青山学院大学相模原キャンパスに新設された「地球社会共生学部」。教授の一人が設置の無効を訴えて裁判を起しているそうだ。
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だが知りたいのは「地球社会共生学部」とはなにかである。大学のホームページには「世界中の人と痛みを共有し、共に学び、共に世界を切り拓く」グローバル系の学部、と書いてある。1学部1学科。私には「世界中の人と痛みを共有」する段階でムリである。きっとハンパな痛さじゃなかろうて。
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2014年度、46の出版社が倒産したそうだ。前年度は30だから1.5倍以上だ。おそらくは貴重な本がどんどん絶版になり消えてゆく。評論家によると、こんなに本が売れなくなった理由は、若者はスマホで情報を得、高齢者は老眼で字が読めないからだという。笑う。
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本当か? 高齢者のせいにしていいのか? 結婚しない人が増えたのはブスやブオトコのせいか? 出生率が下がっているのはフニャチンのせいか? オレが貧乏なのは仕事の邪魔をするエロサイトのせいか? ああ、そういえば、そうか。エロサイトを観るようになってからはエロ本を買ったことがない。
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血、血筋、血統などの言葉は差別に結びつきやすい。「代々の血」「そういう血筋」などの表現で人を誹謗中傷するのはむかしからのやりくちだ。しかしそれが許されないものであることは、今日び中学生でも知っている。
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で、実際には遺伝を担っているのは「血」ではなくて遺伝子なのだから、そこらあたりのところをひとまとめにしていわれるDNAについても、もっと敏感になるのがなりゆきだと思うのだが、どうもそうではないらしい。
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「あそこの家の血筋はねえ」というのと「あそこの家のDNAはねえ」というのでは、印象ががらりと変わる。DNAのほうには、知能とか身体能力とかいうものについての科学的知見の趣があり、「血筋」のほうにはぼんやりした暗い過去の気配がある。
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だからDNAという言葉の扱いはおおらかだ。となると、それを逆手にとっていかにも科学的なものいいで差別心を満足させる輩もいる。差別心は誰にでもあり、消えるものでもない。人間の宿痾のようなものだ。だから、いつも自戒していなければいけない。
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とそんなことを考えていたこの春、札幌市長候補による「生活保護は遺伝するとか世襲制だとかいわれている」、という選挙演説を聴いてしまった。それは生活保護を受給している家庭は親から子へ「ある意味ノウハウを与えているのと同じ」だからだそうだ。「根を腐らせてしまう」のだそうだ。
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しかし落選したからよかったものの、これが21世紀の政治家を志す者の発言か? で、どうするの? 断種? 親子の強制分離? ヒトラー・ユーゲント? 近頃、妄想がすぐ現実になりそうでマジ怖いのである。
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米倉涼子(39)が離婚か? である。去年12月に結婚したばかりである。まだ半年そこそこである。わけがわからぬ。こっちはなぜ結婚したのかもわからぬ。わけがわからぬがしかし、うさんくさい。
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その夫はリクルートから独立して広告代理店を経営しているという。てっとり早くいえば同社『HOT PEPPER 』の広告営業請負である。
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もともとは契約社員として地元の大阪で入社し、その『HOT PEPPER 』の広告営業を担当して正社員に採用されたのだそうだ。フリーペーパーの広告営業である。体力はある。行動性は高い。しかし目立って優秀なキャリアというわけではない。
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リクルートは性格と能力を判定するSPIテストの本家本元であるから、人間的にはそういう感じの男だろうと想像はつく。そういう感じとは、「遅れてすみません。つい5分40秒前まで具合が悪くて駅のベンチで倒れてました。ハハハッ」という感じである。ともあれ、とても便利そうな、ふつうの陽気な一般人である。
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いくら早く子どもがほしかったとはいえ、大女優である米倉涼子がどうしてこの男と結婚したのか、周囲が許したのかは、たぶんこれからも謎のままだろう。しかし別れることはすでに決定していて、そこに向かって着々とレールが敷かれている。
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あるいはこれから男がなにがしかの抵抗を見せれば、その過程で結婚の理由も明らかになるかもしれない。着々とレールを敷いている米倉涼子の周囲がそれを封じ込めるか。ここはひとつ冷静に見守っていきたいものだ、ってそんな大それたものでもないが。 (了)





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