2016年8月29日月曜日

日テレ「24時間テレビ」、Eテレ「感動ポルノ」に完敗!!



『24時間テレビ 愛は地球を救う 39』(日本テレビ)が終わった。今年は収穫大である。すでにご承知のこととは思うけれども、NHKのEテレが『バリバラ』で「検証!『障害者×感動』の方程式」をぶつけてきたからである。



《NHKのEテレの情報バラエティー番組「バリバラ」で28日夜、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した生放送があった。「清く正しい障害者」が頑張る姿を感動の対象にすることを「感動ポルノ」と表現し、「感動は差別だ」との障害者の声を伝えた。同時間帯は日本テレビ系で障害者の姿を伝えるチャリティー番組「24時間テレビ」が放送中だった》(「毎日新聞」8月28日22時3分配信)



『バリバラ』、やってくれたのである。具体的にどんな内容だったかというと 『J-CASTニュース』(2016年8月28日 21時24分)が以下のように伝えている。



《NHK広報局は「他局の放送とは関係ない」と事前のJ-CASTニュースの取材に応えていたものの、番組が始まるや、スタジオで大写しになったのはどこかで見たような「24」マーク。出演者はおそろいの黄色いシャツ姿で、その一人、多発性硬化症などを患う大橋グレース愛喜恵さんにいたっては「本家」の「24時間」のシャツをそのまま着ている。そもそも、キャッチフレーズからして「笑いは地球を救う」だ。

特に徹底していたのは、世間の「感動的な障害者像」を再現したコーナーである。上記の大橋さんが出演するこのドキュメンタリー風映像では、「それらしい」音楽やキーワードで、いかにも「健気な」障害者として大橋さんが描かれているのだが、それをぶち壊すように「病院の先生がイケメンでテンション上がった」「(立ち直ったきっかけを聞かれて)まあ時間が解決したみたいな」と、「使えない」発言を連発し、そのたびにスタッフが「その話いらないっす」「いやそこ大変な感じで行きましょ」などと軌道修正する。要するに、24時間テレビを完全にパロディー化したコントなのである。

ちなみにチャンネルを日本テレビに変えると、まさにちょうど、そっくりな「感動的」な映像が流れており、BGMも笑ってしまうほどよく似ている。狙って時間を合わせたのかは不明だが、痛烈な皮肉だ。なお、大橋さんは今年の24時間テレビにも出演している》



日本テレビはもちろん、日本テレビの偽善ぶりを手をこまねいて見ているだけだった他局、他メディアも、これでは顔色なしである。偽善ぶり、というのは、ひとつひとつの内容はもちろん「感動ポルノ」的でそうなのだけれども、そのうえに、たとえば局側はしっかり広告収入を得、出演者たちもギャラを得ていることなどである。チャリティーやボランティアを訴えるのなら、まずは自分たちからその取り分を寄付し、手弁当でやれという話である。



まあしかし、こうしたあたりまえの批判がマスメディアでなされるようになるまで放送回数にして39回分、1978年のスタート以来38年もの時間がかかったのである。長い。当時生まれた子どもは、もうすっかりジジイとババアである。本気で“愛は地球を救う”などと擦り込まれていたとしたらどうする?



で、今回なぜ『バリバラ』が、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題した生放送を、しかも『24時間テレビ』にぶつけるカタチで放送できたのかといえば、「感動ポルノ」という、いわゆるキラーフレーズが出現したからだと私は思うのである。



「感動ポルノ」とは、“ポルノグラフィ(仏語: Pornographie)”の「ブリタニカ国際大百科事典」の解説をなぞると、「感動をもたらす目的で、感動チックな行為を書物、絵画、彫刻、写真、映画などの形で表現したもの」ということになる。ポルノであるからもっと激しく「強制的に感動をもたらす目的で〜」としたほうがいいかもしれない。有無をいわさず生理に訴えかけるイメージである。



もう少しマジメに解説すると、「感動ポルノ」という言葉のそもそものはじまりは、以下の通りである。



《感動ポルノ(Inspiration porn) とは2012年に障害者の人権アクティヴィストであるステラ・ヤング(享年32)が、オーストラリア放送協会のウェブマガジン『Ramp Up 』で初めて用いた言葉である。ステラによればこの言葉は、障害者が障害を持っているというだけで(あるいは持っていることを含みにして)、感動をもらった、励まされたと言われる場面を表している。そこでは、障害を負った経緯やその負担、障害者本人の思いではなく、ポジティブな性格や努力する姿がクローズアップされがちである。「清く正しい障害者」が懸命に何かを達成しようとする場面をメディアで取り上げることがこの「感動ポルノ」とされることがある》(Wikipedia)



