SMAP中居正広の熊本地震被災者への支援活動にいろいろ考えさせられています。ひとつは、この爽やかさ、しばらく忘れていた胸のすくような清涼感はどこからくるのだろう? ということです。
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そんなこと、わざわざもっともらしくいわなくても、善意、善行は傍から見ているだけでも気持ちのよいものだ、とおっしゃるでしょう。それから、それは完全なプライベート、ボランティアでやっているからでしょ、とおっしゃる方も多いと思います。
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その通りです。とくに最近は芸能人たちの自己宣伝臭フンプンの支援活動をイヤというほど見せつけられていますから、完全なプライベートというだけで、相当スッキリします。
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ちなみに、「プライベート」というのは「私事」という意味です。それがここ最近、いつのまにか「完全なボランティア」というふうな意味あいでも使われるようになっています。プライベートなボランティア。「ボランティア」という言葉がたいへん曖昧につかわれています。
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芸能界でいうと、事務所経由、プロダクション経由の「ボランティア」というものがあります。「ボランティア」とは“自主的に無償で行うもの、あるいはその行い”という意味ですけれども、言葉のうえでは事務所経由でもプロダクション経由でも「ボランティア」であることに矛盾はありません。
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しかし、私のように性格が悪い人間にはどうしてもうさん臭く感じられてしまいます。なぜかというと、そこに参加するタレントならタレントがどのくらい自発的に参加しているのかがわからないからです。
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もしかすると事務所の戦略、話題づくりとしてやらされているのでないか? と勘繰ってしまうわけです。心の狭い男です。事務所にやらされているのであれば、それはそのタレントにとってはただの仕事であって、ボランティアではありません。
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もちろん、“被災地の皆さまのお役に立てて、それでもしウチのタレントの人間性も広く伝われば一石二鳥じゃーあーりませんか”という考え方もあります。また、それとは逆に“タレントの売名のために被災地を利用している”とする見方もできます。いずれにしても、そこには虚実ないまぜの、はっきりと白黒をつけにくい世界があります。
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しかしながら、支援物資すら満足に行きわたっていない被災地で、撮影クルーをぞろぞろと引き連れて歩き回っているタレントの姿を見ると、やはり違和感はあります。報道のクルーでさえ暴走しているとの批判があるのです。タレントを写すカメラを担ぐくらいなら水を担げ、という話にもなります。
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今回の中居正広の熊本地震被災者への支援には、そんな曖昧さは一切ありません。ただ行きたいからいく、という、これ以上ないシンプルさが爽やかで共感を呼びます。
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報道というノイズをかぶらないですんでいることも大きなポイントでしょう。これは今回、気がついたことですが、支援活動がニュースになって、「タレントの中居正広さんが熊本の被災地の皆さんにお忍びで炊き出しを行いました」とか「現地のチビッコたちとも気軽に記念撮影」とかいわれると、とたんに色褪せた感じになっただろうと思うのです。
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それは報道する側の判断や評価によって、中居正広のボランティアの素の姿にフィルターがかかってしまうからです。たとえば中居正広が被災地のお年寄りと談笑しているニュース映像を想像してみてください。ナレーションなどでいくら中居正広の行動が賞讃されていようとも、都合よく切り取られた現実のごく一部にしか過ぎない、という印象からは逃れられません。
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逆に報道されなかったぶんだけ、中居正広の行動がストレートにこちらに伝わってきたのだと思います。その活動の苦労話、楽屋話みたいなことが一切中居正広の口から語られなかったのもよかった点です。判断や評価、盛り上げは要らないのです。ただ熊本へいってチャーハンをつくった、という事実だけで、中居正広の思いは十分に語られています。
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この中居正広の支援活動のニュースに関して、民放各局に取扱いNGを指示したジャニーズ事務所に感謝したいと思います。あ、今回はジャニーズという暑苦しい事務所と距離を置いていることも、清涼感の理由の一つであることは間違いないですね。
