2015年6月23日火曜日

そろそろ、また春樹、空騒ぎの季節だね





村上春樹(66)は、おいてきぼりを食らった園児みたいな顔をしている。春樹においてきぼりを食らわせたのは、もっともらしくいえば三島由紀夫のいた「昭和」、くらいなものだが、ほんとうは読者である。アレは大暴走して自分よりはるか前方まで殺到していった読者の背中を追いかけている目なのである。



春樹の『1Q84』3部作は合計600万部も売れたらしい。資源を無駄づかいするのもいい加減にしろである。とはいえ、決して金持ちそうには見えないのである。会社勤めを知らない喫茶店のオヤジふうである(接客が苦手で洗い場専門)。最初の仕事がその後の人となりに尾を引くという典型である。



なぜ春樹が読者の背中を追いかけているのかといえば、もちろん次の作品をどうするかもあるが、自分の小説の本当のテーマがばれていないか、不安だからである。自分でもよくわかっていないのでなおさらなのである。


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そんなこんなで逃げ回り隠れ回ったあとにできるラビリンスが、すなわち春樹ワールドである。



春樹ワールドの目くらましに使われた一人がユング派心理学者の河合隼雄(享年79)だ。でもって「書いているあいだのことはまったく覚えていない」とかなんとか。小説界の森進一か? スピリチュアル系ニューエイジ詐欺師たちともそう変わらない。



春樹の写真の多くは、全体を見ると昭和中期の家族写真を思い出させる。春樹は家の前で、逆光にならないように太陽を正面に立たせられている幼児である。おかげで目が縮んでいる。春樹の顔はノスタルジックなのである。しかし、春樹のこの目のせいで「柿の種」が食えなくなった。


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村上春樹の顔が誰に似ているかというと、元総理大臣の羽田孜(79)、若いころの片岡鶴太郎(60)、芥川賞作家の保坂和志(58)、ハルヲフォンの近田春夫(64)、売れない関西芸人の名前も知らない誰か数人、カピバラ(寿命5〜10年)などがすぐに思い浮かぶ。そしてもう一人、おかっぱ頭の誰かがいたような気がするのだが、どうしても思い出せない。



カピバラというのは体重65kgにもなる最大の齧歯類、ネズミの仲間である。アマゾン川流域に棲み、草食性で性格は非常に穏やからしい。しかしきっと執念深いのではないかと私は思う。



文藝春秋2006年4月号に春樹の「ある編集者の死〜安原顕氏のこと〜」という文章が載っている。例の神田の古書店で売られていたとかの生原稿流出事件に関してである。これが実に不気味な代物なのである。



まずは春樹、安原顕(享年63)の遺族のもとへ、編集者を思い当たりの確認に走らせているのである。故人の名誉にかかわる問題である。遺族への礼儀もある。自分で行けよ。しかも元担当編集者であった安原顕が亡くなって3年も経ってからなのである。ねちねち侮辱も盛りだくさん。死者をバッシバシにムチ打つ。文藝春秋誌上で。



亡くなって3年も経っているのだ、遺族に罪はないし、そっとしておいてやればいいのに。たぶん春樹、後年の作品批判がよほど気に入らなかったのだろう。臆病だが執念深い復讐の鬼である。この文藝春秋の文章はいまもネットのどこかに落ちてるはずだから、春樹ファンはマストである。柿の種のような眼の奥に潜む闇に震えろ。


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村上春樹ってなんだか下ぶくれな名前。



ノーベル文学賞トルトル詐欺。受け子は近田春夫。




春樹、少し顔が締まった時期があったと思ったら、ジョギングしてんだよ。フルマラソンに出たり。逃げ足鍛えてんだろうね。ジョギングはタモリもだよ。追いかけ回してみたくなるよねえ。



なんだかんだいっても、村上春樹の顔はどこかのんきである。そういえば春樹を読んで死にたくなったなどはもちろん、眠れなくなった程度の経験も私の周りでは聞いたことがない。それほどゆるくてうすいのである。世界の若い読者たちの感性の最大公約数みたいなものである。ただ文体に読ませる力はあるので読んでしまう。まるでアルコールを抜いたビールもどきのようなものである。(了)




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