2016年5月2日月曜日

日曜白昼のアリ地獄「アッコにおまかせ!」。オババは天国





恐いもの見たさというのでもないし、話のネタ探しというのでもありません。なんというのか、ここまでくるといささか常軌を逸した、ある種の自虐としかいいようのない気分でチャンネルをあわせてしまうのが『アッコにおまかせ!』(TBS)です。日曜白昼のアリ地獄。



もちろん、いつも少し覗いたらすぐにチャンネルを変えるつもりです。和田アキ子(66)の帝国に長居は無用。と、思いつつ、アキ子のひび割れた白塗り顔に固唾を呑みます。そして、そのすぐ横でバタバタとかじかんだような掌をふられると、「あっ! 5万円ならいますぐ用意します。用意しますからなにとぞご勘弁ください!!」と、お約束のギャグを飛ばします。ほかに誰もいないのに。



で、自称「どんぐりカット」に、え? 映画『キャバレー』のライザ・ミネリがモデル? 、橋田壽賀子でもイヤがるぞ、など番組の進行とは関係のないツッコミを入れ、アキ子以外の共演者のオドつきぶりを眺めているうちに、刻々と視聴時間は伸びていきます。



そしてまた案の定、イヤーな気分にさせられるのです。昨日(2016年5月1日)は、“レギュラーゲスト”問題でした。アキ子、番組MCのくせにいつもお客さまみたいな扱われ方&態度なわけです。それがあまりに酷いので“レギュラーゲスト”問題。昨日はトピックスの取り上げ方が遅いとブーブー喚いていました。「マジすか!? 皆さん」「ニュースで何回もやってましたよ?」。



いや、しかしそれは生本番中にいうべきことなのですか? と。番組で取り上げる内容などは事前に確認、調整をしておくべきではないですか? いや、それがあたりまえなのです。そのときはとうぜんMCの意見が求められますし、また強く反映されます。



 

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ではどうしてアキ子のようなトンチンカンが起こるのか? といえば、アキ子はまったく打ち合わせに参加していないからです。これで「私の番組」、『アッコにおまかせ!』といわれてもねえ。やらずぶったくりみたいなものです。



アキ子は毎週日曜日、だいたい午前10時頃にブラリとやってきて、スタッフに用意させた約40種類だか50種類だかの小鉢の朝食を食べ、放送が終わると、玄関までのお見送り付きでとっととお帰りになります。



まあ、なにさまのつもり? です。朝食やお見送りのことはどうでも、打ち合わせにも出ず、本番中に文句をいい、つまり自分はまったくいい加減なMCだとおおっぴらに世間に晒しても平気だという傲慢さには、ほとほと呆れ返るほかありません。



さらにいわせていただければ、約40種類だか50種類だかの小鉢の朝食だって、自宅でもそうしているわけではないと思うのです。毎日そんな感じで食べているというなら用意させるのもアリかなあとは思いますが、局で食べるのだから贅沢させてもらおうというのは、あまりにも意地汚い、卑しいのではないでしょうか。そうです。私は和田アキ子が大嫌いなのです。いまさらですけど。



アキ子は以前にも本番中に「なんでこんな話題をウチの番組で取り上げないかんの?」とダメ出しをしたことがありました。そのときは勝俣州和(51)が出演していて「おまえの番組だぞ!!」と突き上げたので、観ていた私は驚き喜び、かつ感心したものです。アキ子、ヘラヘラ笑って誤摩化していましたよ。



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こういう、なんともだらしのない『アッコにおまかせ』の視聴率は、だいたい放送時間内平均7〜8%です。決してよくはないけれどもすぐに打ち切りというのでもない、微妙な低空飛行です。で、ついに放送開始から30年以上、放送回数、実に1300回超という事態にまで到っているわけです。



TBS内部にも打ち切りを求める空気はあります。ずうっと長いことくすぶっています。しかしそれはいつまでも決定的なきっかけがつかめないまま、ズルズルとここまできてしまっています。アキ子所属のホリプロが全力で圧力をかけていますし。



そういう意味では、この4月に裏の時間帯に移動してきた『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)がTBS内打ち切り派にとっては希望の星だったのです。し、しかし!! ななんと、初回平均視聴率5.4%というていたらく。8.1%だった『アッコにおまかせ!』を、大喜びさせてしまいました。



さて、ここから本題に入ります。では、この8.1%という数字、これはいったい誰が担っているのか? 誰が『アッコにおまかせ!』を観ているのか? というとうぜんの疑問です。少なくとも私の周囲には観ているという人間も、和田アキ子が好きだという人間もひとりもいません。私のようにイヤなもの、嫌いなものにひき付けられる人間なんて、そんなにたくさんいるわけがないのです。



で、見つけたのが『アサ芸plus』2015年11月12日配)の記事です。タイトルもガッシと豪直球です。ゴーチョッキュー、こんな言葉があるのかは知りません。一部抜粋してご紹介します。



 

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《迷言とイチャモンだらけの「アッコにおまかせ!」を観ているのは誰なのか?》

