2016年5月6日金曜日
頼りにならないジャニー、SMAP存続発言の裏事情
ジャニー喜多川(84)がSMAPについて爆弾発言をしたそうだ。まずは「メンバーが独立するわけない」「僕は全面的に彼たちを信じているし、彼らだってそう」と、約4ヵ月前までのあの分裂騒動そのものを否定したらしい。そしてそのうえで9月の契約更新についても「更新しないなんてありえない」と断言したのだそうだ。
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ふうん、そう。われながらジャニーにはもうすっかり冷めきってしまっているのである。その理由は後述するとして、まずはジャニーの発言を読んでいただこう。『デイリースポーツ』(2016年5月5日発信)に一問一答式の記事が上がっていたので、そこから引用しよう。
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※ジャニー(以下〈J〉)、SMAPについて自ら口火を切る。
〈J〉:皆さん、絶対聞きたいと思うから。「SMAPはどうなの?」って。はっきりしときますよ。僕は命をかけても(守る)。SMAPは我が子と同じですから。僕に相談なしで、(解散することは)絶対ない。そんな心配は全然ないです。解散なんて冗談じゃない。(生謝罪後も解散説が度々、報じられるが)とんでもないね。解散、何回したらいいんだろうね。
-解散騒動のときはどういう思いで過ごしていましたか?
〈J〉:1月はずっと病気だったんですよ。入院していたんですよ。歳とともに病気をしますよ。(解散はないと)頭から思ってますからね。僕はそういうの(解散)信じていない。彼たちが僕を信じている以上に僕も信じてますから。なんかあれば、こっちに(連絡が)来ますよ。それだけは信じて下さいよ。
-事務所を出ていく話が戻ることでおさまりました。感想は?
〈J〉:元々、そんな気持ち毛頭ないですよ。(出て行く)はずがないですよ。みんなを含めて。小学校の時からやっているから。向こうも親と同じように(僕のことを)考えている。全然、そういうことではないです。
-メンバーと話は?
〈J〉:話はしょっちゅうしますけど、1月のガタガタしているころは向こうが遠慮しちゃうんですね。僕が入院しているから。
-メンバーとは会っている?
〈J〉:僕は全面的に彼たちを信じている。1回くらい。「がんばれよ」「がんばろうよ」(と言った)。
-契約更新の9月解散は?
〈J〉:それ(解散)はないですよね。ありえない。
-25周年は?
〈J〉:何周年、何周年でやるべき。周りに遠慮する意味もない。SMAPは本当に僕だって、一生懸命育ててきた子たちだから。子たちといったら、いいあれですけど。僕からみればそういう年代ですからね。
-ツアーは?
〈J〉:もちろんやらないといけない。「俺たち、もういいよ」と言うと思うけど、言ってもやらなきゃいけない。今いくつ? SMAP? 自慢じゃないけど、(僕は)84ですよ。
-体調は?
〈J〉:(冗談交じりに)悪いですね。歳ですから。84(歳)ですよ。逆に言うとしわ(48)。
-手術は?
〈J〉:してない。老衰ですよ。
-最後に
〈J〉:そういうことで、よろしくお願いしますよ。(SMAPを)応援していただかないと。
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短いなかにもツッコミどころがいくつもある。私はいつもていねいな仕事を心がけている。であるからジャニー発言の意味を考える前に、それら小ネタもていねいに拾っておこう。おっと、この発言は2016年5月4日、ジャニー自身が演出する舞台「ジャニーズ・フューチャー・ワールド」の取材に応じた際のものだ。
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■「1月はずっと病気だったんですよ。入院していたんですよ」
しかし1月には『ジャニーズ・ワールド』上演中の帝国劇場で目撃されていたという情報がある。またSMAPの5人が直接謝罪したのは1月の中旬である。入院中の病院にまで押しかけたのだろうか?
