もうダメである。それでまた、ニヤニヤしながら売り場を冷やかしているイヤなヤツ、と、スーパーのオバサンたちにうとまれるのである。
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ちなみに「ツープラトン」とはプロレス用語で2人がかり攻撃のことなのである。プラトンは“platoon=小隊”である。しかしなぜ“2小隊”が2人がかり攻撃という意味になったのはわからないのである。ツープラトン。プラトンってかい? やっぱりおかしいのである。
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思いめぐらせば、おかしさの理由になんとなく見当がつくものもあるのである。たとえば、これも私にとってはだが、最近では「大王イカ」である。富山湾で撮影されたのである。思うにこのおかしさは「大王」という言葉の古色蒼然たる大仰さと「イカ」の軽さ、安さのアンバランスだと思うのである。であるから完全に無意味におかしいというわけではないのである。しかしやはり「大王イカ」という一語で笑えるのである。
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まったくの無意味なおかしさから、理由のあるおかしさに移行する場合も多々あるのである。それは、なんどもその言葉をいじっているうちにアレンジ、あるいは自分や仲間内だけでの解釈が新しく生まれてできるのである。たとえば、私の場合では「夜中の空気銃」というフレーズで理由なく笑っていたものが、いつのまにか「深夜の空砲」という、なんとなく意味を想像できるフレーズになっていたり、である。
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ひとこと、あるいはワンフレーズで、ある人物や概念を示したり、心を掴んだりする言葉を「サウンドバイツ」というらしい。とくに、本人自身の発言から切り取られて、以後、その人物の話題になるたびにシンボル的に用いられる言葉が、そう呼ばれることが多いのである。宮川大輔(43)の「あかん、あかん、あかんって!!」とか、松岡修造(48)の「熱くなれ!!」とか、古くは田中角栄(享年75)の「よっしゃよっしゃ」とか。
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で、「深夜の空砲」「大王イカ」「ツープラトン」は、私にとってのサウンドバイツなのである。いきなりコチョコチョと噛み付きにくる可愛いヤツなのである。そしてようやく「正輝(MASAKI=マサキ)」である。サウンドバイツ、「正輝(MASAKI=マサキ)」は、“いいやつなんだけどちょっと間抜けな神田正輝(65)”、“ときどき見せる阿呆ヅラの神田正輝”を表している言葉なのである。
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思い出してほしいのである、長谷川理恵(42)のことを。理恵はマサキの前に、マサキのゴルフ仲間でもある石田純一(61)と約8年間も不倫関係を続けていたのである。2010年、そんな理恵がなかば無理矢理に押し掛けてきたとき、マサキはやさしく受け入れてやっているのである。いや、やらしく、かもしれないが。
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理恵との結婚を拒んだのは、娘沙也加(29)の気持ちを考えてのことなのである。理恵の妊娠を受けて「オレの子じゃないよ」と冷たくいい放ったのも、実はマサキ、パイプカットしているからなのである。ほーら、ちゃんと理由があるのである。マサキ、ホントはいいヤツなのである。
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考えてみれば、松田聖子(53)との電撃結婚も、郷ひろみ(60)との結婚に失敗した聖子に利用されたようなものなのである。しかしマサキ、いずれの場合も相手の悪口になるようなことはまったく喋っていないのである。どうだ、マサキいいヤツだろ?
