2016年3月20日日曜日

ついにピークを通過した、ジャニーズの黄昏を観賞しよう





輝かしき黄昏の時を迎えた“Golden Dusk”ジャニーズ事務所の気になる動きをメモしておきます。細かなことはいろいろありますが、ひとつの企業、時代の生長と死という大きな観点で眺めると、最も違和感を感じるのは、この2016年3月の段階で、拡大戦略に出ていると見えることです。どんな企業も時代もいつかは終りを迎えるものです。なので“死”という言葉もあまり気にしないでください。



SMAPの解散騒動があって、いちおう結着したことになっています。しかしご承知の通り、それはみなが疲れ果ててとりあえずいったん小休止、というような状況です。火種はいたるところでまだ盛大にくすぶり続けています。木村拓哉(43)を除くSMAPの4人全員が来年のいまごろもまだ事務所に残っている、と断言できる人はどこにもいないはずです。



ちなみにSMAPについて私は、“SMAP”という名前は残ると思います。しかしたぶん中身(メンバー)はまったく別のグループになるだろうと予測しています。SMAPという名称の一切の権利はジャニーズ事務所がもっていますから、どんなことでも可能です。



しかし新しいSMAPは、いくらなんでも東京オリンピックにはまにあいません。で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、SMAPに替わって嵐が応援を務めることになるでしょう。まあ、そうなればジュリー景子にしてみれば願ったり叶ったり、の感じではないでしょうか。



やがて新しいSMAPの活動が軌道に乗れば、例によって初代の5人(+1)は歴史上からも抹殺される、というわけです。歴史は勝者がつくる、というのはこういうことなのですね。



 

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SMAPはジャニーズ事務所の年間総売上の約4分の1(250億円!!)を稼ぎ出してきたトップスターです。今回はそのSMAPに傷がついた格好になりました。もちろん、この数字がこのまま維持できるとは思えません。



木村拓哉には裏切り者のイメージがついてしまいましたし、ほかの4人には、おそらく営業面での社内的な圧力がかかるでしょう。これからのトップは嵐でなければならないからです。



また、彼らの育ての親でありチーフマネージャーであった飯島三智(58)が退職したことは、事務所全体として企画営業面での大きな痛手となるでしょう。彼女は豊かな経験とすぐれたノウハウをもっていました。さらにSMAPがこれからは他の所属タレントと同列に、肩を並べて仕事をするのは、これも新しい緊張と葛藤を生むはずです。



以前にもこのBlogに書きました。ジャニーズ事務所がいわゆる飯島派とメリー+ジャニー+ジュリー連合に2分されていたとき、嵐以下のグループは、言葉は悪いですけれどもSMAPのクローンでよかったわけです。先輩SMAPに追い着け、追い越せ、というかけ声があったとして、その実態は、ウチ(メリー+ジャニー+ジュリー連合)にもSMAPがほしいよねー、だったと思うのです。



しかしこれからは、たとえばSMAPと嵐がテレビなどで共演する場面も出てきます。もうSMAPを特別扱いしないというのはそういうことだと思います。そうなると、嵐のほうはたいへんにやりずらいでしょう。



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さらに、SMAP分裂騒動は、ジャニーズ事務所を見る世間の目を、以前よりも遥かに厳しいものにしています。タレントを奴隷だと思っているのか? テレビやスポーツ新聞などを思いのままに操っているのか? 所属タレントを力に任せてごり押ししているのか? などなどです。



しかも、です。ジャニーズ事務所はすでに爆発まで秒読み段階の爆弾を抱えているのです。喜多川家のメリーさん、ジャニーさんの引退です。メリー89歳、ジャニー84歳ですから、いささか不躾なものいいになりますが、いつなにがあってもおかしくはないはずです。少なくともお2人のトイレ間隔は近くなっています。



メリーさんはもちろん、ジャニーさんが倒れても、そりゃあもう大騒ぎ必至です。なにしろジャニーズ事務所の株式の60%を握っているお方です。しかも独身。さまざまな問題が一挙に噴き上る可能性もあります。



ついでにご紹介しておきますと、ジャニーズ事務所の年間売上高は1000億円を超えているといわれています。売上高ランクでいけば、間違いなく日本のトップ1000社以内には入ります。法人所得(利益)でいうと、公示された最後の年、2003年12月期で71億9299万円でした。売上から経費や控除を引いた額が71億9299です。財務的には超優良企業です。



これからのジャニーズ事務所は、こういう視点からも観察していかないと見誤ると思います。あ、「くまモン」を使った各種商品の売上も、2015年には1000億円を超えたらしいですけど。なんだか、人間である私としてはイヤーな気分になるお話ではあります。



ともかく、こうした、いろいろと問題を抱え、苦境に立たされた時期には、ふつうの組織であれば内部の引き締めを最優先課題にします。会社や宗教団体の分裂騒動しかり。というか、そうしなければならない状況に追い込まれます。



ああ、そういえば、組織内部のまとまりや緊張感がなくなった場合、わざと分裂騒動を起こし、すったもんだのあげく“感動の和解”を演出するというのは、むかしからよく使われている手法です。とくに新興の組織に多いです。上の人たちはなにを考えているかわからないので、騙されないようにしましょうね。



