2016年3月7日月曜日
オトナの目はみんな、笑っているときだって笑わない
ネットをぶらぶらしていましたら『gooランキング』からの記事で、「目笑ってなくない!? と思う有名人ランキング」に行き当たりました。今年の2月後半に実施された投票の結果です。とりあえず、そのトップ10をご紹介します。
1位 堀北真希 209票
2位 中居正広(SMAP) 172票
3位 渡辺麻友(AKB48) 169票
4位 石塚英彦(ホンジャマカ) 160票
5位 三船美佳 131票
6位 香取慎吾(SMAP) 119票
7位 村本大輔(ウーマンラッシュアワー) 118票
8位 櫻井翔(嵐) 117票
9位 堺雅人 112票
10位 上重聡(日本テレビアナウンサー) 104票
やはり、比較的最近なにごとかをやらかして頻繁に名前を挙げられた人たちが票を集めたようです。たとえば中居正広(43)と香取慎吾(38)はSMAP解散騒動、とくに『SMAP×SMAP』(フジテレビ)での生謝罪の暗い表情が影響しているでしょう。そのうえ正広には「ファンは金の源」発言が強力なプッシュになったはずです。
*
そんななか、とくにこれといった話題のない石塚英彦(54)が4位と健闘しているのは見事な快挙だといわなければなりません。英彦、ナイス釣り上がった糸目。石塚英彦の場合、動いているのは顔の下半身、とくに口まわりだけなので、よけい笑っていない印象が強いのだと思います。
*
*
そして第1位の堀北真希です。記事のタイトルには「闇が深そうな」という記述がありました。つまり“堀北真希の闇がいちばん深い”といっているようなものです。しかし私の見る限り堀北真希の目に闇はありません。
*
堀北真希の目が笑っていないのは、その奥の奥が開いてしまっているからです。底の抜けた目。球体関節人形のハンス・ベルメール→四谷シモンを連想させる目です。まあ、たいへん申しわけのないいい方になりますが、人としては[たりない系]の目です。妖しく危うい女優さんになれる人です。
*
しかし、です。このランキング、それにしては目に特徴のあるトキの人、ベッキーがいません。石塚英彦のおメメ兄弟、秋元康の名前もありません。そこで、人のすべては顔に現れるとする「全顔主義」を戴く私なりのピックアップを試みることにしました。
*
と、その前に、僭越ながら主義者の考えを述べさせていただきます。まず、目までが笑っているのは子どもだけです。オトナの目は笑いません。おっと、一部、生身の人間以外のなにものかに対して笑っているときには、目も笑うことがあります。たとえば動物とか、テレビのハプニング映像とか。
*
つまり、生身の人間を笑うとき、人は必ずほかのなにごとかを考えているわけです。笑いに没頭することはありません。で、笑い、笑い顔とは何か、という疑問に対するひとつの回答が思い出されます。それは、牙を剥き出して相手を食ってしまえる能力を誇示している、といものです。おお、ゾッとするではありませんか。
*
で、その笑っていない目にはまた、いろいろな感情や心のあり方が浮かんでいます。一色ということはありません。いつもいくつかの感情や心のあり方が混ざりあっています。たとえば悲しみと怒りだとか、軽蔑と怯えと嫌悪、とか。ですから少なくとも私は、「彼女の瞳に悲しみの色が浮かんだ」というベタな表現を読めば、その前からそこにあった感情はなにか、とほぼ自動的に確認します。目は心の窓。口以上にモノをいいます。
*
*
そんなこんなの考えなので、ランク付けをするにもその判断基準に悩みます。「テリー伊藤賞」とか「寺山修司賞」、「千秋賞」、「ルー大柴賞」というふうに対象を限定すればできないこともありませんが、それではそっくりさん大会になりそうです。で、ランクは付けず、思いつく順番に名前を上げてグチグチごたくを述べていくことにしました。題して「目物語」。その第1回です。
*
■ベッキー [腹黒系]+[オドオド系]
以前、テレビ番組で、「ワタシ、目の中にヒマワリがあるんですー」といっているのを聞いて、ずいぶんデカい目だなあ、タンポポでもムリだろう、と驚いたことがあります。バカです。で、共演者が実際にその目の中を覗いたらしく、「わーホントだー」「わー、なにーコレー」と騒いでおりました。バカです。たぶん虹彩の部分がそう見えるのでしょう。私の場合は虹彩に地面が見えました。
*
ベッキーとしては、なにもバカを大量生産しようとしていたわけではなく、向日性の娘、いやいやもっと、太陽のように明るくおおらかで健康的な娘、をアピールしたかったのだと思います。そしてそれはただタレントとしてというだけでなく、人として皆に愛されていたいという強い欲求がさせたものだと思うのです。
*
