やっぱり、1日6時間がMAXなのである。5時間が適当。6時間以上は心やアタマに悪い。労働時間のことである。むかしっからうっすら勘づいてはいたことが、科学的に証明されて喜びにたえないのである。 豪・メルボルン大学の研究機関、「Melbourne Institute of Applied Economic and Social Research」の研究者たちが、40歳以上の男女6000人を対象に実験をして明らかにしたのである。
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実験の内容は、文章読解、図形、記憶に関するものである。つまり肉体的・物理的な疲労というより、脳の機能を問題にしているのである。これを『ライフハッカー[日本版]』(2016年7月30日配信)がレポートしているのだが、少しわかりづらいので、ザックリ箇条書きにしてご紹介しよう。
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●超過労働による肉体および精神的ストレスは、まずホルモンを通して、認知機能に害を及ぼす
● その観点から、男性にとって最適な労働時間は、週25~30 時間である
●女性にとって最適な労働時間は、週22~27時間である
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ザックリしすぎたかもしれない。ともかく、認知機能障害になりたくなければ、労働時間は“男は週5日勤務で1日5〜6時間以内、女は4時間25分〜5時間25分以内がいいですよ”、ということである。うむ。
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私の場合は仕事以上にプライベートがストレスのカタマリという哀れな人間なので、あまりピンとこない。というか、果たして“労働”と呼べるような立派なものが私にあるのかよくわからないのである。あ、そうか。ストレスを感じるほどマジメに仕事をしていないのか。申しわけない。
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“労働”を金を稼ぐためにしなければならない仕事、とすると、だいたい2時間も労働をすると、アタマがモアモアしてまともに考えられなくなるのである。そうすると、ほかのことを2時間くらいやって気を紛らわさなければ調子がよくない。体が受け付けなくなる。で、2時間の休み時間のうちの最初の30〜40分くらいは眠って、あとはダラダラ過ごす。疲れるので戸外には出ない。ほとんど半病人である。あ、これは仕事がけっこうあるときのお話である。だいたいはグータラグータラやっているうちになんとなく決着がついている、という感じである。
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2時間+2時間=4時間のワンセットを3回繰り返すと12時間。1日のはじまりを朝9時に設定すると終了は夜9時である。私としてはひがな一日働いている気分である。しかしそれでも実際の労働時間は6時間だということになる。12時間も拘束されているのに。せめて1回の労働時間を2時間から3時間に延ばせれば午前中3時間、午後3時間で理想的になりそうなのだが、それもなかなかできない。アタマがモアモアしてしまう。そういえばWモアモアはどうしているのだろう? 66歳と67歳でいまもご健在らしい。なによりである。
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もとい、私なんかの場合をもち出したのが間違っていたのである。9 to 5の、もっとピシッとした一般的なお話をしなければならない。まずは、いまなぜ1日の労働時間が8時間以内と決められているのか? というお話である。根拠はあるのか? なんなのか?
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確認しておくが、この日本でも1日の労働時間は8時間以内と法律で決められているのである。で、やむなくそれを超える場合には超過勤務手当を出すことになっている。しかし、基本的には1日8時間以上の労働は法律違反なのである。法律違反!!