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で、今回のスキャンダルである。『朝だ! 生です旅サラダ』(朝日放送)で共演している三船美佳(33)との不倫疑惑である。『スポニチアネックス』が1月1日付で報じたのである。正月早々のスクープである。おめでとう。
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これに対してマサキは2日、石原プロモーションを通じて「事実ではありません。離婚問題でもめている時に、こういう報道が出て、彼女がかわいそうだ」とのコメントを出し、あわせてマサキは“激怒している”という事務所の所感も示されているのである。
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三船美佳側も、2日に事務所が否定のコメントを出し、美佳本人は4日になって、ファクスで「あまりに事実無根の内容で迷惑しています」「お付き合いや密会の事実は全くございません」と、これまた報道を完全否定しているのである。さらに、1日の『スポニチアネックス』ですでに交際を公認していると報じられた美佳の母、喜多川美佳(67)も「憤慨している」のである。
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あたりまえである。絶対に、絶対に、認めるわけになどいかないのである。『朝だ! 生です旅サラダ』のMCとレギュラー出演者が不倫となれば朝日放送も黙っていられなくなるし、なにより美佳は高橋ジョージ(57)との離婚係争中なのである。そこに不倫疑惑などとは爆弾を投げ込むようなものである。
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事実、ジョージについては「『“連れて行った娘(11)を放っておいて、夜中に男にかまけているなんて…”と、三船さんへの怒りを抑えられないようでした。今、高橋さんは娘さんを東京に呼び戻そうとしています。三船さんには娘を任せておけないと判断したようです』(高橋を知る芸能関係者)」(「女性セブン」1月21日号)という報道が早くも出ているのである。
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しかも美佳の不倫相手は、ジョージにしてみれば自分よりも8歳も年上なのである。さらにパイプカットまでしているのである。転居先まで突然押し掛けたこともある未練の青白い炎、ジョージが嫉妬に狂って、今度はなにをしでかすか知れたものではないのである。もちろん、今回の疑惑報道がマサキや美佳のいうように事実無根であれば、まったくなんの問題もないのである。しかし、残念ながら限りなく事実に近いのだろうと思われるのである。
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事実だと思われる理由の第1は、マサキ、美佳のどちら側も『スポニチアネックス』への法的措置を打ち出していないことである。事実無根であれば名誉毀損で訴えるというのが、もっとも理にかなった、そしてよく知られた対応である。疑惑を晴らせるし、広く世間にもアピールができる。であるから、それをしないということは、すなわち記事が事実である証拠だと見られてもしかたがないのである。
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2番目の理由は、『スポニチアネックス』の記事がきわめて具体的なのである。まずは「底冷えのする12月の金曜日。午後10時すぎ、大阪市内の自宅前で三船は、荷物を抱えた母親の喜多川美佳さんを車から降ろすと、1人で出かけた。待っていたのは親子ほど年齢が離れたロマンスグレーのナイスミドル。仕事と育児で奮闘する中、神田とつかの間のデートを楽しんだ。」である。
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さらに続けて「11月上旬にも2人は人目を忍んで会っている。三船は東京家裁での高橋との離婚訴訟の弁論準備手続きを終えると帰阪。母親と子供を残した自宅から2キロしか離れていない大阪市内のホテルに姿を現したのは午後10時5分。レストランは閉まっている時間だ。黒縁メガネをかけた三船は手慣れた様子でロビーで鍵を受け取ると客層階に向かった。午前1時20分、警戒した様子の神田のタクシーは、取材に気づいたのか、ホテルの外をゆっくり2周してから中に入った。エレベーターは同じ客層階へ向かった。」という記述もある。
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少なくとも丸2ヵ月間の張り込みをしているわけである。とうぜん写真も押さえているだろう。事実無根と口ではいっても、訴訟など起こせばヤブヘビになるのはほとんど明らかなのである。
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で、最後3番目の理由が、『スポニチアネックス』への反論が、マサキからは掲載翌日の2日、美佳の事務所も同日、そして美佳自身からは4日に行われていることである。まずはマサキおよび石原プロモーションの意向を確認してから、という美佳の姿勢が見え見えなのである。書かれたような事実がまったくなければ、マサキの発表の直後でいいわけである。
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で、同紙によれば、2人の交際のきっかけは、美佳が離婚問題についてマサキに相談したことだというのである。おお、相談から交際に発展といえば、あの偽計のカップル、藤原紀香(44)と片岡愛之助(43)と同じではないか。こちらは愛之助のほうが崖っぷちと別れるにはどうしたらいいか、と相談したことになっているのであるが。ともかく今日び、相談=交際なのである。そういえば、生まれてから1度も相談というものを受けたことがないのである。
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で、マサキ、決してやたらに女の尻を追い回すタイプではないと思うのである。しかし来る者は拒めないのである。というか、きっとうれしいのである。で、間抜けなことに受け容れてしまうのである。せっかくパイプカットしてあることだし。
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人生2度あることは3度ある、のである。聖子、理恵、美佳である。ホップ、ステップ、ジャンプである。マサキ、今度はジャンプしたままどこかへいってしまいそうな予感もするのである。そのときは、アタマの帽子に気をつけてほしいものである。いやー、おかしい。なんだかおかしい。なんだか、どうしても、おかしすぎるマサキである。(了)


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