ですからベッキーはいつも人の心の中をあれこれ詮索して、この人は私をこう見ている、ああ思っている、とか、こういう人にはああすれば好かれる、こうすれば気に入られる、と計っています。そこのところが[腹黒系]+[オドオド系]に見えるわけです。そしてそれは眼球だけでなく、目のまわりの陰ともなって現れています。
*
生まれてこのかた30数年、そのようにして生きてきたベッキーは、人の心を読み誘導する能力、つまり人心掌握に長けているはずです。なのに、な・の・に、なぜクラゲみたいに骨のないゲスの川谷にコロリと参ってしまったのでしょうか? はい。それはゲス川谷に対してだけ、はじめて[腹黒]を捨ててしまったからです。
*
まあ音楽がよかったのかどうか、その経緯は知りません。とにかくベッキーはゲス川谷にひと目惚れをしてしまったわけです。で、正直に素直に、素顔の私で愛されたい、とか思ったわけです。十代の小娘でもあるまいし。で、[腹黒系]+[オドオド系]ならではの武装を解除してしまったのです。
*
*
話はそれますが、不良、ヤンキーは絶対にこういうヘマはしません。惚れて舞い上がって武装解除、はほとんどあり得ない話です。それは彼らが人に揉まれてきたからというだけでなく、つねに、少し乱暴ないい方ですが、つねに下から人や世間を見上げてきているからです。下からの視線でしか見えないものがあります。そして下からでしか見えないものが、人や世間の実相の8割くらいをしめていると私は思います。
*
えーと、それで[腹黒系]+[オドオド系]の武装の背景には、人というものは操れるのだ、操るものだ、という感覚があります。なので、手練手管で自分を気に入るように仕向けていきます。で、ゲス川谷に対してだけは突如それを封印!! したわけですね。恋をしたから。ククッ。失礼しました。
*
人は操れるのだ、操るものだ、という感覚は、人よりも自分を上位においているから生まれます。たとえば上沼恵美子が今年1月24日放送の『上沼・高田のクギズケ! 』(読売テレビ)で真似してみせた「昨日から、上沼さんと一緒だと思うと眠れなかった。ベッキーっていいます、よろしくお願いしま~す!」などというセリフは、相手にタカをくくっているのでなければ、とても気恥ずかしくて口に出せるものではありません。
*
で、いわれたほうの上沼恵美子がどうしたかといえば、「もう、うれしくてうれしくて。ウソっぽいけどうれしくて」で、「ええ子やで」とほうぼうにふれて回ったというのです。バカです。ベッキーはやはりバカを大量生産する女なのです。
*
ベッキーの世間に対する“愛されたい好かれたい”心情の骨格にあるのは、極端にいえば、私は愛され好かれるべき存在である、という確信です。そういうわけで、いまは自宅にこもって手紙を書きまくっているといわれる彼女の謝罪は、人心の操作でしかありません。まあ、多かれ少なかれ謝罪なんてそんなものですが、その傾向がかなり強い、ということです。どこまでいっても手練手管で人心の操作に励むことしかできないベッキーです。
*
でもって、『週刊新潮』(2016年2月25日発売号)誌上に、ベッキーは日本ユニセフ協会に対し、アフリカに5つ学校が建てられるほど多額の寄付を匿名でしていた、という記事が掲載されました。しかし直後、当の日本ユニセフ協会から完全否定と取れる声明が出されたりしているわけです。「そのような情報を当協会が同誌を含む第3者に開示した事実はございません」なのです。
*
サンミュージックもバカになってしまったのか? と思いますね。これではベッキーの瞳のヒマワリも黒いヒマワリといわれてしまいます。ああ、やっぱりこの話題です。しかたのないことだと思います。
*
*
■秋元康 [腹黒系]+[冷酷系]
石塚英彦とともに、非常に目薬をさしずらそうな目です。そして秋元康(57)の目は、同時に動かない目、遊ばない目です。思うに康は、ゲームのような遊びが大好きで、嬉々として新しい遊びを考えたりするタイプです。
*
しかし自分では遊びません。遊んでいる連中を、細い、無表情な目でじっと眺めています。だからといって、みんなを楽しませるのが好き、というのでもありません。遊んでいる連中を見つめている目は、実は彼らのポケットや財布の中を見ています。
*
秋元康は女に惚れるということも、たぶんあまりありません。興味があるのは、その女がいくら稼ぐか、いくらで売れるかということであって、食べものはなにが好きで休日は何をして過ごすか、などということではないのです。よく“女衒の秋元康”といういわれ方をしていますが、というかそれは私だけかもしれませんが、秋元康の目は、ほとんど生まれながらの芸能プロデューサーの目です。
*
康は自分から好んで人前に出てくることもありませんし、業績の割には名誉職みたいなものも多くありません。また上梓した著作にしても、タイトルを眺める限りマーケティングにのっとって書いた企画ものばかりのようです。つまり、自分の意見、主義主張を述べたいわけではないということになります。康の目的はもっぱら金のように見えます。