■「 元々、そんな気持ち毛頭ないですよ。(出て行く)はずがないですよ」
都合の悪い過去、気にそぐわない出来事は、バッサリというかシレッというか、きれいさっぱりなかったことにしてしまうのである。ジャニーズ事務所ではよくあることだ。たとえば1996年、SMAPを辞めてオートレーサーに転身した森且行(42)は、ジャニーズ事務所の“正史”のうえでは、最初から存在しなかったことになっている。すでに伝統のお家芸である。
■「1回くらい。『がんばれよ』『がんばろうよ』(と言った)」
結局、ジャニーはSMAP解散騒動の最中からいままで、メンバーとは1度しか会っていないのである。その1度とは、1月18日に行われた『SMAP×SMAP』での生謝罪の直前の、5人よる“お詫び”である。そんなことなので、「話はしょっちゅうしますけど」というのもあやしい。
■「子たちといったら、いいあれですけど。僕からみればそういう年代ですからね」
もうしわけないが「子たち」でははなく「孫たち」というべきである。
■「84(歳)ですよ。逆に言うとしわ(48)」
このインタビューでいちばん意地悪く笑ったくだりである。このジョークは男の発想ではない。オカマバーを思い出した。
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さて、今回のジャニー発言の意味である。たぶんみなさんすでにご承知だろう。ジャニー喜多川は社長なのに、ジャニーズ事務所においてこれっぽっちの権限もないのである。
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だいたいジャニー、一昨年、丸4日間もエレベータに閉じ込められたまま行方不明になっていても、騒動にすらならなかったのである。実権はすべて副社長であるメリー喜多川が握っている。そんなわけでジャニーのいうことはほとんどアテにならない。まずは、これをアタマに入れておいていただきたい。
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たとえば2015年9月11日に国分太一(41)が結婚を発表したときには、「遠慮なく適齢期になったら結婚すべきです。将来、子どもも必要だしね。人として当然のことです」などと語っていたのである。ついにジャニーズ事務所にも春がきた、と思ったのである。
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しかしそれからわずか8日後の9月19日、「嵐」の大野智(35)が熱愛報道の謝罪会見をさせられている。しかも「もう2度と会うことはありません」なのである。35歳は立派な適齢期なのに。あ〜あ。
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話を戻そう。ジャニーは今回のSMAP解散騒動について一切かかわりをもっていなかった。というより、もてなかったのである。ほかでもない自分自身がその遠因をつくってしまっていたからだ。これについては以前にも書いているが、今回は『 LITERA(リテラ)』2016年5月5日 配信分の記事で見てみよう。
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《そもそも、ジャニー氏はSMAP"育ての親"である飯島三智マネージャーのバックにいて、むしろ彼女を守るべき立場だった。ところが、メリー喜多川副社長、藤島ジュリー景子副社長の母娘に逆らえず、彼女を見殺しにしてしまったのだ。
「一連の騒動については、ジュリー派と、飯島派の派閥抗争が原因といわれていますが、実は、飯島派というのはもともとSMAPしかおらず、派閥とよべるようなものではなかった。それをバックアップして、一大勢力にしたのは、他でもないジャニー氏だったんです。ジャニー氏は以前から飯島氏の能力を高く評価する一方、姪に当たるジュリー氏の手腕には不満を抱いていた。それで、飯島氏のためにジェイドリームという別会社をつくって、自分が社長になり、飯島を取締役にすえた。さらに、自分のスペオキのタレントを次々と飯島氏に任せ始めたんです」(スポーツ紙ジャニーズ担当記者)》
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これの元ネタは、『SMAP解散騒動の全内幕』(常田裕、宝島特別取材班宝島社・3月28日発売)である。そう、いま考えれば飯島三智が独断でKAT-TUN、Hey! Say! JUMP、A.B.C-Z、Sexy Zone、Kis-My-Ft2、山下智久......、と次々にプロデュースの手を広げられるわけがないのである。強力な後ろ盾があってこそ可能になる話で、それがジャニー喜多川だった。記事は続く。
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《ようするにジャニーズ事務所の派閥争いは、「飯島派&ジャニー派」と「メリー&ジュリー派」の対立だったのだ。
ところが、派閥抗争が深刻化すると、ジャニー氏の態度は一変する。14年、この派閥抗争を「週刊文春」(文藝春秋)が取材したことをきっかけに、メリー副社長が飯島氏に「SMAPを連れて出て行け!」と激怒。飯島追放に本格的に動き始めたのだが、ジャニー氏は完全に知らんぷりを決め込んで、飯島氏を助けようとはまったくしなかった。
「実は、メリーさんはこのとき、ジャニーさんが飯島さんの会社であるジェイドリームの社長についていることをはじめて知って激怒。ジャニーさんに詰め寄ったらしいんです。ところが、ジャニーさんは『勝手に社長にされた』『知らなかった』と言い訳したらしい」(ジャニーズ事務所元関係者)》
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いや笑いごとではない。メリー喜多川はホントに怖いのである。若いころには違法なジャニーズグッズを売っていたテキ屋なんかとも一人でやりあっていた女なのである。腕力ではいまも89歳のメリーのほうが、84歳のジャニーよりも上だろう。姉弟なんてそんなものである。スキャンダルの尻拭いを何度もしてもらったなんてことより、体力知力の力関係のほうが強い。