《御年65歳を迎え、その毒舌ぶりがますますエスカレートしている和田アキ子。看板番組「アッコにおまかせ!」(TBS系)ではもはやイチャモンとしか言いようのない迷言を連発し、世間の反発を呼んでいる。
一方で、その『アッコにおまかせ!』が7%程度の視聴率を維持しているのもまた事実。もっと低視聴率の連ドラも珍しくないなか、この数字を続けているというのは、それなりに固定視聴者がいることを意味する。誰が一体、和田アキ子の迷言を楽しみにしているのか。テレビ誌のライターが解説する。
「日曜日の時間帯別視聴者数を調べると、昼間に最もテレビを見ているのは65歳以上の女性なんです。いわゆるF3+層ですね。つまり、和田アキ子と同世代以上の女性が、『アッコにおまかせ!』の視聴率を支えているというわけです」》



で、日曜の昼は65歳以上の男性(M3+層)もテレビをよく観ていて、彼らは『サンデースクランブル』(テレビ朝日)にチャンネルを合わせる傾向が強い、と指摘しています。ほかの2局、つまりフジと日本テレビは問題外だそうです。というわけで、日曜昼のテレビは『サンデースクランブル』と『アッコにおまかせ!』の対決、なのだそうです。



いってみればオジジとオババの代理戦争の構図。そしてオジジ軍は劣勢をかこっていた『サンデースクランブル』に替えて『ビートたけしのTVタックル』を投入したものの、いまだ戦況は動かずということです。で、もう少し広げると



《「そのF3+層に加え、50~64歳のF3-層も日曜昼間の視聴率に貢献しています。つまり、和田アキ子の迷言を喜んでいるのはおもに、50代以上の女性視聴者なんですね。」(前出・テレビ誌ライター)》



ということになるらしいのです。うむ。でもって『アサ芸plus』は次のように締めくくっています。

《「昭和のうちに社会人になった彼女たちにとって、平成生まれも珍しくない芸能人などひよっこも同然。その言動に怒りを覚える世代でもあり、和田の暴言すらも正論として受け止めているんでしょうね」(前出・テレビ誌ライター)」
そう考えれば、和田の迷言が若い世代にとって理解不能なのも無理ない話。なにせ「アッコにおまかせ!」で繰り広げられているのは、高齢女性の井戸端会議なのである。もしかしたら和田の迷言も、あと5年や10年では終わらないのかもしれない。》



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ほんとうですか? 平成生まれの芸能人への反発がアキ子の言葉を正当化させる、と。これ、アキ子がセミレギュラーの若いタレントたちとガンガンやり合う主旨の番組ならわかりますが、いいだけ持ち上げられたうえでの暴言ですからねー。



「暴言すらも正論として受け止める」「高齢女性の井戸端会議」というよりも、60代オババにしてみれば、むしろ若いタレントにヨイショと持ち上げられ、かしずかれ、君臨している同年代のアキ子にカタルシスを感じているといったほうが正しいのではないでしょうか? ですから、暴言もさほど気にならず、ときには痛快だ、と。私はそう思いますね。



考えてみれば、60代の女性というのは、社会的にも家族的にもあまり顧みられない方々のような気がします。夫とは長年連れ添っていてお互い空気のような存在だし、もっともエネルギーを傾けてきた子育ても終了。その子どもはすっかり親離れして自分の家庭が中心。



60代女性としても家庭中心の生活を送ってきたぶん、社会的な居場所は確保されていないし、没頭できるような趣味もない。働くにも年齢制限やらなにやらで職種がひどく限られる。とくに1970年代までに家庭に入ってしまっていれば情報リテラシーなどないに等しい。そしてまあ、女性としての魅力もそろそろ枯れた、と。申しわけないことですが。



 

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そういう、もうすべてにお役御免で、誰からも軽んじられてしまっている60代のオババにしてみれば、アキ子の暴君ぶりが眩しいほど輝いて見えても不思議はないと思うのです。ガンバレ! アキ子!! もっとやれ!!!



そうかあ、そう考えると、『水戸黄門』は『アッコにおまかせ!』のオジジ版だったというふうに考えられなくもないですね。ああ、オババオジジ向けのプログラムというのは、こういうことなのかあ。



そしてそういう目で『アッコにおまかせ!』を観ると、セミレギュラーと呼ばれるホリプロ所属を中心とするセミレギュラーの、オドオドヨイショ軍団といい、年季の入ったツバメ風情の峰竜太といい、実によく考えられたキャスティングに見えてきます。



そして常識はずれの自分の番組へのダメだしも、約40種類だか50種類だかの小鉢の朝食も、女黄門様、アキ子の権勢を表現するための仕掛けのようにも思えてくるのです。そこまでは考えていないでしょうけど。



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しかしこれは『アッコにおまかせ!』という、一種のリアリティ番組のなかでのお話であって、60代オババにふつうに「和田アキ子って好きですか?」と聞けば、たぶん「いっつもエラそうにエバってて嫌いだよー」と答える人が多いはずです。近所の居酒屋のオヤジの内縁の妻はそうでした。



つまり『アッコにおまかせ!』のアキ子には魅かれるけれども、現実で和田アキ子に出くわしても受け容れ難いということですね。うむ。アキ子、60代オババのダークヒロインであったのです。



2014年の女性の平均寿命は86.83歳です(労働厚生省)。『アサ芸plus』の記事の「もしかしたら和田の迷言も、あと5年や10年では終わらないのかもしれない。」という指摘は、もしかしたら当たってしまうのかもしれません。そうすると日曜白昼のアリ地獄もこの先ずっと……。ああっ、どうしよう!!(了)




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