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さて、どのようにして1日の労働時間は8時間以内と定められたのかというと、1886年5月1日のアメリカに遡る。現在のアメリカ労働総同盟が8時間労働制を要求するストライキを行ったのである。ちなみにこれが第1回目の、労働者の日としてのメーデーである。
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“8時間”の根拠は「8時間は労働、8時間は休息、そして残り8時間は自分たちの自由な時間のために」という、このときのスローガンである。というか、1886年のアメリカの労働者がこうしてほしいと考えた労働時間が8時間だった、ということである。
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で、1919年のILO第1号条約で8時間労働が採択されたことによって、これが世界のスタンダードになったわけである。日本では、1947年に制定された労働基準法によって8時間労働が定められた。繰り返しになるが、日本では労働基準法によって、雇い主は被雇用者に1日8時間・1週間40時間を超える労働をさせてはいけないことになっているのである。
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であるから、いってしまえば8時間労働制は、エイヤッと思いつきとなりゆきで決められたようなものなのである。ではすべてを振り出しに戻して考えれば、果たして人類は何時間労働に適した動物なのであろう? 生物学的に最高のパフォーマンスを発揮できるのは何時間労働なのであろう? である。
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生きているあいだはつねに餌を求めて泳ぎ回っている魚とか、眠っている以外は草を食べている牛とか羊とか、食餌の確保を労働だとすれば、下等な生きものほど“労働時間”は長い。昆虫など生まれたときから死ぬときまで働いているようなものである。人の場合については『ハフィントンポスト』(2016年07月26日配信)に興味深い記述があった。抜粋してご紹介しよう。
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《ホモ・サピエンスが誕生したのは約20万年前、生まれてから現在までの95%の時間を、私たちは狩猟採集民族として過ごしてきた。約1万年前に農耕定住生活が始まると、私たちは単調な労働が続く毎日を過ごすようになり、さらには児童労働が生まれた。》
《約200年前、産業革命の勃興とともに大量の賃金労働者が現れた。生産手段を所有しない彼らは、劣悪な環境で働かざるをえず、労働時間は際限なく延びた。しかし社会運動や労働組合の結成により、労働環境は少しずつ改善された。》
《伝統社会の人々は1日2.8~7.6時間しか働いておらず、狩猟採集生活をしていた私たちの祖先も労働時間は同程度だったと推測できる。彼らの労働時間の中央値は5.9時間で、これがホモ・サピエンスの標準的な労働時間だと考えていいだろう。つまり、私たちは「1日およそ6時間」の仕事をするようにデザインされている(はずだ)。》
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下等な動物ほど“労働時間”が長いのだが、現代人は逆に狩猟採集生活の時代よりも長く労働しているのである。しかし人類史を見れば狩猟採集生活の時代の長さは圧倒的である。全体の95%である。であるから生物学的にも、人は「1日およそ6時間」働くようにできているのだろう、ということである。
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また、この約2世紀のあいだに生まれた新しい労働の環境、たとえば工場とかオフィスとかにはまだ十分に適応できていないということもある。これもストレスのもとである。これらを含めて導かれたのが、最初に出てきた、労働時間は“男は週5日勤務で1日5〜6時間以内、女は4時間25分〜5時間25分以内がいいですよ”という実験結果なのである。
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1日6時間、いい感じである。そういえば2015年8月27日、『2ちゃんねる』に「そもそも1日8時間労働自体が長い」という意見が寄せられてかなりの同意、同様の意見を得て、盛り上がっていたらしい。そのときに投稿されていた具体的な労働時間の希望も、ほぼ1日6時間前後である。おお、長き狩猟採集生活の時代に培われた人間の性質は、やはりいまも脈々と私たちのなかに息づいているのである。1日6時間、間違いない。タイタン所属、長井秀和(46)はどこかで英会話を教えたり社交ダンスを踊ったりしているらしい。
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しかしながら現実を見れば、日本の正社員の平均的な労働時間は1日約9時間である(2016年4月、総務省調査)。みなさん毎日必ず1時間の超過勤務をしていらっしゃるのである。結果、理想的だと思われる6時間の、狩猟採集生活の時代の人々の1.5倍も働いてしまっておられるわけである。そして認知機能障害を患うリスクを抱え込んでいるのである。なんとかしなければならぬ。
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これまでほんとうは少ししかない仕事を定刻の退社時間まで引き延ばし、引き延ばししてやっていた方々は、労働時間が6時間になろうと4時間になろうと、簡単に対応できるかもしれない。しかしそうはいかない方々が大半なのである。
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いくらロボットが発達し、普及したとしても、それで自然に人間の労働時間が短縮されるなどということは絶対にない、と私は思う。職場にパソコンやワープロが入ってきたときのことを思い出せばいいのである。労働者の数が減らされただけで残った労働者の仕事量は決して減っていない。工場でいえば、1工程10人のラインで10%の効率化が図られた瞬間に、そこは1工程9人のラインということに変更されるのである。
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ああ、もう、なんともかんともいかんともし難いのである。ああ、もう。あーもん、宮本亜門である。こうなったら高知東生に学んでジゴロ、スケコマシの道をめざすというのはどうだろう? おっと、こちらはもっともっと労働時間が長そうだ。困った。(了)
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