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もとい。正確には、ジャニーが「ジェイドリーム」の社長に就いていたことをメリーが知ったのは、『 LITERA』が指摘する『週刊文春』の取材時ではない。このときすでにメリーは飯島三智(59)に対して、ジャニーはジェイドリームの事務所にも出ていないし書類も見ていない、給料ももらっていない、そんな社長はクビにしろ!! と息巻いているのである。
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『週刊文春』がメリー喜多川の単独インタビューを行ったのは2014年の暮れである。であるからそれ以前に、ジャニーは「勝手に社長にされた」「知らなかった」とシラを切っていることになる。そしてこの“シラ”が飯島三智に対するメリーの感情を激しく悪化させて「SMAPを連れて出て行け!」発言につながっていくのである。
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いってみればジャニー、SMAP分裂騒動におけるA級戦犯である。A級戦犯、なつかしいのう。元凶みたいなものである。それにしてもジャニー、自分で原因をつくっておきながら、イザとなったら飯島三智を見捨てて頬かむりとは、いったいどういう了簡だ? 冷めるー。
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そういうジャニー喜多川が、自分からSMAPの今後について語ったというのである。どういうことなのだろう? またまた国分太一の結婚発表のときのような、ただの思いつきのリップサービスだったのだろうか? そうではないと思う。
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なぜなら各スポーツ紙が翌日(5月5日)の1面でこのニュースを大きく取り上げているからだ。スポーツ新聞はジャニーズ事務所のコントロールを受けやすい。あとバーニングと。それはSMAPの分裂騒動のときにもよ〜くうかがえた。
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であるからつまりジャニー喜多川の今回の発言は、SMAPは解散しない、いや“絶対に”解散しない、というジャニーズ事務所からのアピールだと読むべきだろう。ここから先はかなりの憶測になる。
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なぜいまアピールしたのかといえば、ひとつはSMAPとしての仕事をつなぎ止めたいからだ。全員揃ってのCMは3月末をもってすべて終了している。いますぐ新たな契約というわけにはいかないかもしれないが、将来のオプションとして、その可能性を少なくとも示唆しておく必要はあるだろう。
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もうひとつの理由として考えられるのは、中居正広(43)の9月以降の残留が決定したのではないかということである。最近になって中居正広がメリー喜多川に改めて謝罪したという情報も伝わっている。しかし「中居正広の残留が決定!!」ではいかにも楽屋話でナマナマしいので、「ジャニーがSMAPの解散を否定」としたのではないか、と思うのである。
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しかし実際問題としては、まだ解散回避がはっきりと決定しているわけではないのだろう。草彅剛(41)と稲垣吾郎(42)はともかく、事務所に対して強い不信感を抱いてしまっているといわれる香取慎吾(39)が抵抗する可能性はある。とはいえ、ジャニーズ事務所としてはSMAP存続は固いと踏んだのである。
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もしかすると中居正広はまだ独立の機会をうかがっていて、それに対するこれからもいっしょにやろうぜ、コールなのかな、とも思ったのである。しかしメリーの性格を考えればそれは現実的ではない。自分からアタマを下げる女ではない。ジャニーズ事務所所属、新生中居正広の最初の仕事は、木村拓哉を除くほかの3人のメンバーのまとめ役になるだろう。
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でもって、こういう未確定な情報を、しかもそれらしくニュースバリューをもたせてバラまくには、ジャニーしかいないのである。とくにメリーやジュリー景子ではなくても、ジャニーズ事務所の社員がこれを発表してしまえば、それは事務所の正式な見解になり、事実関係を問われることになる。
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うむ。適材適所である。ジャニーとしても怖い姉ちゃんの役に立ててうれしかったに違いない。よかったよかった。ナントカとハサミは使いよう。しかしナントカを使いこなすのはなかなか難しいのである。
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たとえば、今後のSMAPのツアーについて問われたジャニーは「もちろんやらないといけない。『俺たち、もういいよ』と言うと思うけど、言ってもやらなきゃいけない」と答えている。しかしこれは姉ちゃんに「余計なことをしゃべるな!!」と叱られるかも。イヤイヤでもSMAPを続けさせ、ツアーをさせるというふうにも聞こえるから。
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ジャニー喜多川、せっかくいい味が出てきたのである。老衰などと弱気にならずに、ぜひ、もっともっと頑張っていただきたいものである。私は決して着いていかないけど。(了)
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