ジャニーズに勢いがない。たとえば7月20日放送の特番『嵐ツボ』(フジテレビ)の視聴率は7.9%、23日放送『嵐にしやがれ』(日本テレビ)は、昨年4月の番組リニューアル以降最低の6.9%であった。夏は視聴率も枯れがちになるといわれているけれども、稼ぎ頭にしてこれだとジャニーズ全体がくすんだ印象になってしまう。
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恐ろしいのは、いったんくすんだ印象が定着してしまうと、それをきっかけにすべてが一気に色褪せ、なにをどう変えても以前の輝きは戻らず、急激に人気が失せてしまう場合があることである。あとから振り返って、ああ、あれが転換点だったのだなあ、というヤツ。同じことは芸能の世界だけではなく、飲食業でも、ファッションの世界でもいえる。
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ジャニーズはまだそこまでの事態には立ち至っていない。そんな予兆をかすかに感じさせる、という程度である。しかし今後いきなり、そんなふうに急な坂道を転げ落ちはじめないとも限らないのである。なにしろジャニーズに勢いがない、と感じたことなどこれまでになかったのだから。
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では、なぜジャニーズに勢いがなくなってしまったのだろう? 私の場合でいえば、たいへん申しわけないけれども、もう飽きてしまっている、というか、すでにそれすらも過ぎてワケがわからなくなってしまっているのである。次々に美形の男の子たちが出てきて面白いことをいい、場を盛り上げるけれどもそれだけなのである。そのときだけはなんとなく見てしまうけれども、見終わってしまえば、それがなんというグループだったのか、挙げ句の果てにはそれがいつのものだったのかさえはっきりしない。ジャニーズのタレント全員ひとくくりの感覚である。
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正気を取り戻すために、いまいったい何組のグループがジャニーズ事務所で活動しているのか数えてみた。デビュー順、( )内はメンバー数。ただし少年隊はグループとしては存続しているけれども実質的なグループ活動はないので省いてある。
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SMAP(5)
TOKIO(5)
V6(6)
KinKi Kids(2)
嵐(5)
タッキー&翼(2)
NEWS(4)
関ジャニ∞(7)
KAT-TUN(3)
Hey! Say! JUMP(9)
Kis-My-Ft.2(7)
A.B.C-Z(5)
Sexy Zone(5)
ジャニーズWEST(7)
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14グループある。総人数72名。プロ野球の12球団より多く、J1リーグの18チームよりは少ない。だからどうだというわけではないけれども、まあ、ジャニーズだけでひとつのプロスポーツの1カテゴリーに匹敵する陣容を備えているということはいえるだろう。あと、ジャニーズJr.と呼ばれる予備軍と、生田斗真、山下智久、風間俊介、長谷川純、中山優馬、内博貴といった俳優陣もいる。
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14グループ、72名。よりどりみどりでうれしいはずなのだけれども、残念ながら区別がつかない。サクラちゃんを指名してサラちゃんがきてもまったく気がつかない感じ。たとえがいちいちオヤジ臭くてすまんのう。つまり過飽和状態なのである。
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ジャニーズにとってたいへん厳しいのは、テレビから歌番組がほとんど消えてしまったことである。これはたいへんシリアスな問題である。アイドルグループとしては単純にそれだけ露出の機会が減り、歌や踊りでそれぞれの個性をアピールすることすらままならなくなっている。よけいワケがわからなくなってくる。さらにCDが売れない音楽業界全体の事情もあってライブに傾注すれば、これはこれでどこのグループも似たり寄ったりの雰囲気である。さらに過飽和感が強まっている。
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こうなったらテレビでジャニーズ総出の帯番組でもつくるくらいしか方策は残されていないのだろうけれども、これまで各キー局とも、よくいえば強力なパートナーシップ、悪くいえばゴリ押しを飲ませ続けてきたという関係上、担当局を絞るのはたいへん難しいのであろうと思う。テレビ界では巨人になりすぎて身動きもままならなくなっているのである。
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テレビ局に気をつかえばネットでの番組配信もできない。あ、これはそもそもメリー喜多川の目が黒いうちは絶対にムリなのであった。どういうわけか89歳のメリー、デジタルを激しく憎んでいるらしいのである。しかもそれは常軌を逸しているのである。たとえばジャニーズ所属タレントが表紙を飾る雑誌が発売されたとして、Amazonでは灰色にマスキングされてしまうのである。表紙が灰色。あと、所属タレントが出演したドラマのデジタル二次配信もNG。メリー喜多川、まるで火を怖がる野生動物である。
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というふうに考えると、とにかく市場を独占するというジャニーズ事務所型のビジネスモデルは、すでに規模的な限界に達していると思うのである。これを続けたければ海外に出ていくしかない。というか、組織は現状維持が不可能といっていいくらい苦手なので、進む道は、縮小するか崩壊するか、海外に活路を見出すかのいずれかであろう。でもジャニーズには「卒業」というシステムがないんだよなー。
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「卒業」で思い出した。女子のアイドルグループ、AKB48と比較してみよう。AKB48の場合、チームA、K、B、4、8のいずれかに所属する正規メンバーに研究生メンバーを加えると、総メンバー数は122人である(2016年6月25日現在。Wikipedia)。このほかにSKE48・NMB48・HKT48・NGT48、日本国外にもJKT48・SNH48があって同様の構造をもっているから、国内だけで数百人規模に達しているのである。どおりで、な感じである。
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対してジャニーズ事務所も、ジャニーズJr.、関西ジャニーズJr.が合わせて約300人も在籍しているのである(2016年7月現在。 Wikipedia)。決してヒケを取っていない。というか、数多くのプロダクションで成り立っているAKB48グループとほぼ同じことを1社でやってのけているのである。スケールの面だけでいえば、男AKBという見方も成り立つのである。そうすると、いままで所属14グループがそれなりに機能してきたというだけでもたいへんなことだということがわかる。
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たいへんなものなのだけれども、AKB48グループのグダグダ観を見るにつけ、ジャニーズ事務所もスケールの拡大はここいらまでが限度、ということが、さらに実感されもするのである。アイドルグループ(集団)は男子、女子ともに総員70人程度のジャニーズのいまでもいささか多すぎ。100人を超えると、握手会とか総選挙とか、ついでに枕営業でもやらないともたない、ということになりそうなのである。いや、もうそれが日本のアイドルの法則である。
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おお、振り返れば、ジャニーズ事務所に所属するグループのメンバー総数は、Hey! Say! JUMPが加わったときにちょうど48人になっているのである。Hey! Say! JUMPの結成は2005年、でもってAKB48のスタートも2005年である。だからこれもどうだということでもないけれども、つまり2005年からアイドル量産、アイドル過飽和の時代がはじまった、ということはいえそうである。
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しかしたった1社で過飽和させるのであるから、ジャニーズ事務所は重ね重ねたいへんなものなのである。で、今日の収穫は、今後のなりゆきなどはAKB48を眺めて、男AKBとしてシュミレートしていけば、ある程度は掴めるであろう、というきっかけを掴んだことである。鮮度が落ちる原因は大量生産のほかになにがあるのかなー、とか。いい方が悪くて申しわけない。
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ともかく、ジャニーズ事務所はそれやこれやでバースト寸前まできているのである。やはりオントシ89歳になられているメリー喜多川の命が尽きたときが、具体的な崩壊の第一歩になるのであろう。できればいつまでもご健在でいていただきたいものである。たとえデジタルなロボットになってしまってもいいから。イヤか?(了)
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