 

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で、ジャニーズ事務所もいまは内部体制の引き締めや充実に力を注ぐべきときだと思うのです。しかし、どうもそうは見えません。たとえば映画への積極進出です。第39回日本アカデミー賞(授賞式:2016年3月4日)で二宮和也(32)が『母と暮らせば』でみごと主演男優賞を授賞したことで、ジャニーズ事務所の映画への野望がはっきりと見えてきました。



もちろん、ジャニーズ事務所からの主演男優賞受賞は昨年の岡田准一(35)に続いて2年連続、2人目です。ですからジャニーズ事務所から受賞者が出たこと自体は、いまとなってはもうそれほど問題ではないのです。しかし役所広司(60)、佐藤浩市(55)、内野聖陽(47)、大泉洋(42)を差し置いて、となると、いささか首を傾げてしまいます。



さらに問題なのは、その授賞式での二宮和也のスピーチでした。和也はこう語っています。壇上に立った和也は、まず「今日はすごくいい酒が飲めそうだなと。岡田君に自慢します」と前回の最優秀主演男優賞受賞者でジャニーズ事務所の先輩でもあるV6・岡田准一にメッセージを送りました。ここからです。



「ジャニーさんとメリーさんとジュリーさんと、いままでずっと迷惑をかけてきた人たちに、これでちょっとは恩返しができたかなと思うと、すごくありがたく、また頑張っていこうと思っています」



ジャニーズ事務所幹部への謝辞、まあ内輪のおべっかみたいなものです。しかも、本来なら真っ先に謝辞を述べなければならないはずの山田洋次監督(84)や主演女優の吉永小百合(71)についてはまったくふれないまま、和也のスピーチは終わってしまったのです。



つまり、いまやジャニーズ事務所が映画界を支えており、本気を出せば、簡単に仕切れる、牛耳れるのだ、という態度だったわけです。少なくとも映画界の人間にはそう聞こえています。



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これまでもジャニーズ事務所所属のタレントが映画に出演することは何度もありました。しかしそれらの多くはいわゆるアイドル映画で、ジャニーズ事務所と映画会社は持ちつ持たれつの関係です。



しかしこれからは、極端な話、どんな映画であってもキャスティングの段階でジャニーズ事務所にお伺いを立てないといけない、という状況になりかねないわけです。テレビドラマの場合と同じように。というか、ジャニーズ事務所はそういう狙いをもっているのだと思います。



とうぜん反発も予想されます。松竹、東映、東宝、日活、などのむかしからの大手、角川などが、そのままジャニーズ事務所の思い通りにされるとは考えられません。ジャニーズにもそうとうの覚悟と、負担が必要です。



少し話は戻ります。それにしても2006年、木村拓哉が第30回日本アカデミー賞の主演男優賞ノミネートを“ナンバーワンよりオンリーワン”の方針で辞退したのは、いったいなんだったのでしょうか? SMAPには獲ってほしくなかったのか、と疑いたくなります。



いまこの時期に、ジャニーズ事務所はなぜ敢えて戦線を拡大しようとするのでしょう? はっきりいって、まだ藤島ジュリー景子(49)のブロデュース能力がどのくらいのものか、飯島三智の抜けた穴をカバーできるのかさえ、はっきりしてはいないのです。



いやジュリー景子だって嵐を育てたのだから、とおっしゃるかもしれません。しかしアイドルのバラエティ進出など、いまの男性アイドルのあり方のほとんどすべては、飯島三智とSMAPによって切り開かれてきたものです。嵐とジュリー景子は、その切り開かれた道を走ってきたにすぎません。そういうジュリー景子にこれからさらに新しい時代を切り開いていけるかというと、疑問です。



 

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いまのところ、メリー喜多川の性格からなんとなく推測できるのは、だからこそ攻勢をかける、つまり“攻撃こそ最大の防御”と考えているのではないか、ということです。メリー“ザ・フィスト!!”喜多川は、こうした一か八かの強気の行動が好きなタイプです。あるいは、基本的には攻めることしかできない経営者ではないか、という気もします。



まあ、いずれにしろいまのジャニーズ事務所がいささか難しい状況にあるという認識はもっていらっしゃるはずです。このままではまずい。そうすると、これからのジャニーズ事務所の経営は、自分の89歳という年齢との競争でもあるわけです。弟のジャニーは経営に関してはちっとも役に立たないし。



ですから、ジャニーズ事務所を盤石の体制にして娘のジュリー景子に引き継げるのか、それともその途半ばで自分に残された体力、時間が尽きるのか。もう、毎日毎日、豪腕のブンブン唸る音が聞こえそうです。



しかしその一方で、なんとなく、メリー喜多川、自分もやがて死ぬのだということを忘れてしまっている気がしないでもありません。オシッコはもうずいぶん近くなっているのに。人間ってそういうものなのでしょうねえ。



そんなこんなを考えると、ああ、ジャニーズ事務所では働きたくないなあ、と思います。働いてくれともいわれないでしょうけど。こういう、メリー喜多川のような経営者に限って、どこまでいっても“盤石の体制になった”などと満足はしないものです。お尻真っ赤になるまでペンペンされ、こき使われ、罵倒されるにきまっています。くわばらくわばら。(了)




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