*
なにしろWikipediaによりますと、秋元康、作詞家デビュー前に、相談も兼ねてやしきたかじんに歌詞を売り込みにいったそうです。で、そのときに「このまま放送作家だけを続けていても、せいぜい一千万や数千万の収入で天井が見えている。自分はこのままで終わりたくない」という趣旨の相談をしたというのです(byやしきたかじん)。見てもらった歌詞がすべて厳しく却下されたにもかかわらず、です。ご本人どこまで認識しているかわかりませんが、立派な商人根性物語です。
*
もちろん、もっぱら金をめざして仕事をしても、それはそれで責められることではありません。人によっては面白みを感じないというだけのことです。しかしもっぱら金が目的であるということは、すべからくの物品、事象は、金に換算されてはじめて価値を実現することになります。逆から考えれば、秋元康の世界は、金によってはじめて生命を吹き込まれるといえます。
*
ですから金と縁がないところは、康にとっては死んだ世界も同然です。また、康が見込んだ人やモノなりが見込みの通り金に換わってしまえば、それはそれで目的を果たし終えたあとの、再び静かな世界です。つまり、人なりモノなりがまさに金に換わろうとしているその短かなひとときだけが、康にとっては生命の喜びにあふれているわけです。
*
なぜこんなことを書くかといえば、ふだん康が人を見る目は、だから生命のない骸骨を見る悪魔のような目だ、といいたかったからです。おわかりいただけましたでしょうか? うむ。
*
では、もうひとつ例えを。コリンウィルソンの『純粋殺人者の世界』には、殺人を犯しているそのときだけ生の焦点が合う、みたいなことが書かれています。康の場合は、それが金儲けの仕組みづくりづくりだったりします。その瞬間にだけ生きている実感がある。だから冷血にもなる。だんだん物騒な話になってきました。
*
*
秋元康とたいへんよく似た目をした俳優に白竜(63)がいます。どんどんどんどん目尻を下げていくと、少し中村雅俊に似てきます。この白竜の目も怖いです。康と同じように、人を生きものとしては見ていない目です。言葉の遊びめいてきますけれども、白竜の場合は人を死ぬものとして見ているようです。
*
少し寄り道になります。秋元康と同様に若くして大金を手にした男に、堀江貴文(43)がいます。康より14歳年下の貴文はなにかにつけ康と好対照です。秋元康は典型的な都会っ子で貴文は田舎の子。康があまり人前に出たがらないのに対し、貴文は猛烈出たがり。康がそれなり膨大な数の歌詞を書いたりして“稼いだ”感じがあるのに対し、貴文はなんだか大金を“拾った”感じです。
*
まあ、われながらなんと酷いことをいうのでしょう。貴文が大金を“拾った”感じなのは、おそらくはそのほとんどが株式市場を介して手に入れたものであり、また、身の回りの誰も貴文の事業との関わりをもったりはしていないからでしょう。あるとしても、そういえばむかしちょっと株を買ったことがあるなあ、という程度のものです。
*
さらに、康が金そのものには徐々に無頓着になるように見えるのに対して、貴文は相変わらず宇宙事業に投資して大損したりしています。さらにBlogやTwitterで一生懸命発信していることからは、世の中になにがしかの影響力を発揮したいという野心を感じさせます。たいへん失礼ないい方をしますが、貴文は大金を拾ってはしゃぎ回っている田舎の子どもみたいなものです。
*
康はいたってクールです。そのかわり、いつまでも子どもっぽいままです。おそらく康にとっての金はカードコレクションみたいなもので、集めたらそれで終りです。だいたい、金好きの子どもでもなければ、人気投票券付きCDなるものを実際に発売しようとはしないでしょう。康と貴文、子どもっぽいところは同じです。
*
世の中も人も、あまり金が出しゃばってくると幼稚になります。どうも金には人の精神の成長を抑える働きがあるようです。ただ、金がなければそれだけで成長するというものでもありません。あまり金がない状況が続くと、その間の記憶が薄くなります。つまり精神はそこで立ち止まってしまいます。ここにも子どもっぽい人間が生まれます。私です。
*
そんなこんなで今日も康は、細く、しかし決して底光りすることはない目で、じーっと眺めています。AKB48なんかを。それは康にとってはすでにもうほとんど死んだ光景なので、あまり興味はありません。どーしたのかなー、誰がこんなブスばっかり集めたんだろーなー、などと他人事のように思います。これが冷酷というものです。
今回も時間切れで、取り上げられたのはわずか2人だけでした。申しわけありません。この続きはまた近いうちにやりたいと思います。お疲れさまでした。(了)
登録:
コメントの投稿 (Atom)






0 件のコメント:
コメントを投稿