んーんと、そうか。であるから、ここでは厳密にいえば「感動ポルノ」とは、“そんなこんなで感動したといわれる場面”を表現したものであって、それ自体が感動を呼び起こすことを目的としたものではないということである。つまり、これはポルノじゃないか!! と叱られたときに、いえ、ここれはただそういう気持ちになっているところを表現しただけです!! といえるスタンスのモノなのである。



しかしここでもまた同じWikipediaの解説にあるように、《「清く正しい障害者」が懸命に何かを達成しようとする場面をメディアで取り上げることがこの「感動ポルノ」とされることがある》ように、劣情、おっと間違いた(by荒木経惟)感動を喚起することを目的とする「感動ポルノ」もあるわけである。



要するに“記録”か“オカズ”か? の問題である。私は“オカズ”派である。なんだか必要もなくメンドくさい話になってしまったのである。申しわけないのである。しかも実際的にも「感動ポルノ」とは“感動オカズ”という意味合いで使われているのである。“感動オカズ”、こちらも、さもさも感動をあさっている気分が表れていて、いい言葉ではないか。“涙オカズ”なんかもいい。



うむ。調べてみるとすでに「感動ポルノ」といういいかたはかなり知られていて、「〇〇ポルノ」という応用もされているようなのである。たとえば「フードポルノ」とか。あまりピンとはこないけれども。自分の勉強不足を棚に上げてなにをエラそうに、ではある。



なぜこれほど「感動ポルノ」という言葉にこだわるかといえば、この言葉の登場は、ふたつの重大な意味をもっていると思うからである。ひとつはもちろん、感動を喚起するためのモノとして障害者を扱っている場面、あるいはそういう傾向に対して、違和感を込めて呼ぶ名称ができたということである。名前のないものを批判するのは骨が折れるのである。言葉がなければはじまらない。



で、今後は『24時間テレビ』もそうとうな反省、というか自己検証を迫られるはずである。東京パラリンピックを頂点に障害者スポーツでひと儲けを企んでいる電通なんかにも厄介な課題になっていくであろう。ちなみにそのための乙武洋匡(40)の参議院議員→東京都知事構想だったのである。舛添要一(67)が任期(2018年2月満了)をまっとうするとしての話だったけれども。世の中なかなか思い通りには動いてくれないものである。



さらに、『はじめてのおつかい』(日本テレビ)なども私にいわせればれっきとした「感動ポルノ」なのである。こういわれてみるとあの番組のイヤラシさがよくわかると思うのである。『24時間テレビ』といい、日テレなにをやっているのであろう?「感動ポルノ」という言葉の登場によって、こうしたチェックが働くようになる。



もうひとつの重大な意味は、「感情や欲望を否応なく喚起するもの」を「ポルノ」と呼ぶことで、批判的に距離を置くことができるようになることである。感動や欲望を喚起するためのモノとして人を消費していく、という「ポルノ」のポイントからははずれていくけれども、いろいろなものがあり、また考えられる。



すでにある代表的なものに「愛国ポルノ」がある。ニッポンがいかにすぐれているかをことさら強調するたぐいのものである。書籍が圧倒的に多いけれども、『所さんのニッポンの出番』(TBS)や『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団』(テレビ朝日)などのテレビ番組もある。しかしかなりズサンなものでも、民族意識はカンタンに煽られてしまうのである。こういうとき「愛国ポルノ」というフレーズがアタマにあれば少しは冷静でいられるというものである。



ほかにも「健康ポルノ」、「ご長寿ポルノ」、「無臭ポルノ」というのもいえそうだし、「巨乳ポルノ」、「巨根ポルノ」は紛らわしいが間違ってはいない。「罵詈雑言ポルノ」は、世間のヤツらアレコレ全部である。それでもポルノがいっぱいで、なんだか私はうれしい。さっきからなんとなく鼻息も荒い。恐ろしいものである。(了)



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