2015年6月2日火曜日
椿鬼奴が泣き、片岡愛之助が笑う
2015年5月29日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」の冒頭で、ゲストとして招かれた椿鬼奴(43)がいきなり泣いた。ソファに座るなり手で顔を覆い声を漏らして嗚咽しはじめたのである。
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「徹子の部屋」は椿鬼奴の憧れの番組だったそうで、念願の出演がかなった感激のあまりに泣いてしまったのである。確かに歌手には紅白歌合戦がある。では歌手以外の芸能人にとっては、というと「徹子の部屋」がひとつのステイタスということになるのかもしれない。格は相当違うが。
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それにしても「徹子の部屋」である。黒柳徹子(81)の、もはや十分には回らぬ呂律と入れ歯のカチカチ鳴る音、そして話の流れをぶつ切りで運ぶインタビューである。ゲストの話を受ける余裕がないので、「芸人殺し」とまでいわれた番組である。しかしまあ、司会者がどれだけ老いぼれていようと、ここでいう「格」とはそれほど関係はない。
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いささか驚くのは、収録の当日、スタジオに椿鬼奴の母親ら9人の親族がかけつけて見守ったというのである。まさに紅白歌合戦級の反応である。このようすもオンエアされていたから、見た方もいらっしゃるだろう。椿鬼奴、ああ見えて宮崎家(旧姓)の星だったのである。きっと。
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椿鬼奴のプロフィールを見ると、渋谷区代官山の裕福な家庭に生まれ、桐蔭学園中学校、高校と進み、清泉女子大学文学部を卒業している。お嬢さまである。しかし20歳のころ鉄鋼会社勤務の父が株で失敗し、それがもとで両親は離婚。母と弟と3人での団地暮らしがはじまる。
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なんとか大学を卒業後、ネットカフェでのバイトやOLを経験しつつ、やがてパチンコ、酒、煙草をたしなむようになる。いまのやさぐれ感が醸成されるのである。母親と2人で川崎の木造アパート暮らしの後、念願のマンションに移り住んだのは2010年のことである。
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つまり推察するに、父親が失ったものを取り戻したいという気持が椿鬼奴とその家族には強かったのだろう。金はもちろん、プライドや体裁といったようなものも。家柄は知らないが少なくともそういうリベンジの気持はあったと思う。もしかするとスタジオに集まった親族も、椿鬼奴側が見てもらいたくて呼んだのかもしれない。夫がグランジの佐藤大(35)で競艇好きであるにしても、ようやくここまで来ました、と。
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キレイな和服姿で感激している椿鬼奴を見ていると、こちらも他人事ながらよかったなあと思う。思うけれども、お笑い芸人の椿鬼奴はこの程度なのかなとも思う。「徹子の部屋」が1976年放送開始の超長寿番組であろうと、日本初のトーク番組であろうと、10002回目の出演であろうと、お笑い芸人、椿鬼奴はそれを冷やかす側にいなければいけないのである。
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お笑いは庶民のものだ。権威権力におもねってはいけない。だからこれから椿鬼奴が黒柳徹子をどう扱うか、楽しみにしていよう。これでずいぶん好感度がアップしたし、来年の24時間テレビのマラソンももらったようなものだ。これは、このままいけば大久保佳代子を抜けるで。マジ勝負どころやで。
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話は変わって、片岡愛之助(43)と藤原紀香(43)の熱愛、そして熊切あさ美(34)との破局報道その後である。見ましたか? 見た? 見た? あの、たぶん主演舞台「もとの黙阿弥」制作発表会見での片岡愛之助の顔!! スンゲーエロなあのにやけ顔!! あまりにも卑猥!! 超テレビ級、人類究極の顔面猥褻である。犯罪関係を除けばはじめて、人の顔にモザイクをかけてほしい、と心から願ったのである。BPO(放送倫理・番組向上機構)もきっと黙っちゃいないと思うのである。
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少し説明をすると、目頭目尻がS字に波打つ切れ長な三白眼、逞しい口元の肉厚で鋭角に切れた唇、それを浅く歪める驕慢な淫ら笑い、ぞろりと褐色のゴムマット質感の肌。そしてなにより、ふてぶてしい色男ぶりの所作。ああ、エロを超えてエグロい。超絶エロ魔人である。淫力魔人はイギー・ポップである。
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昨夕テレビであのラブリンの顔を見てしまって以来、本来の意味とはまったく異なっているが、「搦め手が得意な寝業師」という言葉がアタマのなかをぐるぐる独り歩きして困るのである。なんとなくフンドシまで似合ってしまうだろうたたずまいも困るのである。
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ラブリンのエグロさは、あるいは養父のヒデリン譲りである。ヒデリン、片岡秀太郎(73)である。往年の大スター、高田浩吉(享年86)の娘、美和(68)を嫁にもらいながら、あまりの変態ぶりに愛想を尽かされた男である。
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ヒデリンが日活ロマンポルノ「軽井沢夫人」(1982)に美和を主演させ、撮影現場にカメラ持参で張り付いて小沼勝監督を悩ませたのは有名な話である。こういうのは公開羞恥撮影プレイとでもいうのだろうか? また、団鬼六原作のSM映画「花と蛇」に美和を出演させるべく日活と交渉したという話まである。
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門前の小僧習わぬ経を読む。ラブリンもきっとまた房事に人事を超えた情熱を傾けるエロ男に育ったのである。遠くから見ている分には楽しいが、自分の妻、娘、孫、母親、祖母などには絶対に近づかせたくない男である。超絶エロ魔神、片岡愛之助。実際のところがどうなのか、そんなことは知らん。ただ、あまりにも顔がいやらしかったといいたいだけの話なのである。 (了)
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