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おお、ついでに少し話がそれます。そういえば木村拓哉(43)が、蜷川幸雄(享年80)の葬儀に藤島ジュリー景子(49)をエスコートして現れたそうです。もー、暑苦しいことです。メリー喜多川(89)&近藤マッチ彦(51)の次は藤島ジュリー景子&木村拓哉の時代だぜぃというわけです。
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木村拓哉、一般の会社勤めを知らないからこういうエゲツナイことが平気でできるわけです。常識ある組織人はこういう真似はしません。どっちに転んでも大丈夫な位置をいつまでもキープし続けるのが、常識ある組織人というものです。ジャニーズ事務所の幹部をめざすなら、まずはこういうところから勉強し直さないとね。すばしっこさは認めますが。ああ、クソ暑苦しい。
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で、なんというのか、話は戻ります。報道されないほうがよく伝わる、というのは大問題なわけです。天動説から地動説への転換くらいの驚きです。これまではすべからく、いかにして情報を素早く、繰り返し、キメ細かく行き渡らせるかについて知恵を絞ってきたのです。ニュースも広告も、スペースの取り合い、タイムの奪い合い。
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しかしどうも、いかに情報を素早く、キメ細かく行き渡らせたとしても、それに比例してよい効果が生まれるとは限らない、という状況が生まれているらしいのです。イメージ戦略? もうウザいだけ。
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ニュースも広告も、いつかどこかで見た景色や聞いたセリフ、音ばかりなのです。現実はいつも動いているはずなのに。で、そんなノイズはアタマをいっぱいにはしてくれるものの、眠気を覚ましてはくれないのです。
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木村拓哉が社内営業にいそしんでいた5月15日には、中居正広と香取寝具おっと間違いた(by荒木経惟)香取慎吾(39)が、熊本で炊き出しを行っていました。中居正広は4月24日の1回目の炊き出しのときも、3回目のこのときも、チャーハンをつくっています。
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チャーハン。うむ。つくり手としては、1度どっぷりつくってしまえばあとはよそうだけのカレーとか豚汁とかにくらべて、はるかに手間のかかるメニューです。とりあえずは、フライパンに入るだけのご飯を、そのフライパンを振ってパラパラになるまで炒めなければならないのです。
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ということは、チャーハンは中居正広の得意料理なのでしょう。チャーハン。うむ。女子の立場から見てチャーハンが得意な男子というのはいかがなものか? といま考えていて気がつきました。中居正広はもうそんな場所にはいないのです。
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もう、「えーっ、中居クンってチャーハンつくれるんだー、いがいー」というところにはいません。もしかすると、「お兄ちゃん!! って呼んでもいいですか?」というところにもいません。中居正広はいまやお父ちゃんの道を歩みはじめています。結婚もしていないのに。嫁さんよりDVDなのに。
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まわりにとらわれず、時間を見つけては熊本へいき、楽しそうに支援活動に取り組んでいるようすは、それが断片的にしか伝わってこなくても、なんとなく頼れる父ちゃんの雰囲気なのです。カッコつけず、庶民的で、しかも逞しい、頼れる感じがします。男の私から見ても、だわよ。
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実際は中居正広、SMAP解散騒動以来のゴタゴタがあって精神的にも肉体的にもたいへんキツいときだと思うのですが、いきいきとして見えます。ジャニーズ事務所の傘の下から一歩、いや半歩だけでも抜け出たことが、中居正広を一気にオトナにしたような気がします。しかも、これまでの中居正広からの違和感もなく、広く支持されています。
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ですから、アイドルが年を取ったらどうなる、と心配するのは杞憂で、一人のオトナの男として考え行動するスペースさえあれば、きちんと立派な姿になっていくものだ、ということなのではないでしょうか? まあ、ダメになる人もいるでしょうけど。
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中居正広は、中年期を迎えたアイドルのひとつの方向性を示しました。これはとても大きなことです。で、そのポイントは精神的な自立です。いつまでも事務所の指示や意向に従っているだけではどうにもなりません。国分太一(41)みたいに。(了)
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